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彼が他の女性を見た時に💢 ➡️どうする?(乙女ゲームシナリオ)

    木六本をヤヨイさんと2人っで歩いてた
    デートという訳では無いけど、たまたま彼が古くからある老舗の仏具店へ行くというので予定を合わせて合流した。

    高級ブティック街や、お金持ちしか住めないタワマンそびえ立つ。

    私には一生縁のない街だと思っていたけど、よりにもよって1番ブランドものと縁の無さそうな墓守と歩くなんて夢にも思わなかった。


    街を歩いてる人は、普段見たこともないようなドレスを着てる人や、芸能人のような普段見たこともないオシャレな格好をしてる人がたくさんいる。

    セレブていうんだろうか?

    それでいて渋谷なんかに比べれは人は全然居ない。
    都会でありながら、ここだけ時間の流れがゆっくりしてるように感じた。

    至る所に公園があって、公園やベンチも沢山有る。
    誰でも知ってるような大きなブランド品のブティックが、至る所にあるのにお客さんは全然居ない。

    銀座なんか行けば大混雑してるのに、この優雅な街は、街全体が美術館のように綺麗に整っているのに人が少ない。

    良く経営が成り立つなと心配になるくらいだけど、1人あたりのお金を使う量が多いのかもしれない。

    そんな街だから、やたら綺麗な人が多い。
    見たこともないような輝くブロンドヘアーをした学生さんや、短いスカートを履いたモデルのようなナイスバディな女の子。

    そんな綺麗な格好の人たちが沢山いる街に来ると、なんだか悲しい気持ちになる。

    ヤヨイさんも、いつも通りのボロったらしい漆黒の法衣に袴姿だけど、そんな人は他に居ない。
    逆にそれがプレミア感があって、オシャレにすら見えてしまうから不思議だ。

    一応、私も家にある中で1番真新しい毛玉の少ない服を着てきたけど、なぜか自分が浮いてる気がしてしまって惨めな気持ちになっていた。

    目の前に、信号街をしてる若い女の子が居た。
    私より全然歳下。もしかしたら10代かもしれない。

    それなのに、エナメルのように輝く服を着て、髪の毛は艶やか。短いスカートから見える真っ白な太ももは、スラリと綺麗でもしかしたらモデルさんなのかもしれない。

    ヤヨイさんも、思わず見惚れて彼女を見てる。


    どうする?

    ➡️ 選択:【「可愛い子ですね」】(全力の作り笑顔で同調する)

    私は精一杯の作り笑顔を浮かべて、ヤヨイさんが思わず見惚れてる女性を褒めてみせた。

    内心のジェラシーを隠すように、少しだけ声のトーンを上げる。

    「本当に、モデルさんみたい……」

    ヤヨイさんは、言葉を返す代わりにジッと私の眼を見た。

    彼はいつも、こうやって私の心の奥底を覗き込んでくる。彼の前ではどんな隠し事も通用しない。

    その鋭い視線に始めは戸惑っていたけれど、常に心の中を見透かされているような緊張感も、今では不思議と、私を深く気遣ってくれているような気がして嬉しく感じていた。

    もちろん、彼は誰に対しても同じような観察眼を持っているのだろうけど……。

    yayoi
    「あぁ …… だが、君には負けるがね」

    彼は視線を女の子から私へと戻し、ふっと微笑んでさらりとそう言った。

    (――っ!?)

    私の引き攣った作り笑いを一瞬で見抜いた上に、そんなストレートに嬉しいことを言うなんて。
    彼はいつも、私がその瞬間に一番欲しい言葉をくれる。

    けれど、それが彼自身の本心からの言葉なのか、それとも私を魅了するための『戦術』なのか、私には判断できない。

    彼は以前、言っていた。

    自分には果たさなければならない使命があり、そのために私の持つ『引力』が必要なのだと。

    彼のこの優しさも、甘い言葉も……すべては私を利用し、逃がさないための戦略なのだろうか?

    そんな不安が頭をよぎり、足元が冷たくなるのを感じてうつむきかけた、その時――。

    ぐっ、と唐突に手を握られた。

    (え……?)

    モヤモヤとした考え事が一瞬で吹き飛び、重なった大きな手のひらの熱に、全身の神経が集中する。

    驚いて顔を上げると、彼はそのまま私の腕を引き、優しく、けれど決して逃がさない強さで抱き寄せてきた。

    周囲にはセレブたちが歩いている白昼の街中だというのに、彼の腕の中にすっぽりと収まってしまう。
    黒い法衣から、ふわりと冷たくて甘い花の香りがした。

    yayoi
    「……どうした、〇〇」

    耳元に落ちてくる声はひどく甘く、私の不安を溶かすような熱を帯びている。

    yayoi
    「君の引力が、ひどく冷たく揺らいだ。……俺の側で、つまらない思案に暮れるな」

    彼の少し強引な引き寄せ方と、奥底にある不器用な優しさ。
    それに触れた瞬間、私の思考は完全に彼に支配されてしまった。

    さっきまで感じていた「利用されているかもしれない」という不安なんて、心の奥底へみるみるうちに消えていく。

    代わりにあるのは、ただ彼に包まれているという、甘く痺れるような幸福感だけ。

    「うぐっ……、ずるい、です……」

    完全に彼のペースに飲まれてしまった悔しさと嬉しさで、私は真っ赤になった顔を隠すように、彼の胸に額を押し当てることしかできなかった。


    ➡️ 選択:【「ああいう子、好みなんですか?」】(意地悪な小悪魔感で嫉妬をアピール)

    私は少しだけ唇を尖らせて、上目遣いで彼を睨んだ。
    自分でも引くくらい、嫉妬心が隠せない。

    私の棘のある言葉に、ヤヨイさんは一瞬だけ目を丸くして――次の瞬間、こらえきれないように小さく吹き出した。

    (~~っ!! 笑うことないじゃないですか!)

    恥ずかしさと居たたまれなさでパッと視線を逸らそうとした、その時ーー

    すっと、ヤヨイさんの大きな手が私の頬を包み込んだ。
    ビクッと肩を揺らす私を引き寄せるように、彼が静かに一歩距離を詰める。

    白昼の高級ブティック街。周囲には着飾った人たちが歩いているのに、彼と私の間だけ、まるで別の惑星から来たような錯覚に陥る。

    彼は余裕そうな、けれどひどく甘く熱を帯びた瞳で私を見つめ下ろした。

    yayoi
    「……この世界に、君より可愛い子なんて居ないよ」

    耳元に落ちた低く響く声に、心臓が大きく跳ねた。

    yayoi
    「どんなに美しい造形だろうと、高価な布で着飾っていようと、俺の魂には微塵も響かない。……俺を狂わせ、視線を釘付けにして離さないのは、後にも先にも君だけだよ」

    彼の手が頬からゆっくりと滑り降り、長い指がそっと私の髪を梳く。

    その手つきがあまりにも優しくて、大切に扱われていることが痛いほど伝わってくる。

    yayoi
    「だから、そんな可愛い嫉妬で俺を困らせるのはやめてくれ。……こんな場所で、君に愛を刻みたくなってしまう。」

    (っ……!)

    彼の瞳の奥に揺れる、隠しきれない独占欲と仄暗い熱。(ほのぐらいねつ)
    さっきまで感じていた、自分が浮いているような惨めさや不安なんて、もう欠片も残っていなかった。

    意地悪をして困らせてやろうと思ったのに、完全に形勢逆転だ。

    彼からの真っ直ぐで重い愛情の言葉に、私の心は甘く痺れ、ただただ彼という存在に深く、完全に虜にされていくのを感じていた。


    ➡️ 選択:【「……私なんかと歩いてて、恥ずかしくないですか?」】(いじけルート)

    (私なんて、完全に場違いだ……)

    すれ違う、美しく着飾った人たち。ショーウィンドウに映る、少し毛玉のついた服を着た自分の姿。
    そして、その隣を歩く、漆黒の法衣を纏ったヤヨイさんの圧倒的な存在感。

    彼から見れば、今の私はひどく惨めで、みすぼらしく映っているのではないか。

    そんな考えが一度頭をよぎると、もう止まらなかった。彼に否定してほしい、慰めてほしいという甘えと、どうしようもない自己嫌悪が混ざり合い、視線が自然と足元へと落ちていく。

    「……私なんかと歩いてて、恥ずかしくないですか?」

    喧騒に紛れてしまいそうなほど、細く、震える声が口からこぼれ落ちた。

    しまった、と思った時にはもう遅かった。重苦しい言葉をぶつけて、彼を困らせてしまうだけなのに。
    ピタリと、私の隣を歩いていた彼の足音が止まった。

    (……面倒くさい女と、思われたよね)

    彼を見るのが怖くて俯いたままの私。
    しかし次の瞬間、私の両肩を、彼の手が力強く掴んだ。

    「――っ」

    痛くはないけれど、決して逃がさないという強い意志を持った力。
    ビクッと肩を震わせた私を、ヤヨイさんは少し強引に自分の方へと振り向かせた。

    yayoi
    「……君の口から、そんな悲しい言葉が出るとはな」

    頭上から降ってきたのは、静かな、けれど微かな怒りを孕んだ低い声だった。

    (怒ってる……)

    恐る恐る顔を上げると、そこには、いつもの余裕ある微笑みはなく、私の心の奥底まで射抜くような、ひどく険しく真剣な瞳があった。

    yayoi
    「いいか、よく聞け」

    彼が一歩踏み出し、私との距離をゼロにする。
    周囲を行き交うセレブたちの存在も、街の景色も、彼が纏う圧倒的な「存在感」によってすべて世界から弾き出されてしまったような錯覚に陥った。

    yayoi
    「この街の連中がどれほど高価な布を纏い、着飾っていようと、俺から見ればただのマネキンに過ぎない。」

    彼の大きな手がそっと私の頬に添えられ、長い親指が愛おしむように私の目元を撫でた。

    yayoi
    「だが……俺の心を揺らし、どうしても側に居たいと思わせたのは。この世界中を探しても、他の誰でもない、君だけだ」

    (ヤヨイ、さん……)

    yayoi
    「君は俺にとって、誰よりも価値のある絶対的な存在だよ。」

    彼の真摯で、熱を帯びた言葉が、冷え切って縮こまっていた私の心に、熱い雫となって染み渡っていく。

    yayoi
    「君はただ、俺の側に居てくれたらいい」

    それは、私の抱えていた惨めな劣等感を、根底から叩き壊し、圧倒的な愛で満たしてくれる魔法の言葉だった。

    「……っ、はい」

    安堵と嬉しさで、視界がじんわりと滲む。
    涙がこぼれそうになるのを誤魔化すように彼を見つめ返すと、ヤヨイさんはようやくいつもの優しく、少しだけ困ったような微笑みを浮かべた。

    yayoi
    「……さあ、行こう。」

    彼は私の頬から手を離すと、今度はごく自然な動作で私の手を強く握り直した。

    彼の手のひらから伝わる温もりと、「俺が選んだのは君だ」という絶対的な肯定感。

    さっきまであんなに萎縮して歩いていたこの街が、彼と手を繋いで歩くだけで、今はちっとも怖くなかった。むしろ、彼の隣を歩ける自分が、誰よりも特別で幸せなのだと、胸を張って歩ける気がした。


    ➡️ 選択:【(無言でヤヨイさんの法衣の袖をギュッと引っ張る)】(無言のアピール・独占欲ルート)

    (……嫌だ。他の女の子なんて、見ないで)

    言葉にして「見ないで」なんて言う勇気はない。そんな嫉妬を真っ直ぐ口に出したら、余裕のない子供っぽい女だと思われて、呆れられてしまうかもしれないから。

    でも、彼が放つ圧倒的な存在感を、他の誰かに見つけられたくない。彼の視線を、私以外の誰かに奪われたくない。

    ぐるぐると渦巻くジェラシーと、少しのわがままな独占欲。
    気がつけば私は、無言のまま手を伸ばし、ヤヨイさんが纏う漆黒の法衣の袖を、ギュッと強く引っ張っていた。

    ぴたりと、彼の足が止まる。

    yayoi
    「……ん?」

    突然袖を引かれたヤヨイさんは、わずかに目を丸くして足を止め、長身を少し屈めて私を見下ろした。

    私は恥ずかしさと気まずさで彼と目を合わせられず、ただ唇を噛んでうつむいたまま、彼の手首のあたりを強く握りしめていた。

    (困らせちゃうかな……。急に引っ張ったりして)

    恐る恐る彼の反応を待っていると、頭上から降ってきたのは、戸惑いの声ではなく――。

    yayoi
    「……フフ」
    こらえきれないような、低くて甘い笑い声だった。
    驚いて顔を上げると、ヤヨイさんはひどく優しい、愛おしいものを見るような瞳で私を見つめていた。

    彼は私が何も言わなくても、この不器用な行動の理由も、嫉妬して拗ねている心の内も、すべてを一瞬で察したのだ。

    yayoi
    「……よそ見をして悪かった。君があまりに眩し過ぎてね」

    (…………は?)

    あまりにもキザで格好つけたその言葉に、さっきまでの悲しい気持ちがどこかへ吹き飛び、代わりにカチンとイラ立ちが湧いてきた。

    (私がこんなに落ち込んでるのに、なに余裕ぶってるの……!)

    思わず猛禽類のように鋭い目つきになって、彼をジロリと睨みつける。

    すると彼は、私の険しい視線を受けて申し訳なさそうに……いや、ひどく嬉しそうに目を細めた。そして、法衣の袖をギュッと握りしめていた私の手を、彼自身の少し冷たくて大きな手でそっと包み込んだ。

    「え……っ」

    (さて、どんな風に怒ってやろうかな? 罰として、高いパフェでも奢らせちゃおっかな……)

    そんな風に頭の中でささやかな計画を企てていた私は、唐突なスキンシップに完全に不意を突かれた。

    そのまま私の指の間を縫うように、彼の長い指がスルリと入り込み、隙間なく手のひらが重なり合う。

    深く、強く絡み合う『恋人繋ぎ』

    彼から伝わる微かな体温と、有無を言わさない強引な指の絡め方に、私の顔が一気にカッと熱を持った。

    yayoi
    「だが、安心しろ。俺の魂が惹きつけられ、捕らわれているのは、君だけだよ。」

    (〜〜っ! 気が休まるどころか、心臓が爆発しそうです……!)

    ギュッと強く握り込まれた手のひらから、彼の熱と、私だけに向き合う深い独占欲が真っ直ぐに伝わってくる。

    yayoi
    「ほら、俺の手をしっかり捕まえておけ。……俺が君以外の引力に、二度と気を取られないようにな」

    (……パフェでも奢らせてやろうと息巻いていたのに。完全に骨抜きにされてるじゃない、私)

    わざとらしく意地悪に囁く彼の横顔は、ずるいくらいに整っていて、見惚れてしまう。

    猛禽類のように睨んでいたはずの私の目は、すっかり彼に熱らされてしまっていた。

    私は真っ赤になった顔を隠すのも忘れ、繋がれた手から伝わる甘い重力に、ただただ幸せな敗北感を感じながら彼の歩幅に寄り添った。



    ➡️ 選択:【「あ、あのお店! 行きたかった仏具店じゃないですか?」】(話題そらし・強がりルート)

    (……見ないで。あんな綺麗な女の子、ヤヨイさんに別の女なんて見てほしくない)

    ジェラシーで胸が押し潰されそうになるけれど、それを素直に顔に出すことなんてできない。

    嫉妬深い女だなんて思われたくないし、何より、自信をなくして惨めになっている自分の心の内を悟られるのが怖かった。

    私は焦りと衝動のまま、ヤヨイさんの視線を物理的に遮るように、サッと彼の目の前に立ち塞がった。

    「あ、あのお店! 行きたかった仏具店じゃないですか!?」

    声が裏返ってしまったけれど、必死に明るい笑顔を作って、道の先を指差す。

    (仏具店なんて、こんな高級ブティック街のど真ん中にあるわけないのに……っ! )

    突然視界を塞がれ、目の前に飛び出してきた私に、ヤヨイさんはピタリと足を止め、一瞬だけきょとんとしたように目を丸くした。

    yayoi
    「……仏具店?」
    彼が私の指差す方向へ視線を向ける。もちろんそこにあるのは、マネキンが並ぶガラス張りのハイブランドのブティックだけだ。

    「ほ、ほら! あそこ! 混まないうちに行きましょうよ!」

    あまりにも苦しい言い訳。顔が熱い。不自然なほど明るく振る舞い、無理やり彼の腕を引こうとする私を、ヤヨイさんは静かに見下ろした。

    数秒の沈黙の後。
    彼の深い瞳が、私の必死さと、その裏に隠された強がりな嫉妬の感情に気づき――ふっと、柔らかく細められた。

    yayoi
    「……そうだな。あまり遅くなって混むのは困る、急ぐとするか」

    (え……? 合わせてくれた?)

    呆れられるかと思ったのに、彼が私の見え透いた嘘に乗ってくれたことに、ホッと息を吐きかけた、その時。

    スッと、ヤヨイさんが私の背後に回り込むように距離を詰め、そのまま耳元に顔を寄せてきた。
    黒い法衣から漂う冷たくて甘い香りが、私をすっぽりと包み込む。

    yayoi
    「だが、〇〇」

    鼓膜を直接震わせるような、低くてひどく意地悪な囁き。

    yayoi
    「……俺の視線を独占したかったなら、そんな不器用な嘘をつかずに、そう素直に言えばいいものを」

    「~~っ!!」

    (ば、バレてる……!! 完全に、見透かされてる!)
    顔が一気に沸騰したように熱くなる。
    振り向かなくても、彼が今、どれほど余裕のあるからかいの笑みを浮かべているかが手に取るように分かった。

    yayoi
    「嫉妬を隠しきれずに焦る君の引力の方が、よほど強烈で、目を奪われる」

    彼の大きな手が私の腰にそっと添えられ、ビクッと肩を揺らす私を逃がさないように引き寄せる。

    「ち、違います! 私はただ、本当にあのお店が仏具店かと……っ」

    yayoi
    「何が違うんだ? ほら、言い訳があるなら、俺の目を見て言ってみろ」

    さらに甘く低い声で追撃され、心臓が爆発しそうなくらい早鐘を打つ。

    強がって彼の視線を逸らそうとしたはずが、結局は彼の重力圏に完全に捕らわれ、私はただただ顔を真っ赤にして俯くことしかできなかった。


    ➡️ 選択:【(何も言わずに、ぷいっとそっぽを向いて歩くペースを速める)】(拗ね・逃避ルート)

    (……もう、ヤヨイさんのばか)

    胸の奥で渦巻く、ドロドロとした黒い感情。
    綺麗な女の子に見惚れていた(ように見えた)彼への嫉妬と、場違いな服を着ている自分への惨めさ。
    このまま隣にいたら、何かひどく可愛くない言葉をぶつけてしまいそうで、私は何も言わずにぷいっとそっぽを向いた。

    そして、彼を置いていくように、スタスタと早足で歩き出した。

    (少し彼から離れて、心を落ち着かせなきゃ……)

    そう頭では分かっているのに、心のどこかでは「追いかけてほしい」「引き止めてほしい」と甘く願っている自分がいる。

    背後から彼の足音が聞こえないか、つい意識を集中させてしまう。

    カツッ、カツッ、と数歩、彼との距離を開けたその時だった。

    ――ふわり。

    突然、街の喧騒が遠のき、背後から圧倒的な質量を持った気配が迫った。

    「あっ……」

    振り返る間もなく、背中が大きくて硬い胸にぶつかる。

    同時に、ヤヨイさんの長い腕が背後から私の腰に巻き付き、すっぽりとその腕の中に閉じ込められてしまった。

    yayoi
    「……勝手に俺の側から離れるな」

    耳元で低く唸るような声が響き、ビクッと肩が跳ねる。

    背中越しに伝わってくる彼の体温はいつもより高く、抱きすくめる腕の力は、少し息が苦しくなるほどに強い。

    「や、ヤヨイさん……っ。離して……」

    強がって少し身をよじってみるものの、彼の手はビクともしない。

    彼は私の耳を噛むように顔を寄せ、微かに怒りを孕んだ、けれどひどく甘い声で囁いた。

    yayoi
    「離すわけがないだろう。君が俺から逃げようとするなら、俺はどんな手を使ってでも君を引き戻すだけだ」

    彼を包む漆黒の法衣から、いつもの冷たくて静かな香りではなく、彼の焦燥と熱が混ざり合った強い香りが漂ってくる。

    yayoi
    「君が俺から離れようとすればするほど、俺の中に君が深く刻まれる。」

    (〜〜っ!!)

    拗ねて距離を置こうとしたことで、逆に彼の奥底にある仄暗い独占欲を刺激してしまったらしい。

    逃げ場なんてどこにもない。白昼の高級ブティック街のど真ん中だというのに、彼は周囲の目など一切気にせず、私をきつく抱きしめ続けている。

    yayoi
    「ほら、逃げずに俺を見ろ。……俺の魂が惹きつけられているのは、君だけだ」

    彼の腕の中で強引に振り向かされると、そこには逃げ道を完全に塞ぐような、深く熱を帯びた瞳があった。

    私の中にあった惨めさやモヤモヤは、彼が放つ圧倒的で重い愛情の前に、すっかり溶けて消え去っていた。

    私はただ、彼の甘く危険な独占欲に捕らわれ、もう二度とこの腕から逃げ出せない(逃げ出したくない)のだと思い知らされるしかなかった。

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    変わり者である私の、ヤバイ体験談をお伝えしています。

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