30歳を迎えて、今考えていること
はじめに
今年、私は30歳になった。
この節目の年に、よく友人から聞かれるのが「子どもは欲しいの?」という問いだ。
今、私の生活には生後4ヶ月のゴールデン・レトリバーがいる。
迎え入れたのは2ヶ月のときだから、一緒に過ごしてまだ2ヶ月あまり。
でもこの短い時間の中で、驚くほど多くの感情を味わってきた。

正直に言えば、想像以上に大変だった。
しつけ、生活リズムの調整、夜中の散歩。
仕事で疲れている日も朝6時には起き、夜遅くに外へ連れ出さなければならない。
家の中では「ソファに登らない」「壁をかじらない」と注意し続け、散歩中は「カタツムリを食べない」「他の犬の落とし物を口にしない」と目を光らせる。
気づけばストレスで涙が出る日もあった。
それでも、眠る横顔を見ていると胸の奥が温かくなる。
「この子は、私にとってかけがえのない存在なんだ」と心から思う。
だからこそ、もっと一緒に楽しい思い出を作りたいと思える。
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「可愛い=欲しい」は別の問題
ここで大事にしているのは、自分の中にある明確な線引きだ。
私は赤ちゃんや小さい子を見ると、本当に可愛いと思う。
顔が丸くて、腕はムチムチで、何を言っているのか分からないのに笑っていて、その存在だけで癒される。
ただ、人間の赤ちゃんに関して言えば、「可愛い」と「欲しい」は別の問題だ。
私の中では「可愛いから欲しい」という感覚には絶対につながらない。
もちろん犬に関しては違う。
「可愛いし好きだから飼いたい」と思って迎えた。
でも理性では「赤ちゃんと子犬は比べるものではない」と分かっているのに、感情として「子犬の方が可愛い」と思ってしまう自分もいる。
こういう自分の気持ちの揺らぎを、私は面白いと思う。
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エコー写真と「冷たい自分」
正直に言うと、私は子犬ほど人間の赤ちゃんを可愛いと思えない。
友人の子どもやSNSで流れてくる写真を見ても「確かに可愛い」とは思うけれど、うちの子犬には敵わないと感じてしまう。
もちろん、犬と人間の子どもは比べるものではないと分かっている。
それでも「子犬より人間の赤ちゃんの方が可愛い」という感覚は、今の私にはどうしても理解できない。
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想像すると怖くなる未来
子どもを持つ未来を想像すると、言葉の壁が立ちはだかるのではないかという不安がある。
わからないことがあれば、夫の帰りを待って頼まなければならない。
なんでも自分でできない状況に、きっと私は嫌気がさすだろう。
その感覚は、フランスに来た当初の記憶ともつながっている。
フランス語がまったくできず、バスにもひとりで乗れなかった。
パン屋でさえ、自分の食べたいものを発音できずに頼めなかった。
小さなことすらできない自分が情けなくて、泣いてばかりいた。
あの頃の無力感がまた戻ってきてしまうのではないかと思うと、とても怖い。
それに私は絶対に仕事を続けたい。
一生自立していたいし、経済的な部分で夫に頼りたくはない。
私の人生だから、私には私自身のキャリアがある。
もちろん、ひょっとしたらこの考えもいつかは変わるかもしれない。
でも今の私は、専業主婦になるという選択肢は持っていない。
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救われた言葉
そんな私に、夫が言ってくれた言葉がある。
「お母さんなんてみんな初心者だからね。
準備ができてる人なんて、誰もいないんだよ。」
まだ子どもはいないけれど、その言葉に少し救われた気がした。
完璧な準備がなくてもいい。
不安なままでもいい。
そう思えるだけで、ほんの少し肩の力が抜けた。
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「夫とだからやってみたい」という気持ち
思えば、今の子犬を迎えたこともそうだ。
一緒にしつけに取り組み、日々小さな壁を乗り越えることで、私自身も価値観が変わった。
「こんな自分の一面もあったんだ」と気づけたこともあった。
だから子どもが欲しいというよりも、**「夫と一緒に子育てをしてみたい」**という気持ちの方が大きい。
もちろん楽しいことばかりではないし、辛いことの方が多いのも分かっている。
それでも夫となら乗り越えられる気がするし、もし乗り越えられなければ「それはそれで、そういう人生だった」と区切りをつけられる気がする。
フランスに来てから「幸せの形は人それぞれだ」と強く思うようになった。
今の私たちは「一緒にいると幸せだから、一緒にいる」というシンプルな理由で共にいる。
もし子どもが生まれて価値観が変わり、2人で乗り越えられなくなったら、それはそれで別れてもいい。
我慢してまで一緒にいる意味はない。
私の人生は私のものだから。
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これからどう変わっていくのだろう
今の私は、子どもを持つことがとても遠い未来に感じている。
「子犬の方が可愛い」と本気で思ってしまうし、子育ての大変さを考えるだけで怖くなる。
でも、この気持ちは時間とともに変わるのだろうか。
それとも変わらないままなのだろうか。
今はまだ答えが出ない。
けれど、こうして迷いながら考えたことを記録しておけば、数年後に振り返ったとき、自分がどう変わっているのかを知ることができる。
そのときに「やっぱり子どもを持とうと思った」と書いているのかもしれないし、「私は犬と一緒に生きていく道を選んだ」と書いているのかもしれない。
どちらにせよ、それも私の人生のかけがえのない一部なのだと思う。
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