
【エッセイ】 ほら、俺を見て。
サプリを飲む。
ガブガブ飲む。
1か月経つ。
分からない……何か変わった?……俺。
そういえば、肌艶が良いような?
遠くから妻に聞く。
「ほら、俺を見て」。
イヤホンを付けていて、聞こえてない。
画面を見てケラケラ笑う妻。
目を閉じて顔をつき出し、気づいてもらえないおっさん。
「俺を見てって言ってるやろぉお!!」
ようやくおっさんのデシベルが妻のイヤホンを追い抜いた。
妻はおっさんに気付き、言う。
「……何しとんねん」
「ほら、はだつや……」
妻が私の顔を5秒凝視して叫んだ。
「いや、おっさんやん!!」
バシャーン!
逃げるように扉を閉めた。
えっ?
なんでわからんの、この肌艶。
目を閉じて顔を突き出す。
ラブコメのヒロインならギリ許されるポーズ。
ただのおっさんがやると、辱めである。
「サプリに恋をした、テカテカなオヤジ模様」
再生数2くらいのラブコメタイトルが浮かんできた。
〜あらすじ〜
「やばい、間に合わない」
サプリを片手に食パンをかじりながら走る、
ヒロインのおっさん。
交差点にさしかかる。
そこには漢方を両手に抱えたおっさん。
おっさんとおっさんがぶつかる。
ドンガラガッシャン!
「ごめんなさい」
「こちらこそっ……」
「あっ!?」
「サプリですか?」
「漢方ですか?」
2人の声が重なる。
……さあ、どうなるふたりの行方。
これは、サプリと漢方に翻弄される
おっさん達の恋物語……
「読んだよ」の代わりに、
♡を押してもらえると、
わりと本気で喜びます。