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最短じゃなくても、間に合っている

    2月下旬、駅のホーム。
    白くほどける吐息と、
    指に当たる手袋の縫い目。

    列はどんどん進むのに
    心だけが置いていかれる朝がある。

    画面の青白い光に疲れた目を閉じて、
    深く、一度だけ肩を落としてみた。

    「今の速度で、ちゃんと届くから」

    誰かにそう言われた気がして、
    少しだけリュックが軽くなった。

    自販機の湯気の甘い匂い。
    コーヒーの熱が掌に戻るまで。
    一駅分だけ、急ぎ足をやめてみる。

    大きな決心をするよりも、
    こうして息を整える手つきが
    私を一番助けてくれる。

    今日の到着は最短じゃない。
    けれど、これでいい。
    私はちゃんと、間に合っている。

     
     
    迷ったとき、疲れたときに開く「やわらかな休憩所」。景色と言葉と写真を綴ります。 二十四節気の『窓辺の暦』と、暮らしに寄り添う『余白のそばにあるもの』をお届け中。 ☕️心とからだを休める「引き算の食事」別館👇 https://note.com/shizukana_diet

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