
ふーん
幼稚園の教室の壁には、みんなの描いた絵が飾られていた。
絵の下には、それぞれ名前が書かれている。
女の子の名前はピンクのネームホルダーに入っている。
男の子の名前は水色のネームホルダーに入っている。
私はしばらく壁を見上げていた。
そして先生に聞いた。
「どうしておんなのこがピンクで、おとこのこがみずいろなの?」
少し考えてから、続ける。
「わたしはみずいろがすきなのに…」
先生は少し「うーん」と答えに迷いながらも、笑顔で答えた。
「ピンクは女の子の色だからで。水色は男の子の色だからだよ」
私はもう一度、壁を見た。
ピンクの名前。
水色の名前。
おとこのこはみずいろでいいなぁ
「ふーん。」
そう答えた。
でも、その「ふーん」は納得の返事ではなかった。
女の子がピンクでなければならない理由も、
男の子が水色でなければならない理由も、
結局よく分からなかった。
ただ、そういう決まりだということらしい。
2003年 4歳