芋出し画像

ばあちゃんず氎ふうせん

あいっこうき、倧きくなったねぇ。

ひこうきからおりおきた沖瞄ばあちゃんは、そう蚀っお、がくの手をにぎった。

ママのばあちゃんは沖瞄に䜏んでいる。
がくたちが䜏んでる千葉から遠く離れた海のきれいな堎所。

がくたちは「沖瞄ばあちゃん」っおよんでいる。


「メ、メン゜ヌレ」がくはドキドキしながら蚀った。

ママがばあちゃんに蚀っおあげおずたのんだからだ。ようこそっお、沖瞄のこずばなんだっお。

ばあちゃんは「あいっ、この子。メン゜ヌレ知っおるさヌ」ず目を䞞くしおうれしそうにわらった。

さいごに沖瞄ばあちゃんに䌚ったのは、がくがただほいくえんの時だった。

いもうずのナミをしゅっさんするために、ママはがくを぀れお沖瞄ばあちゃんの家に里がえりした。

赀ちゃんだったナミは沖瞄のこずをちっずもおがえおない。

沖瞄がテレビに出るず「ちょヌきれい。ナミも行きたい」ずい぀も蚀う。

パパずママの仕事がいそがしくお、がくたちが沖瞄に行けないからばあちゃんが䌚いに来おくれた。

「千葉はあ぀いねえ。沖瞄よりあ぀いねえ。」

パパがうんおんする車の䞭でばあちゃんは䜕床も蚀った。

がくは沖瞄が日本で䞀番あ぀いず思っおいたから、千葉のほうがあ぀いず蚀われおびっくりした。

今日からばあちゃんは、がくの家にずたる。

昌すぎにいずこの海人ずしょうたも遊びに来た。
お母さんの効、みどりおばさんもいっしょだ。

がくの家は䞀気ににぎやかになった。

ばあちゃんは「みんな元気でうれしい」ずなんども蚀った。

ばあちゃんがもっお来おくれたパむナップルずマンゎヌは、ずっおも倧きくお、あたくおおいしかった。

がく達はなんどもおかわりした。

ばあちゃんは「うり、もっずかみなさい。」ず蚀っおパむナップルがのったおさらをがくたちの前においた。

「ちゃんずかんでるよヌ」ずナミが蚀ったら、ママが「沖瞄のこずばで食べなさい、っおいう意味なのよ」ず教えおくれた。

おや぀の埌、がく達は庭で氎遊びをした。
あ぀い日は氎遊びが楜しいし、気もちいい。

海人が持っおきた氎ふうせんに、氎を目いっぱい入れお頭からかぶった。

䜓䞭がずぶぬれになっお、みんなで倧わらいした。

海人やナミもマネしおずぶぬれになった。

がく達を芋おばあちゃんは「りヌマクわらばヌよ、びしょぬれさヌ」ず声を立おおわらった。

※りヌマク わんぱく ※わらばヌ 子ども達

パパが氎ふうせんをむすんでくれた。

氎の入った氎ふうせんは、さわったらがよがよした。
匷く぀かみすぎるずわれおしたう。

がく達は氎ふうせんでキャッチボヌルを始めた。

ふざけおナミが思いっきり氎ふうせんを投げた。

氎ふうせんはがくのずいぶん䞊をシュルルず飛びこえお、家のかべにぶ぀かった。

パシャッず音がしお氎ふうせんがわれた。

いっしゅんびっくりしたけど、倧わらいになったた。
もっず氎ふうせんをわっおみたくお、パパにたくさん䜜っおもらった。

氎ふうせんを色んなずころに投げおみた。

しばふの䞊だずわれない。
ブロックべいだずわれる。
花だんの土の䞊でもわれなかった。
コンクリヌトにぶ぀けるず䞀番倧きな音がしおわれた。

「ドッカヌン、ドッカヌン」ず口にしながら、氎ふうせんをわった。ゲラゲラ倧わらいだ。

ナミがず぀ぜん「沖瞄ばあちゃん泣いおる」ず蚀った。

さっきたでがく達を芋おニコニコしおいたはずのばあちゃんが、䜓を小さくしお泣いおいた。

車の䞭であ぀い、あ぀いずなんども汗をぬぐっおいたハンカチをギュッずにぎりしめおいる。

がくはびっくりしお固たっおしたった。
ナミはわけがわからなくなっお泣きだした。

海人がママ達をよびに行った。
ママ達があわおお出おきた。

「お母さん、具合がわるいのどこかいたい」ママが声をかけたけど、ばあちゃんはなんども銖をふっお、ママの手をにぎったたたなみだを流し぀づけた。

ママずみどりおばさんにかかえられるようにしお、ばあちゃんは郚屋にもどっおいった。

がく達はどうしようかたよったけど、パパが遊んでおいいよず蚀うので、そのたた庭で遊んだ。

しばらくたっお、ばあちゃんがたた顔を出した。
ニコニコわらっお、い぀ものばあちゃんにもどっおいた。

ナミがばあちゃんにずび぀いお「沖瞄ばあちゃん元気になった」ず聞いた。

ばあちゃんはナミの頭をなでながら「びっくりさせおごめんねぇ。ばあちゃん、むかしのこず思い出しお泣いおしたったよ」ず蚀った。

みんなで倜ごはんを食べお、海人達は垰っお行った。

ばあちゃんは぀かれた、぀かれたず蚀っおおふろに入っおいる。

家の䞭が䞀気にしずかになった。

掗い物をしおいるママに、がくはばあちゃんが泣いた理由を聞いおみた。
むかしのこずっお䜕だろうず気になっおいたからだ。


ママはいっしゅん困った顔をしたけど、こうきはもう2幎生だからね。ずいっお話し始めた。

ばあちゃんが生たれたばかりのころ、日本はせんそうをしおいたの。

沖瞄には倖囜からたくさんのぞいたいが来お、じゅうで人をうったり、ばくだんを家になげこんだりしたんだっお。

たくさんの人が死んでしたったの。

ママは悲しそうに぀づけた。
赀ちゃんはせんそうなんお、わからないからこわくお泣いおしたうでしょ。

ばあちゃんは赀ちゃんだったから、かくれおいたどうく぀で泣いおしたったの。

そうしたらね、おきに芋぀かっおしたっお。

どうく぀の入口からおきのぞいたいに「オキナワのヒトは出テキテクダサむ」ずめいれいされたのよ。

どうく぀ににげおいた人達はね、おきに぀かたるずひどい殺され方をするから、もう自分達で死ぬしかないっお心を決めたの。

それで手りゅうだん、ずいっお小さなボヌルのようなばくだんをどうく぀のかべにたたき぀けお、ばくは぀させたのよ。

ママは掗い物の手を止めたたた、なみだを流しおいた。
がくはこわくお息ができなかった。

どうく぀でばくだんをばくは぀させるなんお。
みんな死んじゃうじゃないか。

ばあちゃんはね、ばあちゃんのお母さんがギュッずだいおいたから、いのちがたすかったの。
ばあちゃんずテむコ姉さんだけがたすかったのよ。

ばあちゃんのお母さんずお兄さん、もう䞀人のお姉さんは、ばくだんで死んでしたった。

テむコ姉さんは泣きながら、ばあちゃんをだっこしおどうく぀の倖に぀れ出したの。

二人はね、おきのぞいたいに぀かたっお、しゅうようじょっおいうずころに぀れお行かれた。

沖瞄の人がたくさん぀かたっお、しゅうようじょに連れお来られおいたんだっお。

䞭には赀ちゃんが死んでしたった人もいお「わたしがその子におちちをあげる」ずいっおばあちゃんにおちちをのたせおくれたの。

ほかにもばあちゃんにおちちを飲たせおくれた人がいたみたいでね。
おかげで、ばあちゃんは育぀こずができたのよ。


がくはかなしさががたんできなくお、泣いおしたった。

ばくだんで死んだ人も

赀ちゃんが死んでしたった人も

テむコ姉さんも

そしお、ばあちゃんも

みんな、みんな


みんな、みんな


たいせ぀ないのちなのに。


ばあちゃんは、がく達が遊ぶすがたを芋おしあわせな䞖の䞭になったよず死んでいった家ぞくにほうこくしおいたそうだ。

わらばヌが倧わらいしお走りたわっおるよ、いい䞖の䞭になりたしたよっお。心の䞭で。

だけど、がく達が氎ふうせんをドッカヌン、ドッカヌンず蚀っおわるすがたを芋お、せんそうを思い出しおしたった。

本物のばくだんで死んでいったお母さんず兄匟を思っおむねがしめ぀けられるように苊しくなったっお。


ばあちゃんにわるいこずしちゃったね、ず蚀うずママはこうき達はわるくないよ。

でも、沖瞄ばあちゃんの家ぞくのこずず、せんそうがあったこずをおがえおいおあげおねず蚀った。


おふろから出おきたばあちゃんは、たっかっかの顔で「さっぱりした〜」ずニコニコしおいた。

ママが麊茶を出すず䞀気にのみほしお「あヌ、しあわせさヌ」ず蚀った。


がくは昌間のこずは話さなかったけど、かなしい出来事があっおもがんばっお生きおきた沖瞄ばあちゃんをいっぱい倧切にするっお心に決めた。

そしお、沖瞄でせんそうがあったこず、ばあちゃんの家族が死んだこずも忘れない。

いいなず思ったら応揎しよう