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「しずのゆ 福島(旧・延命湯)」を設計して分かった気持ちいいサウナの作り方

こんにちは。
MABI ARCHITECTSの馬渕・阿比留です。

今回、僕たちが設計のお手伝いをさせていただいた「しずのゆ 福島」。

完成したサウナ室に実際に入ってみると、思っていた以上にセッティングが良い。

しっかり熱いのに苦しすぎず、オートロウリュ後は湿度もしっかり感じる。
身体全体がじわっと温まるような感覚があります。

今回は、なぜ結果的に“気持ちいいサウナ”になったのか。
設計する上で気をつけたポイント6つに整理してみました。

1)給気口の近くにストーブを置く


今回、給気口の近くにストーブがあります。

外から入ってきた新鮮な空気がストーブ付近で温められ、そこから室内へ広がっていく。

さらに給気口と排気口を離すことで、入ってきた空気がすぐに抜けるのではなく、室内を通ってから排気されます。

実際に入ってみても、しっかり熱いのに空気が重たすぎない。

サウナは温度だけではなく、新しい空気をどこから入れて、どう温め、どこから出すかまで考えることが大切だと感じました。

2)タイルが熱と湿度をつくる


サウナ室はタイル仕上げにしています。

タイルは木に比べて温まるまでに熱量が必要ですが、一度温まると熱を蓄えやすい。

そのためストーブからの熱だけではなく、壁などからもじんわり熱を感じます。

さらに木に比べて水分を吸い込みにくいため、オートロウリュ後の蒸気や湿気が室内に残りやすいことも、湿度が高くて気持ちいいサウナにつながってるのかもしれません。

仕上げ材は見た目だけではなく、サウナの体感まで変える。

これは実際につくってみて感じたことです。

3)断熱で「つくった熱」を逃がさない

壁・天井には、部分に応じて50〜100mm程度の断熱材を入れています。

サウナを作る際にストーブの性能に注目しがちですが、熱をつくることと同じくらい、熱を逃がさないことも重要です。

断熱をしっかり取ることで、

・室温が安定しやすい
・壁や天井から熱が逃げにくい
・ストーブの熱を室内で保ちやすい

という環境につながります。

次に設計するときは、断熱だけでなく気密や防湿についても、さらに細かく考えてみたい部分です。

4)最上段から天井まで約1.1m


今回、最上段の座面から天井までは約1.1mで設計しました。

熱い空気やロウリュの蒸気は上に溜まります。

天井が高すぎると、人に当たらない天井付近に熱が溜まってしまう。
最上段と天井を近づけることで、熱を直接感じやすい。

一方で、1.1m程度まで近づけると立ち上がった際に頭が天井に当たりやすいため注意も必要です。

熱の気持ちよさと安全性のバランスが難しい。

サウナをつくって改めて、平面計画以上に「断面計画」が大切だと感じました。

5)ベンチは「どう座るか」から考える

ベンチの段差は約350〜400mm。
奥行きは、座る場所に応じて約450〜750mmとしています。

450mm程度なら普通に腰掛けやすく、750mm程度あるとあぐらをかいたり、姿勢を変えたりできる。

サウナでは数分間、同じ場所で過ごします。

だからこそ、何人座れるかだけではなく、「どんな姿勢で過ごせるか」まで考えることが居心地につながると思います。

6)扉の高さは1.8m

サウナ室の扉は、高さ約1.8mとしています。

熱い空気は上部に溜まるため、扉が必要以上に高いと、開けるたびに上の熱が外へ逃げやすくなります。

もちろん出入りしやすい高さは必要ですが、一般的な室内建具と同じ感覚で大きくする必要はありません。

今回は必要な高さを確保しながら、できるだけ熱が逃げない寸法にしました。

完成後に改めて考えると、こうした数百mmの違いもサウナの室温や体感に影響しているのだと思います。

「気持ちいい」を次の設計につなげる

今回、サウナを設計して学んだのは、
「気持ちいいサウナ」にも、ちゃんと建築的な理由がある。
ということです。
最初から狙っていたこともあれば、完成して初めて気づいたこともあります。

だからこそ、「なんとなく良かった」で終わらせず、なぜ良かったのかを振り返る。

そうすることで、次のサウナでは今回の経験を、もう少し意図的に設計へ落とし込めると思っています。

sawoのストーブ2基

僕たちMABI ARCHITECTSでは、サウナ・温浴施設をはじめ、住宅や店舗を中心に建物の建築設計、内装設計を行っています。

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photo:田中将平

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