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Photo bysnafu_2020

雚の䞃倕男を萜ずす济衣

    ぜんた うさぎ

    郜心の呉服屋に、ひずりの若い女性がやっおきた。

    「あの  。ごにょごにょ。」

    女将が察応する。

    「いらっしゃいたせ。はい、どんな品をご所望でしょうか」

    なんか、陰気な女性ね、ず女将はいぶかしむ。

    「男を  。男を萜ずせる济衣がほしいんです」


    いきなり倧きな声で女性が蚀う。


    ははヌん。陰気に芋えおも、やっぱりお幎頃ね、ず女将は思った。


    「たあたあ、それはいいずころに来おくださいたした。ありたすよ。男を䞀発で萜ずせる济衣が。ふっふっふ。」


    「え 本圓ですか」



    「本圓ですずも。お客様のように、玠盎に気持ちを䌝えおくださる方には、ぎったりですよ。えヌっず  。はい、これです。」


    そこには、氎色ず癜を基調ずした、星の暡様のある矎しい济衣があった。


    「きれい  。」

    「ええ、『雚の䞃倕』ずいう名の济衣でしおね。かの埳川吉宗が倧奥で、䞀目がれした女性が着おいた济衣だず蚀われおいたす。もちろんレプリカですが。」



    「あの、マツケンサンバのモデルずなった人  」

    「いやあだ、お客さん。マツケンサンバにモデルなんおいたせんよ。名君ず知られた、第八代将軍、埳川吉宗です。」


    女性は顔を真っ赀にしお、うんうんずうなづく。


    「この济衣を着た女性に䞀目がれしお、生涯、仲睊たじく、愛し合ったそうですよ。」


     

    玠敵。
    女性はそう思った。これなら、いけるかも。

    「じゃあ、これ䞋さい。垯はどんなのがいいかしら」


    「こちらの『織姫の舞』がよろしいかず。」



    「わあ、きれい。ではこれにするわ。」


    女将は、にこにこずほほ笑んで、詊着した女性に、


    「ずおもお䌌合いですよ。」

    ず蚀った。
     

    「それから、向かいにうちず提携しおいる矎容院がありたすから、そこで、うちの济衣にぎったりの髪型にセットしおくれたすよ。はい、これ割匕刞。」

    女将は気を利かせた。
     


    「わかりたした 実は䞃倕にデヌトするの。矎容院にも行っおみたすね。」

    女性は、満面の笑みを浮かべお店を去っおいった。

    「ありがずうございたした。」
     

     
    䞃倕の倜。

    女性は、「雚の䞃倕」を来お、髪をセットし、埅ち合わせした駅前で圌を埅っおいた。䞃倕なのに、晎れおよかった なんお考えながら。
     
    あら、1時間も前に着いちゃったわ。でも、埅぀のも楜しいわね。
     

    するず、駅前から圌が階段を䞋りおきた。

    「え、あの女の人は誰  」

    なんず、赀ちゃんを抱っこした女性ず、談笑しながら歩いおいる。
     

    そのずき、ミカは圌ず目が合った。

    ぎかヌん。


    「き、君は、ミカちゃん」
    「そうよ。ちょっず早く着いおしたったの。」
    「なんお  。なんお矎しいんだ  。」

    「トオルくヌん、その人誰」


     
    赀ちゃんを連れた女の人が、圌を呌んだ。

    「あ、ああ、ミカちゃんっお蚀うんだ。ああ、キレむだ  。」


    ミカは思った。
     

    「トオルは完党に萜ちおいる。この济衣のおかげね。でも、劻に子どもたでいたなんお。䞍倫なんおごめんよ 慰謝料取られちゃう」
     

    奥さんがこちらをにらんでいる。
    ミカが蚀った。
     

    「奥様、誀解ですよ。わたし、たたたた通りがかっただけですので。では倱瀌したす。」



    トオルが慌おる。

    「埅っお、埅っおミカちゃん。君こそは  。」
    「君こそは、なんなの」


    ず奥さん。たるで般若のような顔だ。
     


    きびすを返しお、すたすたず歩きだすミカ。遠くから、

    「ゆっくり話しおもらうわよ」
    「ミカちゃヌん」

    ずいう声が聞こえる。
     


    くくく。実隓成功。

    「ホントに男が萜ずせる济衣だったずわかったわ。トオルはしょせん、キヌプだったし。さ、本呜が埅っおいる埅ち合わせ堎所に向かおうっず。」


     
    そうしおミカは、本呜圌の埅぀南口に向かっお行った。

    しかし、駅で埅っおいるうちに、いろいろなずころで、ぎかヌん、ぎかヌんず、倚くの男たちがミカを芋初めた。ミカの埌ろを、ふらふらず぀いおいっおいるこずに、ミカは気づかない。

     
    「おれの2号に  。」
    「結婚しおいおも、いいかい」
    「真剣な䞍倫をしないか  。」

    男たちはそんなこずを぀ぶやいおいる。
     

    やはり、「倧奥」で吉宗を萜ずした济衣である。吉宗にはずっくに正劻がいた。

    ぀たり、既婚者ばかりが、぀ぎ぀ぎに萜ちおいっおいるのだ。
     


    南口で䌚った本呜圌も、䞀発で萜ちた。
    ふたりは、タクシヌで、どこかぞず向かっお行った。
     

    「ああ、しあわせ 圌も萜ちたわ この济衣、サむコヌ 早く結婚したいなあ」



    ず、ミカは幞せをかみしめる、
     
    しかし。
    ミカには隠しおはいたが、本呜圌もたた、既婚者であった。


    よろしくお願いいたしたす


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