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なぜ僕はたった1人で大曲の花火大会に行ったのか

    M-Duta(エム・デュタ)

    大曲の花火大会。
    全国屈指の超有名なあの花火大会。

    僕は、そこにたった1人で行った。


    僕は当時、
    スタービーチをしていた。

    今でいうマッチングアプリの始祖のような存在。
    それがスタービーチ。


    そこで女の子と出会ったこともあるのだが
    そのスタービーチで知り合った子と
    大曲に行く約束をしていたのだ。



    率直に言う。
    ドタキャンされた(笑)

    (スタビの男と遠出したいわけねぇだろ(笑))


    よく考えれば分かることなのだが
    僕はあまりにもバカすぎて、
    一緒に行けると信じてやまなかった。

    そしたら早朝。

    「ごめん。今日花火大会行けない」

    というメール。


    はあああああああ。おわた。



    よし、じゃあM君を誘おう。

    「ねぇ、M君。唐突なんだけど大曲行かない?(笑)」

    「え?大曲!? いや俺、バイトあるし。遠すぎるだろ」


    Kを誘いたいところだが
    Kはパチンコなら喜んで行くが

    人混みがとにかく嫌いな男だった。
    その上、めちゃ遠い。絶対行かないことはわかっていた。

    だから誘わなかった。



    それから色んな人を誘ったが、

    遠すぎる

    バイトがある

    用事がある

    断られまくった。



    なぜ僕は、そこまでして大曲に行きたかったのか。

    それはこの年が僕の学生最後の年だったのです。
    最後の夏だったのです。



    24時間テレビをなんとなく見て
    終わりにしたくなかったのです。

    だから思い出に残る夏にしよう。
    そう決めていたのです。



    「よし、俺は1人でも行くぞ」

    早朝、アパートを出た。


    正直、今のようにグーグルマップもない。
    スマホもない。

    コンビニで道を聞いたりしながらの大冒険だ。



    大曲に着くと、シャレになってないくらい人がいた。

    これはヤバい。俺は1人でここに来て良かったのだろうかと
    半分後悔したような複雑な気持ちで
    会場を目指して歩いた。


    浴衣姿のカップル。

    家族連れ。

    仲間同士ではしゃぐ学生。

    当たり前だけど、
    コンビニのおにぎりを片手に1人で歩いている男なんて
    どこにもいなかった。


    会場に着くと見たことないくらい
    たくさんの出店があった。

    焼きそばとかお好み焼きとかチョコバナナとか
    デカいお祭りみたいな感じで。


    そして土手に何万人いるんだろうというくらい
    人・人・人。

    一体、俺は何をしてるんだろう・・・



    「次は長野県の〇〇の花火です」

    花火競技大会というだけあって
    全国からたくさんの花火師が集まっていた。

    数分打ち上げては止めて。ちょっと時間が空いて

    「次は茨城県の・・・」

    こんな感じで進行していった。



    土手から見た花火はとても美しく
    周りからは歓声が上がっていた。

    それがとても切なく辛かった。



    何万人というたくさんの人がいて
    ワイワイしていて楽しい空気が流れているのに

    たった1人僕だけ、切なさと孤独を感じていた。



    大曲の花火大会はフィナーレがすごいのに、
    僕は少しだけ見て会場を後にした。


    これから帰ったら間違いなく夜中になる。
    なんなら朝方かもしれない。

    フィナーレを全部見たら、混雑で何時に帰れるかわからない。


    それに、こんな切ない気持ちで花火を見るのが辛くて
    だから途中で帰ることにしたんです。



    帰り道、背中越しに綺麗な花火と歓声が聴こえた。


    あの時見た花火の色は覚えていない。

    でも、あの時の切なさだけは今でも覚えている。


    こんな切ない花火大会は後にも先にも
    あの大曲の花火大会だけです。

    あなたは、花火を見てどうしようもなく切なくなったことはありますか?



    この記事は「灯火杯 7th 2026 Summer」に参加しています。


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