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【゚ッセむ】#94 「䌌おいる」ずいう呪瞛

    その蚀葉が、私に嫌悪感を抱かせる

    「よく䌌おいるね」
     私はこの蚀葉に匷い嫌悪感を抱く。
     幌いころより蚀われ続けおいるから、ずいうだけではない。
     この蚀葉を聞くたびに、私の党身に巻き付いた鎖で締め付けられおいる感芚に陥る。

     私だっお、䌌たくお、䌌おいるのではない。
     生物孊的にそうなっおしたった、だけなのだ。
     ただ、倖芋だけ䌌おいるこずに留たっおいおくれれば、よかった。
     でも、呚囲は容姿だけではなく、私のアむデンティティさえ、「䌌おいる」ず芋おいた。

    

     近所でも、本家でもずっず蚀われおきた蚀葉がある。
    「癜|《はく》は、おじいちゃんにそっくりだね」
     私は幌いころから、倧のおじいちゃん子だったため、そう蚀われお嬉しかった。
     䞡芪よりも、じいちゃんに䌌おいるずいわれるこずが、少し誇らしくおもえた。
    倧䞈倫です。私は、しっかりず、芪父ず、お袋の子どもです

     じいちゃんは、某有名新聞瀟で圹員を務めたのち、今でいうラむトノベル専門の出版瀟を経営しおいた。
    今では、某有名新聞瀟に合䜵したした
     そのため、実家には倩井たでの本棚に所狭しず、サむン入りの叀曞が䞊んでいる。
     私も半分ぐらいしか読めおいないが、歎史的䟡倀が倧きいものもあるらしい。

     そんな、じいちゃんは勀め人を退いた埌にも、自ら䌚瀟を立ち䞊げた。
     今の私から芋おも、なんずもバむタリティ溢れる人だず思う。 

     だから、じいちゃんに「䌌おいる」ず蚀われるるこずは、私にずっおは最倧の喜びだった。
     でも、そのように思っおいたのは、小孊校䜎孊幎たでだった。

    自瞄自瞛のはじたり

    「お爺様は枩厚なのに、気性が荒いみたいで、喧嘩をしお倧怪我をしたらしいわよ  」
     䌑日に近所の井戞端䌚議が耳に入り、幌い私は愕然ずした。
     ただ、痛みが残る右腕を匷く握りしめた思い出がある。

     小孊五幎生の倏。
     クラスでも目立った存圚が、アニメのキャラクタヌよろしく、悪ふざけで圫刻刀を振り回しおいた。
     私は、クラス委員ずいうこずもあり、圌を泚意し、その行動を止めようずした。
     調子に乗っおいる子どもずは、手に負えないもので、泚意をした私に察しお圫刻刀を執拗に振り回しおきた。

     「実際に人を傷぀けるこずなどない」ず、タカをくくっおいた私は圌に近づき、圫刻刀を取り䞊げようずした。

     グサリ。

     私の右拳のあたりに、圫刻刀がめり蟌む。
     圫刻刀はすぐに私の拳から匕き抜かれ、圌は恐怖心から絶叫する。
     驚いた私は、圌から遠のき、埌ろぞず぀んのめる。
     
     䜓勢を立お盎そうず、傷぀いた右手で寄りかかるものを探る。
     だが、その先にあったのは「窓」だった。
     しかも、片偎が開いおいたため、二重になっおいる。

     私の䜓重圓時、40㎏くらいを窓ガラスが受け止められるわけもなく、私の右腕は、二枚の窓ガラスをぶち砎った。

     暎走するクラスメむトを止めに入ったにも関わらず、私は右腕に24針の傷を負うこずになった。

     この話は、圌の行動ず私のケガが合わさり、盛りに盛られ、私が「問題行動を起こした」ずしお、保護者の間で広がる。

     じいちゃんは、私に察し、冷たい目で、静かに、
    「恥を知れ  」
     ず、蚀った。
     同居しおいるにも関わらず、そこからか月ほど口をきいおもらえなかったこずを芚えおいる。

     そのずきから、私の䞭に生たれた信念。
    「じいちゃんに䌌おいるんだから、『しゃんず』しなければ、いけない」
     それが、このあず数十幎にわたっお、私の行動原理になっおいった。

    違い過ぎる自分 

     正盎、私はじいちゃんに䌌おいるのは容姿だけだ。
     性栌は、たったく䌌おいない。
     むしろ、性栌は芪父に䌌おいるのではないだろうかずも思う。

     じいちゃんは、

    • 朔癖症

    • 完璧䞻矩

    • 行動よりも、蚈画が先

    • 無駄を䞀切、蚱さない性栌

     本来の私は、

    • だらしない

    • おきずヌ

    • 思い立ったら行動する

    • 無駄なこずばかりやる

     このように、正反察なのだ。

     だが、じいちゃんを倱望させたくない。
     じいちゃんの名前を汚したくない。
     じいちゃんの期埅に添えたい。
     あのずきのような目を向けられたくない。

     そこから、私は本来の自分に蓋をし、じいちゃんに「䌌る」ように行動し、振舞っおきた。

     スポヌツや歊道、勉匷、コミュニケヌション、䌚話、瀌儀䜜法、マナヌ。
     普通以䞊のレベルができお、「圓たり前」。
     むしろ、各分野で圧倒的に秀でるこずを自分に匷いた。
     それは、じいちゃんから無蚀の圧力があったようにも思う。

    「お前は、俺に䌌おいるのだから、これぐらいは『圓たり前』だ」

     そのようにずっず蚀われおいるような気がしお、自分ではない、自分をずっず挔じ続けおきた幎間だった。

    其による功利

     自分自身を抑圧しお、じいちゃんの意に沿うように生きおきたこずで、功利を埗たこずもある。
     蚀っおしたえば、「人ずしおしっかりしおいる」「任せおも倧䞈倫」ずいった、「人ずしおの信頌」に関しおは倚く積み重なった。

     おかげで、本業や家業、副業でも倚くの人ず関わらせおいただき、䞀緒に進んでいく仲間を倚く埗るこずができた。

    「人は誰しも、曲りそうになる心を矯正し぀぀生きおいくもの」森鎎倖

     私の生来の気質のたたに生きおきたのであれば、今の自分はないのかもしれない。

    呪瞛からの解攟

     そんな、じいちゃんが数幎前に亡くなった。 
     私は深い悲しみに打ちひしがれた。
     目暙ずする人、指導しおくれる人の喪倱感であたたがおかしくなりそうだった。

     だが、䞀方、じいちゃんからの目から「解攟された」ず感じる自分もいた。
    「これからは自分らしくしおいい」
    「じいちゃんのこずを考えお、行動しなくおもいい」
    「奜きに生きおいい」
    「自分の奜きなように考え、行動しおいい」
     そんなこずが思い浮かんだ。
     
     だが、

    「私っお、いったいなんだ」 
    「私らしいっお、どういうこずだ  」

     あたたの䞭は、そんな蚀葉で溢れる。
     いたたで、じいちゃんに求められるように生きおきた。
     匷制、矯正、拘束、呪瞛の䞭で生きおきた。
     
     だから、「自分らしい」がわからなかった。
     
     じいちゃんが亡くなった埌も、ずっず私は瞛られ続けおいた。

    怚嗟ずいう連鎖

     じいちゃんの回忌を先日、行った。
     今では私も少しず぀「自分らしさ」ずいうものを理解し、䜓珟しはじめおいる。
     だが、未だに存圚しない圱に怯え、自らの行動が「自分の意に反した」こずになっおしたうこずもある。
     このあたりは、日にち薬だず自分でも解しおいる。
     ゆっくりず私が私らしく、生きやすいように生きお行けばいいず思っおいる。

     法事の垰り、黒ネクタむを倖し、車に乗り蟌む。
     劻に運転を任せ、私は助手垭で猶ビヌルを開けようずする。
     
     するず、埌郚座垭に座った嚘ず息子から、蚀葉が飛んでくる。

    「「ひいじいじが、よく蚀っおたじゃない 自分だけのんびりしないで、みんながゆっくりできるようになるたで、『しゃんず』しおいるのが、圓代の圹目だっお」」

     嚘ず息子は、驚くほどに私に䌌おいる。
     容姿も、性栌も。
     
     ああ。
     面倒くさい。

     「䌌おいる」ずいうこずは、これからも私を瞛り、苊しめおいくのかもしれない。

    了


    今回の䌁画

     今回の゚ッセむは、実は、指名をいただき、ある䌁画に参加をしたものです。

     䞀緒に日々研鑜し、小説を曞く仲間である「倪田みのる」さんから、リレヌを受け取りたした。
     倪田みのるさんの䜜品は以䞋から。

     今回のリレヌ゚ッセむの発起人は以䞋から。

    挂流図曞通の通長から

    『゚ッセむしりずり』ずいう䌁画だそうです。
     以䞋、倪田みのるさんの文章を䞀郚、流甚させおいただいおいたす。

    

     挂流図曞通に流れ着いた掌線、短線は、ずおも矎しく、ずおも味わい深い物語ばかりです。い぀も、通長の感性に惚れ惚れしおいたす。
     この受け取ったバトンは、最初、䜕だろうず思いたした。
     だけれども、い぀ものこずなのですが、新しい䌁画は奜奇心が刺激されたす。

    この『゚ッセむしりずり』

     源流は、マむキヌさんずいう方です。

     僕は、こちらで、䌁画の内容をよく知るこずができたした。
     本圓に面癜い䌁画ですね。
     僕はこういうリレヌ゚ッセむも倧奜きです。
     䌁画しおくださっお、ありがずうございたす。
     ゚ッセむしりずりのルヌルを、マむキヌさんのnoteから匕甚したす。

     参加の仕方は、期間䞭に誰かから「 #゚ッセむしりずり 」のバトンが回っおきた人です。

     前の人の蚘事タむトルの最埌の䞀文字から始たるタむトルを぀け、本文140文字以䞊の゚ッセむを曞いおください。
     ※タむトルは文字数に含みたせん。文字数䞊限は3000文字以内がありがたいな😉本文(゚ッセむ郚分3000文字内)、玹介文等は文字数には含みたせん。

     そしお蚘事には、「#゚ッセむしりずり」のタグを぀けおください。タグがないず芋぀けられないので、審査察象倖になりたす。

     ※「゚ッセむぜかったで賞」に参加の方は远加で「#初めおの゚ッセむ」タグも远加しおください。

     🌀 次の人ぞバトンを回す
     曞き終わったら、次にバトンを枡したい人を最倧3人たで指名できたす。指名した盞手に通知が届くよう、その人の蚘事を䞀぀、自分の蚘事内ぞ貌っおください。

     誰にも回さず、そこで終了しおも構いたせん。たた、別ルヌトから二床目、䞉床目のバトンが飛んできた堎合も参加OKです

     「さっき曞いたずころや」ずいう苊情は、バトンを投げおきた人ぞお願いしたす|∀Ž)Κヶヶヶ


    次のバトンは、あなた。

     ず、蚀うこずで、次のバトンを枡す方を指名させおいただきたす。
    ニダニダ ω・・・
     忙しい堎合は、察応しなくおもOKずのこずですので、無理はしないでください。

     私の゚ッセむのタむトルの最埌の䞀文字、「く」からはじたる゚ッセむを曞いおください
     よろしくおねがいしたす

    

     䞀人目は、䞀緒に歩んでいただいおいる黒珈さん。
     アオハル系の䜜品の倧家である黒珈さんに是非ずも、゚ッセむを曞いおもらいたい

     二人目は、私が尊敬し、孊ばせおいただいおいる八神倜宵さん。
     ガチの文芞系䜜家さんであり、2024幎、2025幎の創䜜倧賞䞭間遞考を突砎されおいる実力掟。
     ゚ッセむをマゞで読んでみたいです 

     最埌の䞉人目は、私がずっず远いかけおいる䜜家さんである、京さん。
     2025幎の創䜜倧賞䞭間遞考を突砎するほどの筆力。
     特に自衛隊䜜品恋愛芁玠ありは勉匷になるだけでなく、読者ずしおもどっぷりず぀かっおおりたす。
     是非ずも゚ッセむを読んでみたい

     
     ず、たあ。
     勢いで、曞いた゚ッセむ。
     
     䌁画ずしお楜しんでいただければ、私ずしおは、幞いです。


     では、今日はこのあたりで。

     あなたには、癜く茝く、明るい堎所にいお欲しい。

     癜明でした。

     
     
     
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