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Photo bytibihime

完食する人

    老人ホームで働いていると、いろいろな人がいる。

    食事が来るのを楽しみに待つ人。

    嫌いなものだけ上手に残す人。

    食べながら眠ってしまう人。

    その中に、必ず完食する人がいる。

    どんな献立の日も残さない。

    味噌汁も、おかずも、最後の一口まできれいに食べる。

    私はその人を見るたびに思う。

    この人は若い頃もきっと元気だったんだろうな、と。

    もちろん本当のことは知らない。

    ただ、食べるということは生きるということに少し似ている気がする。

    残さず食べる人を見ると、

    まだまだ大丈夫そうだなと思う。

    今日も食器が戻ってきた。

    お椀の底まできれいだった。

    私は少しうれしくなって、

    明日の味噌汁の具を考えた。

     
     
    「もしも、こんなことがあったら」 そんな小さな不思議を、 1分で読める短編にしています。 静かな余韻のある話が好きな方へ。 エッセイもあります 読んでくださいね。

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