
毎週ショートショートnote|未練配達員
「未練たらたら、たらんちゅら」
と嘉男がスムージーを飲み終えて言った。
ミヨコは「今日も絶好調じゃん」と言った。
嘉男はそれを聞いてか聞かずかわからないが結果として、無視をした。
ミヨコは嘉男が本当に認知症を患っているのか判断がつかなかった。
嘉男は前からこんな感じだったし、仕事にも恵まれていたから、たまたま問題にならなかっただけだと感じていた。
たしかに嘉男の言うことは時系列がバラバラで、固有名詞も極端に出てこない。だがミヨコはそれを嘉男の個性だと感じている。
彼女がそんなことを考えていると、彼は庭で素振りを初めていた。
嘉男は極端なアッパースイングで、常にホームランを意識しているようだった。
ミヨコが運転する車の後部座席に嘉男は乗り込んだ。彼は集中するといつも以上に何も聞こえなくなる。
ミヨコがいつものように球場の駐車場に車を停めると、嘉男は「ミヨコ。俺はもう野球やってないよ」といつもどおりの真顔で言い、ミヨコはそれを聞いていつもどおりに号泣した。
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今回は書き出しが注目されそうなので、あえて冒頭からしょうもないダジャレをブチ込んでみました笑