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超短編小説|涙の行方

    再生補修

    だるま落としの要領でマンションの階が下がって行く。私はかつて五百階に住んでいたのだが、今は五階だ。巨大な木槌を握った一つ目の怪物が、かつて四百九十六階だった一階を叩き飛ばす。その勢いで更にカン、カン、カンとリズムに乗って三階分飛ばした。ついに私の階が一階になった。窓の向こうの景色を眺めると見覚えのある顔があった。母だった。私は窓を開けた。「久し振りね…」と母は言った。私は窓を乗り越え、母に抱きついた。涙が止まらない。それを見ていた一つ目怪物の瞳からも大きな一粒の涙がこぼれた。その涙はpH値が1で私と母に直撃した。

    #なんのはなしです家

     
     
     
    日常で 感じたやつを 書いてます 【受賞歴】 「なんのはなしです課」通信 萌芽な五十九通目一番守 「なんのはなしです課」通信 松平な五十七通目裏二番守 創作大賞2026再生補修部門大賞(ゆりゆりこさん) 「岩男を笑わせろ杯」入賞 「なんのはなしです課」通信 珈琲の四十六通目一番守

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