
毎週ショートショートnote|高校野球怪談
末包は気づいたら、監督室にいた。
「おい末包。お前の最後の大会の打撃成績を言ってみろ」
「はい! センター前ヒット、デッドボール、キャッチャーファールフライ、内野ゴロダブルプレーです」
「中前打、死球、捕邪飛、併殺打か」
「……そうです」
「ひとつ忘れてないか? お前。中前打の後、盗塁死してるだろ?」
「はい! 盗塁失敗しました!」
「失敗で済まされねーんだよ。盗塁死だぞ、わかってんのか? 死んでんだぞ!」
「はい! すいません!」
「二打席目も死んでんじゃねーか」
「いえ。デッドボールなので、出塁しました」
「言い訳すんな。死球は死球だろ」
「はい! すいません!」
「捕邪飛みたいな邪な気持ちで野球しやがって……。
四打席目が一番ダメだ。併殺打。連続殺人じゃねーか!」
「はい! すいません!」
「お前、流石に殺しすぎだ。情状酌量の余地もない。俺の力でも守りきれないよ…」
末包の足元の床がぱかりと開き、彼はどこまでも落ちていった。
「さて。来年こそは強いチームを作るぞ」
歴代主将が落ちた穴を覗きながら、そう監督は呟いた。
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