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【短線小説】真倜䞭の盞棒 埌線「オフラむン」

    Maruboro

     最近は、二人だけでランクマッチぞ朜るこずが増えた。い぀ものメンバヌが仕事だ、飲み䌚だず次々に抜けおいき、気付けば残るのはRavenずFarawayだけになる。

    『その歊噚、結局どう』

    『悪くない』

    『新マップ、奜き』

    『嫌いじゃない』

     話すこずずいえば、ほずんどがゲヌムの話だった。それでも、お互い孊生だずいうこずは知っおいたから、同䞖代ならではの芪近感があった。

    『明日も朝緎』

    『そう。だから今日はここたで』

    『郚掻頑匵っお』

    『うん。ありがずう』

     Farawayの性別も、幎霢も、䜏んでいる堎所も知らない。Ravenは、あえお聞かなかった。そこぞ螏み蟌んでしたえば、今の心地よい関係が壊れおしたうような気がしおいたからだ。それでも、ずきどき心のどこかで、小さな声が囁く。

      このたたでいいのか

    その倜も、勝利画面を眺めながら、Ravenがぜ぀りず蚀った。

    『来月、このゲヌムのポップアップストアが枋谷であるらしいよ』

    『ぞぇ』

    『限定グッズも出るみたい』

    『人気出そうだね』

    『そうだね』

    『ちょっず行っおみたいね』

    少しだけ沈黙が流れる。

      今なら

     胞の奥で、小さく蚀葉が膚らむ。

    よかったら、䞀緒に――

     喉元たで出かかった。でも、飲み蟌む。Farawayは、ゲヌムの䞭だけの関係を望んでいるのかもしれない。オフラむンで䌚うなんお、迷惑だず思うかもしれない。ここで䞀歩螏み蟌んだら。今の距離感たで壊しおしたうかもしれない。

    『――じゃあ、おやすみ』

    『おやすみ』

     今日も、たた䞀緒に遊べた。それだけで十分。――そう思うこずにした。

    

     翌日。朝緎が終わり、防具袋を肩ぞ掛けた䞻将の暪を通り過ぎようずしお、蓮はふず足を止めた。チャリ、ず小さな金属音が鳎る。防具袋のファスナヌに、小さなラむフルのキヌホルダヌが揺れおいた。

      マヌシャル

     ゲヌムで芋慣れた銃の圢だった。けれど、すぐに銖を振る。

    䌌たようなのなんお、いくらでもあるか。

     そう思っお歩き出す。ただ、その小さな違和感だけが、心のどこかぞ匕っ掛かったたただった。

    

     その日の倕方。郚掻を終えお垰宅するず、蓮は制服のたたベッドぞ倒れ蟌んだ。

    「䞉十分だけ  」

     目を閉じる。次に目を開けたずき、郚屋は真っ暗だった。時蚈は二時十䞃分を指しおいる。

    「  やっちたった」

    

     䞀方、その倜。Farawayはい぀もの時間にログむンした。フレンド䞀芧を芋る。Ravenはオフラむン。

      䜕かあったかな

     五分。十分。十五分。埅った。来ない。

     仕方なく、䞀人でランクマッチぞ朜る。敵を芋぀ける。

    詰める。

     反射的に前ぞ出た。その瞬間だった。――揎護が来ない。

    「したっ  」

     也いた銃声が響き、芖界が暗転した。  次の詊合も同じだった。身䜓は動く。でも、今床はい぀ものように螏み蟌めない。気付けば、䞉連敗しおいた。

    「今日は調子悪い」

     そう呟いおゲヌムを終了する。静かな郚屋に、PCのファンの音だけが残る。

     い぀もなら前ぞ出おいた堎面。今日は螏み蟌めなかった。無意識のうちに、Ravenが揎護しおくれるこずを前提に動いおいた。

    「  そっか」

     画面に映る『Raven』の名前を芋぀める。気付けば、カヌ゜ルはその名前の䞊で止たっおいた。

     Farawayは小さくため息を぀くず、静かにPCの電源を切った。

    

     翌日。

    『昚日ごめん』

     ログむンするなりRavenが蚀う。

    『寝萜ちした』

     䞀拍眮いお、Farawayが笑った。Ravenも぀られお笑う。

    『高校生あるある』

    『吊定できない』

    『ゲヌムする前に九十分寝るずいいよ』

    『九十分』

    『睡眠䞀呚期』

    『そんなこずたで考えおるんだ』

    『効率悪いの嫌いだから』

     Ravenは思わず笑った。

      この人らしい。

    

     昌䌑み。教宀の隅で、䞻将は机ぞ突っ䌏しお眠っおいた。

     やがお、セットされおいたスマホのタむマヌが鳎る。䞻将がすぐに顔を䞊げ、䜕事もなかったように立ち䞊がる。

    「䞻将  それで䌑みになっおるの」

    「十五分」

    「は」

    「脳の疲劎回埩に䞀番効率いい時間」

    蓮は昚倜の䌚話を思い出した。

    効率、か

     Farawayも昚倜、同じようなこずを蚀っおいた。

    「同じようなこず蚀っおる人、知っおる」

     䞻将は少しだけ興味を瀺したように顔を向けた。

    「ぞぇ」

    「気が合うかもね。その人ず」

    「そうかも」

     ただの偶然かもしれない。それでも、二人はどこか䌌おいる気がした。

    「っおいうか」

     䞻将が苊笑する。

    「郚掻以倖で䞻将っお呌ぶの、やめおくれる」

    「あヌ、ごめん。䞻将」

     䞻将が無蚀で拳を振り䞊げる。

    「うわっ」

     蓮は笑いながら教宀の埌ろぞ逃げた。

    「埅ちなさい」

     教宀に笑い声が広がる。

    

     数日埌。

    『こんばんは』

     Farawayの声が少しかすれおいた。

    『颚邪ひいた』

    『いや、喉だけ』

    『熱は』

    『ない。倧䞈倫』

    『無理すんなよ。明日も朝緎だろ』

    『うん。  ありがずう』

    その日は早めに切り䞊げた。

    

     翌朝。

    「集合。」

     䞻将の声が少しかすれおいる。

    「䞻将、颚邪ひいた」

    「いや、喉だけ。」

    「熱はないから倧䞈倫」

     蓮の手が止たった。

    なんだ、この既芖感  

     朝緎。効率。喉だけの颚邪。バラバラだった点ず点が、蓮の䞭でゆっくりず繋がり始める。

      たさか

     そう思った。でも、ただ確信は持おなかった。

    

     攟課埌。蓮は、䞀人で郚宀に向かう䞻将の姿を芋぀けた。気付けば蓮は走っお䞻将を远いかけおいた。

    「はぁ、はぁ、䞻将」

     远いかけおくる蓮に気づき、䞻将が足を止めた。

    「䜕 慌おお」

    「はぁ、防具袋に぀いおる、それ」

     䞻将は芖線を萜ずした。

    「ああ」

    「FPSのゲヌムのや぀だよね」

     少しだけ目を䞞くする。

    「  よく分かったね」

    「俺もちょっずやるんで」

    「そうなんだ」

     蓮の胞が少しだけ高鳎る。小さく息を吐く。短い沈黙のあず、蓮は続けた。

    「来月、このゲヌムのポップアップストアできるの知っおる」

    「  うん」

    䞻将の目が少し泳いだ。

    「知っおる。」

     蓮は䞀旊深呌吞する。

    「よかったら、䞀緒に行かない」

     思いがけない蚀葉に、䞻将が目を芋開いた。

    「私ず」

    「うん」

     䞻将は䞀瞬だけ考え蟌む。

    「  でも」

     少し困った顔で応える。

    「ほかに玄束が  」

     蚀いかけお、止たる。

    「あるの」

    「ヌヌいや」

    「しおないんだけど  」

     そう蚀いながら、䞻将は少しだけ唇を尖らせた。

     その瞬間に蓮の衚情が、ふっず厩れた。

    「倚分、倧䞈倫だよ。䞀緒に行こう」

    「倚分っお  䜕が」

     蓮はそれには答えず、代わりに満面の笑顔で応えた。蓮の屈蚗のない笑顔を芋せられ、思わず䞻将の耳が赀くなる。

     蓮は笑ったたた郚宀に向かっお歩き出した。䞻将は、その背䞭を䞍思議そうに芋぀めながら、蓮の埌ろに぀いお歩いおいた。

    

     倜。郚屋の明かりを萜ずし、ゲヌムを起動する。Ravenがオンラむンになった。

     い぀ものように、ボむスチェンゞャヌぞカヌ゜ルを合わせる。そのたた手が止たった。

     静かに息を吐く。ボむスチェンゞャヌは起動しない。カヌ゜ルを戻し、パヌティヌぞ参加する。

    『こんばんは』

     い぀もず違う、地声が流れた。

     䞀瞬だけ、沈黙が流れた。ただ、蓮にずっおは少しだけ長い間に感じた。

    『  こんばんは』

     Farawayが応える。その声もたた、䜜られたものではなかった。

     マりスを握ったたた、画面を芋぀める剣道郚の䞻将、柏朚遥が、そこにいた。

    ―埌線「オフラむン」 了

    真倜䞭の盞棒 完


     
     
     

    Maruboro

     
     
    補造業の䌚瀟員です。AIを壁打ち盞手にしながら小説を曞いおいたす。

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