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痕|Marks

    さようならを告げ
    飛び出した
    外は雨

    掌に、
    くっきりと四つの爪痕
    傘を、強く握っていた傷だ

    その白い窪みは
    徐々に赤みを差す
    けれど心の空洞は元には戻らない

    待っていたのはあなたではない
    そうすることでしか私を保てなかっただけ

    手のひらに閉じ込めていた儚い断片は
    戻ってくる血流に
    押し流されていく



    #創作大賞2026 #エッセイ部門

     
     
    (日本語教師。元CA、欧米生活を経てモデルに再挑戦) 光、匂い、気配、言葉にならなかった感情の輪郭。 街ですれ違う人々の周波数、 窓辺に落ちる光、 季節のきらめき、 散文詩のようなエッセイを綴っています。 静かな物語や、余韻の残る文章がお好きな方へ。

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