メインコンテンツへスキップ
見出し画像
Photo bynicolaco

夏になると、ひとつだけ調べないことがある。

    「ッパァーーン。」

    外から、何回も聞こえる。

    網戸ギリギリまで顔を近づけた。

    顔にふわっと吹いてきた風は
    ほのかにとうもろこしの匂いがした。

    あぁ、いい匂い。

    夏だ。

    そう思った、その数秒後、



    「ッパァーーン、チラチラチラ」

    「…ッパァーーン、チラチラチラ。」

    また聞こえる。

    網戸寸前まで顔を近づけた。

    見えた。

    急いで部屋の灯りを消す。

    夏になると、
    私の部屋からは花火が見える。

    ラッキー部屋だ。

    「花火!!!」

    この一言で、母はすぐわたしの部屋へやってくる。

    わたしも母も
    花火が大好きなのだ。

    テレビで放送された花火大会を、
    何度も録画で見返すくらいに。

    それにしても、今回の花火は大きかった。
    大きい分だけ、明るかった。

    気づけば、体育座りをしていた。

    花火が打ち上がるたびに、
    部屋が一瞬キラキラ輝く。

    少しだけ、部屋の中が丸見えな気がして
    恥ずかしい。

    けれど
    そんなこと言ってられないくらい、綺麗だ。

    「ヒューーーー…」

    あ、これ絶対大きいね!
    絶対大きいよ!

    「ッパァーーン!!」



    ヒューーーー…

    「ッパァーーン!」

    ッパァーーンは、母と声が重なる。

    タイミングは
    二人ともぴったりだった。

    「ヒューパン、
    ヒューパン、パンパンパン
    ッパァーーン…チラチラチラ…」



    「あぁ、終わったね」

    そう思っても、
    私たちは2分ほど夜空を見つめている。

    あっという間の10分間だった。


    いやあ、綺麗だったね、
    どこの花火大会だろうね、と
    毎回言いながら、調べはしない。


    最後まで、読んでくれてありがとうございます🌽


    📚 日常記事をマガジンにまとめています。
    よかったら、こちらも覗いてみてください🌷

     
     
    日常の小さな出来事や、心の動きを書いています。 なんでもない日を、少しだけ丁寧に残しています。 ランニングや暮らしのことも少し。

    あなたへのおすすめ