
息子の切替えの早さが、たぶん投資家向きだった
今日は長男の運動会だった。
長男は白組。
そして本人の中では、白組は負けないことになっていた。
長男いわく、過去50回の運動会で、赤組が勝ったのは5回しかないらしい。
それは絶対に何かの間違いだと思う。
どこかで聞いた話を、かなり都合よく信じている。
ただ、去年も一昨年も白組で勝っている本人は、自信満々だった。
「白組は強い」
その謎の前提を胸に、今年も運動会に臨んでいた。
50メートル走では全速力で走った。
綱引きも全力だった。
朝から各学年のプログラムが進み、気づけば最後の結果発表。
…
赤か。
白か。
長男を見ると、両手を組んで祈っていた。
天を仰ぐように。
いや、そこまでか。
でも、そこまでなのだ。
子どもにとって、今日の勝敗は大きい。
そして結果発表。
「今年の優勝は……赤組です!」
赤組の歓声が上がる。
長男は、明らかにショックを受けていた。
肩を落とし、うなだれている。
そりゃ悔しいよな。
全力で走ったもんな。
頑張ったもんな。
そう思いながら見ていた。
すると、次の瞬間…
長男は、自分の白帽子を手に取った。
そして、くるっと裏返した。
赤にした。
おい。
おまえさっきまで白組だっただろ。
天に祈ってただろ。
白組の長期政権を信じて疑わなかっただろ。
それなのに、赤組が勝った瞬間、自分も赤組になる。
切り替えが早すぎる。
白組として走り、白組として引っ張り、最後だけ赤組になった息子。
でも、その損切りの早さだけは、父の完敗だった。