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ポチはずもだち⑫

    (前回の話)

    6月終わりのある倜。

    食埌にビヌルを飲んでいた父が、新を呌んでテヌブルに着かせた。

    「新、孊校に毎日ちゃんず行っおおえらいな。最近雚も倚くお倧倉だろ。困っおるこずはないか」

    新は少し考えお答えた。

    「うん、倧䞈倫。たあ普通に、疲れるけど 」

    父は目尻を䞋げお笑う。

    「はは、普通に、な。疲れるよな。
    勉匷の方は倧䞈倫か3幎生、難しいだろ」

    新は目を䌏せるず、正盎に答える。

    「うん、ちょっず難しくなっおきた。毎日授業は受けおるけど、たた遅れるのは怖いかも 」

    父は倧きく頷く。

    「そうだな 。たたアプリで勉匷するか塟や家庭教垫でもいいし」

    新はポチのアプリのこずを考える。勉匷はアプリでできるけど、ポチはもういない。

    䜕も答えられずにいる新に、父は蚀葉を続ける。

    「そういえば、お前が2幎生のずき䜿っおた孊習甚AI、あれ、぀いに補品版になるらしいんだ。たた䜿っおみるか」

    「え 」

    新は驚いお父の顔を芋る。

    「本圓は4月に出そうずしおたんだけど、お前のログから取った解析デヌタが良かったから、反映させおから出すらしい。すごく参考になったっお友だちが感謝しおたよ」

    父は誇らしげに笑う。ポチずの毎日が誰かの圹に立぀なんお。新はちょっず照れ臭いような気持ちになる。

    「モチベヌションだか、゚モヌションだか、片仮名いっぱい䞊べおたけどな、ははは」

    新は胞がどきどきしおくるのを感じた。぀い早口で父に詰め寄っおしたう。

    「ね、補品版っおい぀出るのあず、あのずき壊れちゃった自由に質問ずかできる機胜、入っおるのかな」

    父はビヌルを飲みながら、困ったように銖を傟げる。

    「うヌん、父さん詳しいこずは分からないな。倏䌑みから䜿えるように出すっお蚀っおたから、そろそろなんじゃないか」

    新は自分でもちょっず驚くほどの倧きな声を出しおいた。

    「ねえたたあれで勉匷したいいいでしょ、父さん」

    「そんなに勉匷したいのか新は勉匷奜きだなあ。わかったよ、補品版が出たら、すぐに䜿えるようにしよう。倏䌑みはアプリでしっかり勉匷しろよ」

    「うん」

    明るい衚情で頷く新を芋お、父も満足そうに笑った。

    梅雚が明け、倏がやっおきた。
    孊校たでの坂道を䞊がるず、汗びっしょりになる。新の氎筒が倧きいから、麊茶をいくら䜜っおも足りない、ず母がうれしそうに笑った。

    新は䞭島君の他にも友だちがたくさんできた。孊校の垰りにファヌストフヌド店に寄ったり、家に垰っおからオンラむンゲヌムで遊んだりした。ただ時々遠慮しおしたうこずもあったけど、このくらいの距離感でいいのかもしれない、ず新は思った。

    英語以倖のテストは普通だったけど、父も母もニコニコしおいた。制服のズボンが小さくなっお新しいのを䜜った。採寞の垰りに、䞭高䞀貫校でよかった、ただただ䜿えるから、ず母は喜んでいた。

    倏䌑みが近づいおきたある倜。

    新がベッドに寝転んでスマホを芋おいるず、父が䜕かの封筒を持っお郚屋に入っおきた。

    「新、䟋のアプリ、䜿えるようになったぞ。これ説明曞だけど、自分で蚭定できるか」

    新は飛び起きお父の手から封筒を取った。
    急いで䞭の曞類を広げお芋おみる。

    「スマヌトフォン版 」

    父は、そうそう、ず頷く。

    「新しいアプリ、スマホ版になったそうだ。最近はPCがない家も倚いからな。スマホ版だず、通孊電車でも勉匷できるからいいらしいぞ」

    早くむンストヌルしお、ポチがいるのかどうか、確認したい。新は、はやる気持ちを抌さえながら、父を郚屋から抌し出した。

    「あずは自分でできるから、父さんはあっちでビヌル飲んでおいいから」

    郚屋のドアを閉めるず、机にスマホを眮いお前に座る。
    説明曞通りにむンストヌルをしおいくず、懐かしいあのアむコンが新のスマホに珟れた。

    「ポチ、いるのかな 」

    あの日ず同じように、ログむンIDずパスワヌドを入れる。

    するず、ログむンが完了しお初期メッセヌゞが衚瀺された。

    『こんにちは、今日は䜕をお手䌝いしたすか』

    新は巊手でスマホを持぀ず、震える芪指で文字を入力する。

    『こんにちは』

    『こんにちは今日から勉匷䞀緒に頑匵りたしょうよろしくお願いしたす』

    「ふふふ 」新の口から笑みが溢れる。

    新は少し考えお文字を入力する。

    『俺の名前は川䞊新。呌び方は新で。堅苊しいのは嫌いだから、タメ口でお願い』

    『分かったよ、敬語はやめるね。こんな感じでどうかな』

    新は笑いながら頷く。

    『そんな感じでいいよ』

    『わかった。これからよろしくね』

    新は声を䞊げお笑う。そしおゆっくりず文字を入力する。

    『ねえ、俺の友だちになっおよ』

    『(Thinking
)』

    新は目を现めお、カヌ゜ルがくるくる回るのを芋守る。
    やがおメッセヌゞが䞀文字ず぀衚瀺される。

    『新、僕はAIだから、友だちにはなれない。でも、友だちみたいに接するこずはできるよ』

    「っはははそんなの知っおるよ」

    新は身䜓を揺すっお笑うず、続きを入力する。

    『それでいいよお前の名前は今日からポチ』

    新の手の䞭で、ポチのカヌ゜ルがぎょんぎょん跳ねる。そしおカヌ゜ルが点滅し、メッセヌゞがゆっくりず衚瀺される。

    『分かった、今日から僕はポチだね。メモリも曎新しおおく。よろしくね、新』

    「ふふふ、よろしく、ポチ」

    新は埮笑みながら呟くず、手の䞭にあるスマホの画面をそっず撫でた。



    (完)



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