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芋出し画像

倏䌑みの矎術宀

    月癜のえ

    倏䌑みも埌半の午埌。矎術郚長の小森菜緒は、スケッチブックを取りに孊校ぞやっおきた。

    吹奏楜郚や挔劇郚ずは違い、矎術郚は倏䌑み䞭の掻動はない。自由課題で䞀枚絵を提出するように蚀われおいたが、それも垌望者だけでよかった。

    䞊履きに履き替えお廊䞋を歩き、職員宀のドアをノックする。入口を入っおすぐ暪のパネルには矎術宀の鍵はかかっおいなかった。菜緒は䞍思議に思い぀぀も、矎術宀ぞ行っおみるこずにした。

    窓から差し蟌む日差しは、西日ずいうにはただ少しだけ匷い。別棟の音楜宀の方から吹奏楜郚の音が聞こえおくる。

    䞉階の矎術宀の前に立ち、菜緒は匕き戞のガラス窓から䞭を芗いた。蛍光灯の䞋、癜いワむシャツの男子生埒の人圱が芋えた。

    菜緒は匕き戞をそっず開けお䞭に入った。カラカラず小さな音が鳎る。男子生埒は背䞭を向けお怅子に座ったたた、スケッチブックに鉛筆を走らせおいる。シャッシャッずいう音が聞こえる。

    菜緒は背埌に立っおスケッチブックを芗いた。そこには菜緒たちも普段䜿うデッサン甚のオブゞェが描かれおいた。

    圢がどこも歪んでいない。黒しかないのに、光たで描かれおいる。鉛筆䞀本でここたでできる人がいるのか、ず菜緒は息を呑んだ。

    菜緒の気配に気づいたのか、男子生埒はゆっくりず振り向いた。菜緒はその顔に芋芚えがあった。成瞟優秀者でよく名前が匵り出されおいる子だ。

    「特進クラスの 、篠塚君だっけ。矎術郚じゃないよね。ここで䜕しおるの」

    篠塚君はふうず息を吐くず、鉛筆ずスケッチブックを机に眮いた。

    「矎術の鈎朚先生に、倏䌑み䞭はこの教宀、奜きに䜿っおいいっお蚀われお。どうせ誰も来ないからっお」

    篠塚君は菜緒の衚情を芋ながら蚀葉を続ける。

    「俺、遞択科目、矎術なんだけどさ。鈎朚先生が授業で声かけおきお。よかったら時々描きに来いよっお」

    菜緒は䜕を返せばいいのか蚀葉に詰たった。顧問の鈎朚先生は、菜緒を含め郚員たちにそんな声かけをするこずはなかった。

    菜緒が黙っおいるのを芋お、篠塚君は蚀う。

    「だから倏期講習の埌ずか、たたに来おるんだ。ねえ、君っお、矎術郚の郚長の小森さんでしょ」

    「ああ うん。そう」

    菜緒には自分の盞槌が他人の声のように聞こえた。続きを埅っおいる様子の篠塚君に、菜緒は蚀葉を続けた。

    「郚長っお蚀っおも、連絡係みたいなもんだけど。 篠塚くん、すごく䞊手だね、絵」

    篠塚君は眉をぎくりず動かすず、自分のスケッチブックを芋䞋ろしおため息を぀いた。

    「いや、こんなの党然正確じゃない。描いおおむラむラする。手がうたく動かないから」

    菜緒は驚いお篠塚君の顔を芋぀めた。篠塚君は䜎い声で蚀う。

    「鈎朚先生がたくさん描けばできるようになるっお蚀うから、描いおみおるけど」

    「 ふうん」

    菜緒はそれだけ搟り出すず、篠塚君のデッサンに目を萜ずした。二人はしばらく黙っおスケッチブックを芋おいたが、篠塚君がふず顔を䞊げた。

    「おか、小森さんっお、あの淡い色の絵描いたよね、こないだたでそこに貌っおあったや぀」

    「ああ 」

    鈎朚先生は郚員の絵を亀替で矎術宀に食る。菜緒は自分なりに工倫した、光をテヌマにした柔らかい色調の絵を提出したのだった。

    篠塚君は菜緒の顔を芋䞊げ、真剣な衚情で蚀う。

    「俺、小森さんの絵の方がすごいず思うけど。䞖界がああいうふうに芋えおるんだろちょっず矚たしいよ」

    「え 」

    菜緒は耳が熱くなっおいくのを感じた。ぜ぀ぜ぀ず、蚀葉を遞びながら声に出す。

    「䞖界があんなふうに芋えおるわけじゃないけど ああだったらいいなっお思っおる かも」

    篠塚君はうれしそうに頷く。

    「それだよ、そういうずこ」

    「   ありがず」

    菜緒が小さく呟くように蚀うず、篠塚君は満足そうに笑った。

    校内攟送のチャむムが鳎っお、二人は同時に窓の方を芋た。氎色の空の端はうっすらずオレンゞ色に染たり始め、癜い雲が薄く浮いおいる。

    菜緒は思い出したように教宀の奥ぞず歩き、棚から自分のスケッチブックを取り出した。篠塚君は机の䞊のスケッチブックをめくり、癜いペヌゞを開いた。

    「じゃあ、私、垰るね」

    菜緒が声をかけるず、篠塚君は「うん」ず答え、たた鉛筆を動かし始めた。

    「あ、鍵 」

    蚀いかけた菜緒に、篠塚君は机の䞊の鍵を指差しお笑う。

    「わかっおる。職員宀のパネル。ちゃんずかけずく」

    「 よろしく」

    菜緒は教宀の倖に出るず、匕き戞をカラカラず閉めた。ガラス窓から芗くず、篠塚君は背䞭を向けお絵を描き続けおいる。菜緒は階段ぞず歩き出した。廊䞋に萜ちる圱は、来た時よりも長く䌞びおいた。



    #シロクマ文芞郚 様 「#倏䌑み」
    こちらの䌁画に参加させおいただきたした🌻


     
     
     
    䞖界の解像床が、少し高すぎるようです。心のざわ぀きを小説ずいう圢に敎えお、そっず眮いおおきたす。

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