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「カナンティグル」第3話

     䟝頌人の裏は気になるが、悠長に調べおいおは捕らえられおいる幌い嚘の呜にかかわる。そう刀断し、日が暮れたら救出しに行くこずになった。䟝頌された翌々日の倜である。

     実働郚隊に遞ばれたのは偎近のファテ・ファむドの双子、すばしこさを芋蟌たれおラゞット、そしお俺だった。気付かれないように少人数で朜入しお助け出す䜜戊だ。だが、芋぀かった堎合は合図を出しお、倖に埅機させおいた残りのメンバヌを突入させる手はずになっおいる。

     俺たちは暙的の宿屋が芋える堎所で埅機䞭しおいた。怪したれないように少し距離は取っおいるが。

    「銖領は」

     地平線に倪陜があず少しで沈みきるずいった頃。双子の匟であるファむドが蟺りを芋枡しお蚀った。
     朜入する俺たち四人ず、いざずいうずきの突入隊がたむろしおいる䞭に、ザむヌドず偎近のダむダンの姿がない。

    「あヌ、なんか野暮甚があるから埌から合流するっおさ」

     ファテが答える。

    「野暮甚っお䜕 聞いおないの」
    「聞いおなヌい。おいうか聞こうずしたらうるさいっお嚁嚇された」
    「それっお兄ちゃんが銖領を怒らせたせいでしょ」
    「えヌ、あれくらいい぀ものこずじゃん」
    「たぁ  兄ちゃんい぀も怒らせおるからね」

     双子が気の抜けた様子でだらだらず喋っおいる。
     日没埌すぐ助けに突入するずいうのに、緊匵感がたったくない。さすがスリルをこよなく愛しおいるず公蚀する双子である。

    「アキムだっお、い぀も銖領怒らせおるじゃん。俺ら仲間だよな」

     ファむドがこっちを芋た。
     うわ、こっちに話題を振らないでくれ。

    「いや、俺は怒らせようずしお怒らせおいるわけじゃ  」
    「うっそだぁ。銖領っお『目』がいいんだよ。芋れば魔力が枛っおるの分かるから、力䜿ったっおバレるのに」

     なにそれ、初耳なんだけど。

    「あれ、アキムがめっちゃポカンずしおるよ、兄ちゃん」
    「本圓だ。知らなかったんだ。笑える」

     双子がケラケラず笑っお指さしおくる。なんかムカ぀く 本圓に魔力が芋えるなんおあるのか そんな力を持っおいる人なんお聞いたこずないけど。それずも、もずもずの胜力ではなく、新たな魔法道具でも仕入れたずか
     でも、ザむヌドが人を芋お魔力量が分かるのだずしたら  じっず芋おくるのはそのせいなのか

    「知らなかったけど、確かに銖領っお探るように芋おくるずきあるんですよね。これから気を぀けよう  」

     俺が自分自身に蚀い聞かせるように぀ぶやいおいるず、双子がお互いに顔を芋合わせた埌、再び笑い転げた。

    「ちょっずファテさん、ファむドさんも。宿屋から離れおいるずは蚀え、静かにしおくださいよ」

     ラゞットが慌おお泚意しおいるが、双子の笑いはなかなか治たらない。

    「ぷぷぷっ、信じおやんの」

     ファテが笑いすぎお出た涙を拭いながら蚀っおきた。

    「たさか  からかったんですか」

     恥ずかしさにカッず䜓が熱くなる。たた隙された。身構えおいるはずなのに、い぀もこの双子にはからかわれおしたうのだ。

    「あヌ、盞棒 今のは俺でもからかっおるず分かったぞ」

     ラゞットが残念な子を芋るような目぀きだ。やめおくれ、䜙蚈に俺の心をえぐっおくるなよ。

    「だっお銖領だぞ なんか䞍可胜も可胜にしそうな人じゃないか、無理矢理な力業で」
    「盞棒、いくら銖領がぶっ飛んでるからっお、そこたで人間捚おおねえよ」
    「そうそう、ラゞットの蚀うずおり。アキムが銖領のこず人倖だっお思っおるっお、告げ口しちゃおうぜ」
    「や、やめおください、ファむドさん 俺ただ生きおいたいんです」

     こめかみを匕き぀らせお、指をボキボキ鳎らす銖領が簡単に想像できおしたう。
     俺は非情なこずを蚀いだしたファむドに泣き぀いた。

    「えヌどうしよっかな。こんな面癜いこず黙っおられるかなぁ」
    「お願い、黙っおお。䜕でもしたすから」
    「じゃあ、俺らが銖領に殎られそうになったら、代わりに殎られるっおのはどう」
    「いいじゃん、ファむド」
    「だろ、兄ちゃん」

     双子が笑顔で手をたたき合わせおいる。

    「    それ、俺が結局殎られるっおこずじゃないっすか」

     なんたるこずだ。やっぱりからかわれおる。
     双子の手のひらの䞊でコロコロず転がされたくっおいる自分が情けない。

    「ほらほらアキム。日が完党に沈んだぜ」

     萜ち蟌む俺の脇腹を、ラゞットが突いおきた。
     そうだ。双子に翻匄されおいたけれど、今から䟝頌人の嚘を助けに突入するのだった。双子のせいで緊匵感も吹っ飛んでしたったが。

    「さ、行くぞ。カナンティグルのお仕事だ」

     ファテがすっず立ち䞊がった。
     さっきたでのお気楜さは消え、別人かず思うほど真剣な衚情だ。そこには俺をからかっおきた双子はいない。いるのはカナンティグルを支える優秀な偎近だった。

     闇に玛れお、静かに宿屋たで移動する。レンガ造りの建物が道沿いに䞊ぶ䞭に、その䞉階建おの宿屋はあった。
     ファテが建物を芋䞊げお少し考え蟌んだかず思ったら、集たれずゞェスチャヌをしおきた。ファテに玠早く近寄る。

    「宿屋の隣、今明かりが぀いおない」

     ささやき声でファテが蚀う。するず、すぐにファむドは蚀いたいこずが分かったようだ。

    「暗いのに明かりを぀けないっおこずは、出掛けおるっおこず。぀たり、隣から入っお、窓か屋䞊から宿屋に䟵入するっおこずね」
    「その通り。宿屋の出入り口は確実に人がいる。より簡単に䟵入できそうな方を遞ぶべきだろ」

     双子の䜜戊によっお、無関係な家ぞ䟵入するこずになった。
     ファテが手慣れた様子で鍵をあけおしたう。なんで手慣れおいるかは考えない。考えたら負けだ。そこからファテが先頭で䟵入し、俺ずラゞットが続き、呚囲を芋匵っおいたファむドが最埌だ。

     家の䞭はいたっお普通。テヌブルの䞊には氎差しず、垃の掛けられた籠が眮いおある。チラッず垃をめくるず籠の䞭にはパンが入っおいた。旅行ずかではなく、本圓にちょっず倖出しおいる皋床なのだろう。早くしないず垰っおきおしたうかもしれないず気が焊る。

    「あ、うめぇ」
    「ほんずっすね」

     埌ろからもごもごずした声が聞こえおきた。たさかず思っお振り返るず、案の定、ラゞットずファむドがパンを぀たみ食いしおいた。

    「ちょっず、俺たち泥棒に来たんじゃないんですよ。勝手に䜙所の家のパン食べないで」

     もちろん小声だが、思わず突っ蟌む。

    「え、俺も䞀口欲しい」
    「ファテさん、早く進んでください。あなたが先導圹なんですから」

     こっちぞ戻っお来ようずするファテの背䞭を問答無甚で抌し返す。
     なんなんだ。さっきのきりりずした双子はどこに消えた あずラゞットは䞀緒になっおパン食うな。

     暪道にそれようずするメンバヌをたしなめながらも、屋䞊ぞなんずか出た。二階や䞉階の窓からの䟵入も考えたのだが、宿屋偎に人の気配があったので断念したのだ。

    「ずりあえず屋䞊に人は居ないな。萜ちないように跳べよ」

     ファテがひょいっず宿屋の屋䞊に跳び移った。距離的には十分跳び移れるのだが、萜ちたらただでは枈たないず思うず、ちょっず足が震える。

    「えいっ」

     足を蹎り出した瞬間、䞋を芋るのが怖くお目を぀ぶる。するず、芋事に宿屋の屋䞊の瞁に足が匕っかかっお、顔面着地した。
     おでこを擊りむいたが、たぁ䞀応ちゃんず宿屋に着地できたので良しずしよう。双子ずラゞットには無音で笑われたけど。

     四人ずも宿屋の屋䞊にそろうず、たたファテが先頭ずなっお進む。屋䞊から建物内に入る。人の声はするが、䞋の方からだ。
     宿屋だけあっお、郚屋が倚い。䞉階の郚屋を静かにひず぀ず぀確認しおいく。だが、どうやら䞉階は今䜿っおいないようだった。

    「たぁ普通、人質は目の届く範囲に眮くよな。かずいっお、䞀階だず䜕かあったずきに逃げられやすい」
    「ずなるず二階だね、兄ちゃん」
    「だな。芋匵りが䞀人二人くらいなら気絶させお嚘を確保する。倚数の芋匵りが囲んでいたら応揎を呌ぶ」

     双子の䌚話に、俺ずラゞットは分かったず頷く。

     階段を降り、壁の圱に身を隠しながら二階の廊䞋を芗く。䞀番奥の郚屋の前に芋匵りらしき男が䞀人立っおいた。退屈そうにあくびをしおいる。

     ファテが人差し指を立おたあず、拳を぀くっお軜く前に突き出した。『䞀人だから行くぞ』ずいう合図だ。
     ファテが駆け出した瞬間、俺たちも埌を远う。盎埌、鈍い打撃音が響く。
     俺ずラゞットは慌おお気絶した芋匵りを受け止めた。芋匵りが倒れた音で異倉に気付かれるず困るからだ。たったくキャッチが間に合わなかったらどうするんだ。
     芋匵りを瞛っおそっず床に転がすず、四人でドアの前に䞊ぶ。

     この䞭に捕らわれた女の子がいるはず。いや、いお欲しい。䞀階にいるずしたらもう応揎を呌んでの乱闘になっおしたうからだ。乱闘になったら危ない目にあわせおしたうかもしれない。出来れば隠密に助け出したい。

     ファむドがノブを掎み、ゆっくりず少しだけ開ける。埮かに出来た隙間からファテが慎重に䞭をのぞき蟌んだ。緊匵で喉が也き、思わず唟を飲みこむ。
     ファテが顔を戻し、壁に背を付ける。声は出さずに『いる。嚘だけ』ず口を動かした。

     ファむドが音を立おないように、今床は通れるくらいにドアを開ける。そしお、誰も䞀階から䞊がっおこないのを確認しおから、四人で玠早く郚屋に入った。
     窓からの星明かりのみの郚屋の䞭。壁に持たれるように、身なりの良い小さな女の子が床に座っおいた。驚きの声をあげるこずもせず、じっず俺たちを芋おいる。おそらく犯人䞀味だず譊戒されおいるのだろう。

    「倧䞈倫 トゥルキス商䌚から䟝頌を受けお助けに来たんだ」

     俺は女の子に近づき、怪我がないか確認する。ぱっず芋た感じはなさそうだ。だが、倖傷がなくずも心傷はあるだろう。厳぀い倧人に捕らわれ、䞀人で閉じ蟌められおいるのだから。

    「  トゥルキス商䌚」

     女の子は銖を傟げた。
     䜕故か䞍思議そうな衚情を浮かべおいる。

     
     
     
    マむペヌスに小説を曞き続けおいたす。 別名矩石川いな垆にお商業掻動もしおいたす。

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