
第9章 リーディング・ファシリテーター研修編|人を動かす【描いてつなぐ】
描いてつなぐ〜グラフィックファシリテーターユイの挑戦〜
第9章「リーディング・ファシリテーター研修編」をまとめてお届けします。
市民ワークショップを経験し、ファシリテーターとして少しずつ成長を続けるユイ。
そんな中、新市長・真壁ハルカが掲げる「対話を重視する市政」の実現に向け、新たな人材育成制度「リーディング・ファシリテーター養成研修」がスタートします。
この研修では、自らファシリテーションを実践するだけではなく、受講生に寄り添い、伴走しながら成長を支えることが求められます。
「教える」のではなく、「支える」。
その難しさと奥深さを、ユイたちは学んでいきます。
一方で、研修には知識や経験に自信を持つ永峰も参加。
良かれと思って受講生へ助言するものの、自分の考えを押し付けてしまい、周囲との衝突を招いてしまいます。
「正しいことを伝える」ことと、「相手が受け取れるように伝える」ことは違う。
その姿を通して、ユイたちはファシリテーターとして本当に大切なことを改めて考えることになります。
そんな中、イッチーは場の空気を和らげ、自らをピエロ役にすることで対立を防ぎ、今田は率直な言葉でチームを支え、それぞれが異なる形で「伴走する力」を発揮していきます。
誰かを変えようとするのではなく、誰かが自ら気づけるように寄り添うこと。
それこそが、リーディング・ファシリテーターに求められる役割でした。
この章で描きたかったのは、ファシリテーションの技術だけではありません。
* 正しさだけでは人は動かない
* 教えることと伴走することの違い
* 人を育てるとは何か
* 対話とは相手を変えることではなく、相手を尊重すること
これらのテーマについて、とても役に立つ本を紹介します。
デール・カーネギー著 人を動かす
世界中で読み継がれている自己啓発の名著です。
私はこの本の根底にあるのは、「人の存在そのものを認めること」だと感じています。
図らずも役職を持ち、部下という立場の人と仕事をするようになって、人を動かすことの難しさを実感しました。
知識や正論だけでは、人の心は動きません。
だからこそ、相手の立場に立ち、その人自身が答えを見つけられるよう支えることが、対話の本当の価値なのだと思います。
ユイもまた、イッチーやミナミ、今田との関わりを通して、「聴く力」だけでなく、「人を支える力」を少しずつ身につけていきます。
その経験は、やがてユイ自身が誰かの背中をそっと押せる存在になるための、大切な補助線となっていくのでした。
そして物語は、最終章へ――。
※この作品はフィクションであり、登場人物・団体・出来事は実在のものとは関係ありません。