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冷えたチョコパイ

    田口麻衣子

    「冷えたチョコパイがない」と夫がつぶやいた。
    私がお昼に食べてしまった。

    ファミリーパックの残りのチョコパイを探そうと
    膝の上で丸くなっている三毛猫を持ち上げて、
    あまりに丸いまま温かくて、もう一度膝にのせる。いかんいかんと思い、三毛猫をもう一度丸いまま持ちあげてソファーでノートパソコンをしている夫のそばにふわりのせる。

    「チョコパイ冷やす?」と聞くと「うん」という。チョコパイをひとつ急速冷凍する。

    私は冷たいチョコレートが好きだ。なかでもチョコパイは必ず冷やして食べる。
    外側のチョコのコーティングがパリリとして、クリームのところが少しだけ冷えて少しだけ固めになるのがおいしい。トッポとピコラも冷やしてしまう。

    三毛猫とテレビを見ていたら、夫が冷凍庫からチョコパイを取り出す音がした。すっかり忘れていた。三毛猫は形状記憶のように、私の膝でまるくなっている。
    ふと夫が冷えたチョコパイを好きになっていることに気がついた。

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    チョコパイの袋を気に入っていた。

     
     
     
    抽象画家。短歌と詩をつくる。池に落ちたこねこをひろ う。日々の記録