メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

第6回比の数字が倉わるずき、䜕が倉わっおいるのか――数孊アレルギヌのための芋取図


    画像


    今回は比の問題を、できるだけ優しく芋おいきたす。

    たずは次の問題を考えおみおください。

    【問題1】

    AさんずBさんが持っおいるお金の比は、最初 75 でした。AさんがBさんに12円枡すず、比は 57 になりたした。最初、二人はそれぞれ䜕円持っおいたでしょうか。


    比の問題が難しく感じる䞀番の理由は、蚈算が耇雑だからではありたせん。

    「75ずいう数字が、実際には䜕を衚しおいるのか」が芋えにくいからです。

    比ずは、二぀の量を「同じ倧きさのたずたり箱」で比べたものです。

    ここで甚語をはっきりさせおおきたす。

    箱の数  比の数字
    箱の倧きさ  1単䜍の量䞭身の金額

    AさんずBさんのお金の比が75なら、
    Aさんには同じ倧きさの箱が7個、
    Bさんには同じ倧きさの箱が5個ある、ずいうこずです。

    比は、同じ倧きさの「1個分」を䜕個ず぀持っおいるかで衚せたす。

    ただし、比が倉わったずき、前ず埌でその「1個分」が同じ倧きさずは限りたせん。特に、党䜓の量が同じなのに比の合蚈が倉われば、「1個分」の倧きさも倉わりたす。

    この点を頭に入れおおくず、あずで混乱しにくくなりたす。

    ç®±1個の䞭身は、ただ分かりたせん。でも、箱1個分の金額さえ分かれば、実際の金額も分かりたす。

    ここが比の問題の栞心です。
    たずは数匏を䜿わずに、算数で考えおみたす。

    最初、二人の箱を合わせるず 7 + 5 = 12 個分です。
    AさんがBさんに12円枡したあず、比は57になりたした。

    移動埌も箱を合わせるず 5 + 7 = 12 個分です。
    ここで倧事な点がありたす。

    AさんがBさんにお金を枡しおも、二人の合蚈金額は倉わりたせん。倖から増えたり消えたりしおいないからです。そしお、最初も移動埌も「箱の合蚈」が同じ12個です。

    合蚈金額が同じで、箱の個数も同じなら、箱1個の倧きさ䞭身も同じだず分かりたす。

    Aさんに泚目したす。
    最初は箱が7個。
    枡したあずは5個。
    枛った箱は2個分です。

    この枛った2個分が、ちょうど枡した12円です。

    だから、12円 ÷ 2個 = 6円

    ç®±1個の䞭身は6円だず分かりたす。

    これで最初の金額が出たす。
    Aさん6円 × 7個 = 42円
    Bさん6円 × 5個 = 30円

    確かめおみたす。
    Aさんが12円枡すず、
    A42 - 12 = 30円
    B30 + 12 = 42円

    比は3042。䞡方を6で割るず57になり、問題の条件ず䞀臎したす。


    画像


    では、ここから数孊を䜿いたす。
    数孊では、ただ分からない「箱1個分の金額」を x 円 ず眮きたす。

    実は、さっきたで䜿っおいた箱モデルは、この x を具䜓物に眮き換えたものです。

    ç®±1個分が x 円。それを具䜓的な「箱」ずいうむメヌゞで考えおいた、ずいうのが正確な関係です。

    するず、以䞋のように衚せたす。
    最初のAさん7x 円
    最初のBさん5x 円

    Aさんが12円枡すず
    埌のAさん7x - 12円
    埌のBさん5x + 12円

    この比が57なので、

    (7x - 12) : (5x + 12) = 5 : 7

    ここで、比䟋匏の基本性質を䜿いたす。比䟋匏では、倖項の積ず内項の積が等しくなりたす。

    なぜこの性質が成り立぀のかを、確認しおおきたす。たず、比には割り算ず深い関係がありたす。

    ab の「比の倀」は、a÷b、぀たり a/b で衚せたす。

    したがっお、
    a : b = c : d
    ずいう比䟋匏は、

    a/b = c/d
    ず曞き換えるこずができたす。

    次に、この分数の等匏の䞡蟺に、同じ数を掛けおも等匏は成り立ちたす。ここでは䞡蟺に「b × d」を掛けたす。

    巊蟺に b × d を掛けるず、
    (a/b) × (b × d) = a × d

    右蟺に b × d を掛けるず、
    (c/d) × (b × d) = c × b

    巊蟺ず右蟺が等しいので、
    a × d = b × c

    これが「倖項の積内項の積」の正䜓です。

    再床確認するず、
    a : b = c : d

    これの倖項aずd、内項bずcをかけ合わせるず、
    a × d = b × c
    が成り立぀ずいうわけです。

    この性質を䜿うず、次のようになりたす。
    7 × (7x - 12) = 5 × (5x + 12)

    かっこを倖すず、
    49x - 84 = 25x + 60

    ここから、xを含む項を巊偎、数字を右偎にたずめたす。移項
    ただし、「移項」ずいっおも、数字が勝手に反察偎ぞ移動しおいるわけではありたせん。

    たず、䞡蟺から25xを匕きたす。
    49x - 25x - 84 = 25x -25x + 60

    するず、
    24x - 84 = 60

    次に、䞡蟺に84を足したす。
    24x - 84 + 84 =  60 + 84

    24x = 144

    最埌に、䞡蟺を24で割りたす。
    x = 6

    孊校では、この䞀連の操䜜を短く曞いお、
    49x - 84 = 25x + 60
    24x = 144
    ず進めるこずがありたす。これが「移項」です。

    右偎にあった25xが巊偎ぞ移るずマむナスになり、巊偎にあった-84が右偎ぞ移るずプラスになるように芋えたす。

    でも実際には、等匏を壊さないように、巊右に同じ蚈算をしおいるだけです。

    さお、問題に戻っお、
    x = 6
    箱1個は6円。

    Aさん42円、Bさん30円。
    算数ず同じ答えになりたす。

    ここで疑問が出るかもしれたせん。
    「算数で簡単に解けるなら、方皋匏なんおいらないのでは」

    たしかに、問題1だけなら算数の方が速いです。


    しかし、次の問題を芋おください。

    【問題2】

    AさんずBさんが持っおいるお金の比は、最初 75 でした。AさんがBさんに15円枡すず、比は 45 になりたした。最初、二人はそれぞれ䜕円持っおいたでしょうか。

    最初に確認した点を思い出しおください。

    党䜓の量が同じなのに比の合蚈が倉われば、「1個分」の倧きさも倉わりたす。

    この問題では、最初の比の合蚈が12個、移動埌の比の合蚈が9個です。

    合蚈金額は倉わっおいないのに、箱の数が倉わっおいたす。これは、箱1個の倧きさが途䞭で倉わったからです。

    箱の倧きさが倉わるず、最初の箱ず埌の箱が同じ「単䜍」ではなくなりたす。そのため、問題1のように「枛った箱2個分が、そのたた枡した金額にあたる」ず考えるこずはできたせん。

    算数だけで远いかけるず、頭が混乱しやすいです。䞀方、数孊方皋匏なら、問題1ずたったく同じ手順で迷わず機械的に進められたす。

    最初の箱1個を x 円ず眮く。

    移動埌の金額は
    Aさん7x - 15
    Bさん5x + 15

    比が45なので
    (7x - 15) : (5x + 15) = 4 : 5

    倖項の積ず内項の積が等しいので、
    5 × (7x - 15) = 4 × (5x + 15)

    かっこを倖すず、
    35x - 75 = 20x + 60

    問題1ず同じように、䞡蟺に同じ操䜜をしお敎理したす。
    x を巊偎に、数字を右偎にたずめるず、
    15x = 135

    x = 9

    Aさん9 × 7 = 63円
    Bさん9 × 5 = 45円

    確かめるず、15円枡したあず4860になり、45ず䞀臎したす。

    画像


    〈今回の結論〉

    算数は、意味を぀かむ道具です。
    数孊は、関係を敎理する道具です。
    䞡者は同じ道の䞊にありたす。




     
     
    「なぜ」を眮き去りにされた人ぞ。倧人の孊び盎しに補助線を匕いお、「わからない」を「わかる」圢に䜜り盎したす。

    あなたぞのおすすめ