
「なんで動いてくれないの?」から始まった、私のリーダー修行⑧第7話
人を育てることは、自分の思い通りにすることではなかった
第6話では、
人が動きやすくなるために、私が意識するようになった3つのことを書きました。
①目的を伝えること。
②答えやすい形を作ること。
③小さな挑戦のきっかけを渡すこと。
どれも、最初からできていたわけではありません。
この一連の出来事を通して、自分自身の考え方ややり方を何度も見直してきました。
「こうなってほしい」は、相手のためなのか、自分のためなのか
人を育てる立場になると、どうしても期待が生まれます。
「もっと自分から動いてほしい」
「もう少し考えてから相談してほしい」
「失敗してもいいから挑戦してほしい」
どれも、相手に成長してほしいと思う気持ちから出てくるものです。
でも、ある時ふと考えました。
もしかして私は、「相手のため」という大義名分を掲げながら、実は「自分が安心したいだけ」だったのではないか、と。
相手が私の思った通りに動いてくれたら、確かに私は楽です。業務は予定通りに進むし、ハラハラして確認する手間も減る。
でも、人はロボットではありません。
考え方も違えば、得意なことも違う。
いろいろな人がいるのだ、と受け入れることも、人と関わる上で大切なのだと思いました。
これは、子育ても同じだった
このことを考えていた時、ふと子育てのことを思い出しました。
子どもたちがまだ小さかった頃。私は毎日のように、「なんでこれをやってくれないの!?」「どうして言う通りにしてくれないの!」と、イライラしてばかりいました。
振り返ってみると、あの時も「子どもの将来のため」と言いながら、私自身が「早く安心したかった」だけの一面があったのだと思います。
人は、誰かに先回りされるのではなく、自分自身で経験することでしか、本当の意味で学ぶことはできません。
・ときには、派手に転ぶ経験。
・思い通りにいかなくて、じっくり悩む時間。
・自分で考えて、選ぶ経験。
効率は悪いかもしれないけれど、その時間すべてが、人が成長していくためには必要なステップだったのです。
手助けすることと、代わりにやることは違う
これは、職場でも家庭でも、はたまた他の場所だとしてもまったく同じことが言えると感じています。
相手が困らないように、先回りして全部やってあげる。
失敗して傷つかないように、ルート上の石ころを全部退けてあげる。
一見、それは優しくて素晴らしい行動に見えるかもしれません。
でも、それでは相手が自らの力で試行錯誤し、成長する機会を奪ってしまう「過保護」になってしまいます。
本当に大切なのは、代わりにやってあげることではありません。その人が自分の足で進めるように、支えること。
時には見守る。
時には背中を押す。
時には一緒に考える。
そのバランスが大切なのだと思います。
あの日、返事を待ちながらイライラしていた私へ
シリーズの最初に書いた、「なんで動いてくれないの?」と思った日の私へ。
今なら少し違う言葉をかけられる気がします。
「相手を変えようとする前に、どうやったら動きやすいのかを考えてみたら?」って。
もちろん、完璧にはできません。
今でも、「いや、そこは確認してほしかった!」と思うこともあります(笑)
でも以前とは少し違います。
すぐに「やる気がない」と決めつけるのではなく、「何があれば、この人は動きやすくなるんだろう」と少しずつですが考えられるようになりました。
リーダーとは、引っ張る人ではなく、力を引き出す人
昔の私は、
リーダーとは、みんなの前に立って引っ張っていく人だと思っていました。
でも今は少し違う考えです。
リーダーとは、
誰かの中にある力を発揮しやすくする人。
その人が自分らしく力を出せる環境を作る人。
そんな存在なのかもしれません。
私はまだまだ勉強中です。
これからも、
「なんで伝わらないんだろう」
「どうしたらもっと良くなるんだろう」
と悩むことはあると思います。
でも、その悩みから逃げずに向き合うこと。
相手を変えようとする前に、自分の関わり方を見直すこと。
それを続けていきたいと思っています。
人を動かすのではなく、
人が自分の力で動き出せる場所を作ること。
それが、今の私が目指すリーダー像です。
私のリーダー修行はこれからも続いていきます。
おわり