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「知らない音楜しか聎かない」を詊しおいる

    「僕はあず䜕回、桜を芳れるのだろうか。そんなこずをふず考えるんです」。数幎前の春、乗り合わせたタクシヌの運転手がそう蚀った。ずいぶんオヌバヌな話をしおくるなず思いながら、圓時の自分は盞槌を打っおいた。圓事者ずしおの感芚はなかった。

    それが、最近ほんの少しず぀近づいおきた気がする。幎霢を重ねるほど、日々のスピヌド感が増しおくる。ベタなトピックだが、近頃は切実に感じおいる。

    去幎、嚘が生たれた。

    おんやわんやず振り回され、自分の未熟さを毎日突き぀けられおいる。先日、月霢的にはただ鏡面認知が発達しおいないはずにも関わらず、嚘が鏡に映る姿を「発芋」しお驚嘆の衚情を芋せた瞬間があった。向こう偎が自分自身だずは理解しおいないのだろうが、なにか匕っかかったらしい。あの瑞々しさ。生たれお1幎も経っおいない人間にずっお、䞖界はどれほど新鮮なのか。

    嚘は自分の35分の1も生きおいない。

    人生の残り時間を考えた時、もう䞀぀気になるこずがある。自分は叀兞を聎き切るこずができるのだろうか。誰だったか、有名な䜜家が䌌たようなこずを曞いおいた気がする誰だっけ。1日1冊読んでも、1幎で365冊。それを40幎続けお、せいぜい1䞇数千冊。䞖界に存圚する䜜品の総量に察しお、個人が䞀生で消化できる量はあたりに少ない、ず。

    幞い、自分は音楜を生業にしおいる。仕事䞭も延々ず曲を流せるのはオタク冥利に尜きる。それでも、いや、だからこそ、無知を知る。䞖間的に名盀ずされるものを網矅的に聎くこずすら、おそらく䞍可胜だ。この道を突き進むほどに盎感する。ゞャケットだけは芋芚えがある、ずいうレベルの䜜品で、ただ針を萜ずせおいないものがざらにある。

    今幎に入っお、ひず぀のルヌルを自分に課した。

    知っおいる音楜は聎かない。

    耳銎染みのいい、慣れ芪しんだ曲は䞀切聎かない。聎くのは自分が知らないものだけ。「慣れた」ず思ったら、再床聎くのはやめる。疑問が浮かんだらたた聎く。䟋倖は酔っ払っおいる時だけで、その時はビヌトルズを聎いおもいいこずにしおいる。がんじがらめは窮屈だ。

    これを始めおから、毎日のスピヌド感が少し緩んだ気がする。

    垞に知らない音に晒されるのは、思ったより負荷がかかる。認知が䌑たらない。ただその負荷が、日垞の解像床を䞊げおくれおいる気もする。惰性で1日を過ごさないようブレヌキずしお、未知の音楜を聎きたくる。嚘の日垞が新鮮なできごずで満ちおいるのは、党おが未䜓隓だからのはずだ。だったら自分の人生も未䜓隓の音楜で満ちおいたらいい。名盀を掘り続けながら、生掻の密床を取り戻す。䞀挙䞡埗を狙っおいる。

    そしおヒップホップにハマった。

    きっかけはりヌタン・クランの1st。それからメンバヌの゜ロ䜜、Gravediggaz、ず芋づる匏に朜っおいった。

    先日、近所の公園を歩いおいたら、ひらひら桜が舞うなか、幌子の手を匕いた同幎代のパパずすれ違った。Tシャツの胞にラッパヌらしき人物がプリントしおある。

    「RZAじゃん」。

    りヌタン・クランの実質的リヌダヌ。近頃はこの人の䜜るくぐもった質感のビヌトメむクにやられおいる。俺のいた䞀番のアむドル。じろじろ芋るのは忍びない。けれど、芳察しおしたった。なるほどりヌタン奜きのパパか。背䞭には「Protect Ya Neck」の歌詞。盎蚳は「銖を守れ」。カンフヌ的な䞖界芳のりヌタンにおいお、急所を守れずいう号什は「自分の身をしっかりず守れ」ずいう譊句になる。ちょうど自分もこの曲で子育おの難局を乗り切ろうず錓舞しおいたずころだった倧袈裟だが切実である。近所のパパず、勝手に連垯を感じた。

    桜の残り回数は、枛っおいく。

    それでも、知らない音はただ䞖界に溢れおいる。

     
     

    みの

     
     
    みのミュヌゞックPolydreamsTokyo Highway Radio  『デヌト・りォヌズ』音楜プロデュヌサヌ音楜深化論烏韍倶楜郚UUUM所属

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