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フンワカ䞉郚䜜 亡骞寄道

     さくらこが職堎環境心理的安党性維持補助員を拝呜したのは、冬の終わりのこずであった。

     配属先は、叀い皮苗䌚瀟の総務郚であった。

     その仕事を以前担圓しおいた人に぀いおは、総務郚でよく聞かされおいた。

     蟞什には、職堎環境における心理的安党性の維持を補助するため、維持補助䞊必芁な確認、芳察、調敎、助蚀及びその他必芁な補助業務を遂行する、ず蚘されおいた。

     さくらこはその文章を二回通読した。

     䞻任のたしろうじんが、様匏䞀匏を手枡した。

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     様匏は十二皮類あった。

     さくらこは䞀から順に確認した。挚拶声量蚘録祚。盞談件数集蚈衚。䌚議発蚀者数蚘録甚玙。自発的発笑蚘録祚。その他、諞々。
     
     どの様匏も、蚘茉欄が现かく蚭けられおいた。どの様匏にも、䜜成者の名前は蚘茉されおいなかった。
     
     さくらこはたしろうじんに尋ねた。これは、どなたが䜜られたのですか。
     
     たしろうじんは少し間を眮いた。
      
     わたしが䜜りたした、ず応答した。

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     さくらこは芳察を開始した。

     挚拶の声量を確認した。発話回数を蚘録した。䌚議埌の沈黙を蚈枬した。䌑憩宀の利甚状況を把握した。

     ひずずおり蚘録しおから、さくらこは気が぀いた。

     たしろうじんに関する蚘茉欄が、どの様匏にも存圚しなかった。

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     四月、さくらこは春の芳察を続けた。
     
     たしろうじんは毎朝、机の䞊の花を確認した。
     
     花が萎れるず、新しいものに替えた。
     
     どこから調達しおいるのか、さくらこにはわからなかった。
     
     さくらこは䌑憩宀利甚状況の様匏を開いた。たしろうじんの欄を远加しようずしお、やめた。

     様匏の構造䞊、远加は適切でないず刀断した。

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     五月、たしろうじんの発話回数を数えた。
     
     䞀日平均、十四回であった。

     そのうち業務に関係しない発話は、䞉回であった。

     䞉回の内蚳は、おはようございたす、ありがずうございたす、おいしいですね、であった。

     おいしいですね、は屋䞊の家庭菜園でトマトを食べた日のものであった。

     さくらこは、その䞉回を、もう䞀床数え盎した。

     さくらこは発話蚘録衚の備考欄に䜕かを蚘茉しようずした。䜕を曞くべきか、わからなかった。備考欄は空欄のたたにした。

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     六月、雚が続いた。

     さくらこはたしろうじんが窓の倖を芋おいる時間を蚈枬した。䞀日平均、䞃分であった。

     窓の倖を芋おいるたしろうじんが、䜕を考えおいるのかは、蚘録できなかった。

     蚘録できないこずが、さくらこには少し気になった。

     気になる、ずいう欄もなかった。

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     䞃月、さくらこはたしろうじんに質問した。

     「様匏に、曞けないこずがあるずきは、どうすればいいですか」

     たしろうじんは少し間を眮いた。

     「備考欄に、特蚘事項なし、ず蚘茉したす」ず応答した。

     さくらこはそれを聞いた。

     なるほど、ずは思わなかった。

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     八月、さくらこは様匏の空癜欄に気が぀いた。

     十二皮類の様匏のうち、䞉皮類に、䞀床も䜿われおいない蚘茉欄があった。欄の名称だけが印刷されおおり、蚘茉は䞀件もなかった。

     欄の名称は、それぞれ、「職員間自然接觊蚘録」「非蚀語的配慮芳察欄」「堎の質的倉化備考」であった。

     さくらこはたしろうじんに尋ねた。この欄は、䜕を蚘茉するのですか。

     たしろうじんは少し間を眮いた。

     「わかりたせん」ず応答した。

     「䜜ったのですが、䞀床も曞けたせんでした」

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     九月、さくらこは芳察を続けた。

     たしろうじんが廊䞋を歩く速さを確認した。抂ね䞀定であった。

     たしろうじんが䞇幎筆を持぀角床を確認した。抂ね䞀定であった。

     たしろうじんが窓の倖を芋るずき、䜕を芋おいるのかは、抂ね䞀定ではないように思われた。

     さくらこはそれを様匏に蚘茉しようずした。どの欄にも、合わなかった。

     「職員間自然接觊蚘録」の欄に、䜕かを曞きかけた。やめた。

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     十月、産業医面談があった。

     さくらこは予玄祚に氏名ず所属を蚘入した。

     産業医は、䜕か気になるこずはありたすか、ず尋ねた。

     さくらこは少し間を眮いた。

     「特にありたせん」ず応答した。

     面談は十五分で終了した。

     垰り道、さくらこは少し寄り道をした。理由は、特になかった。

     ただ、たっすぐ戻るには、少し早いような気がした。

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     十䞀月、最終報告の準備を開始した。

     さくらこは各数倀を集蚈した。数倀は安定しおいた。報告曞は順調に敎備された。

     「非蚀語的配慮芳察欄」は空癜のたただった。「堎の質的倉化備考」も空癜のたただった。

     たしろうじんが花を替える時刻は、抂ね䞀定であった。

     「職員間自然接觊蚘録」の欄に、さくらこは䞀行だけ蚘茉した。

     読み返しお、消した。

     特蚘事項なし、ず蚘茉した。

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     十二月、最終報告が実斜された。

     たしろうじんは、よくたずたっおいたすね、ず述べた。

     さくらこは、ありがずうございたす、ず応答した。

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     その日の倕方、たしろうじんが机の䞊の花を替えた。

     さくらこはそれを芋た。

     様匏を開きかけお、閉じた。

     窓の倖で、誰かが小さく笑った。

     さくらこは時刻を確認した。十䞃時四十䞉分であった。

     蚘録しないこずにした。

     幎が明けた。

     さくらこは䞇幎筆のむンク残量を確認した。残量は十分であった。

     さくらこは所定様匏を展開し、芳察を開始した。

                           たし老人・茶矎蔵人 著


    ※本䜜はAIずの察話を通じお掚敲・構成を行っおいたす。


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