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Photo byhip_quail8103

私の「ふ぀う」な日

    パン屋さん

    真冬の䌑日、パン屋さんぞず自転車で向かう。
    朝、お化粧を枈たせおいたから思い付いたずきにサッず出かけられた。

    お店の前。
    倖は明るく店内は薄暗く、入口のガラス扉に私が映っおいた。

    髪がボサボサだった。

    そういえば。
    朝お化粧はしたけれど、髪を盎すの忘れおた。

    「嵐の䞭か」ず思うほどのボサボサ髪に驚き、ガラス扉を鏡の代わりに手櫛でなんずか敎えた。

    「よし。寝癖みたいだ」

    ガラス扉は倖から芋れば鏡のようだが、店内からは倖が䞞芋え。
    私のボサボサ髪が寝癖に移り倉わる様子も䞞芋えだったず気づく。

    「恥ずかしいな」

    いや。サッず垰れば、誰にも認識されずに枈むかもしれない。
    思い切っおガラス扉を開けた。

    ず、その瞬間。

    ホカホカの宀枩。
    ホカホカの匂い。
    ホカホカのパンたち。

    極寒の倖ずは別䞖界。
    「しあわせ空間」に気持ちがゆるみ、髪型の事などすっかり忘れおしたった。

    「あれ」

    い぀ものパンが芋圓たらず、レゞの方に尋ねおみた。

    レゞの方が私を芋お、パンを陳列䞭の奥さんに聞いおくれた。

    パンを陳列䞭の奥さんが私を芋お、厚房で焌いおるご䞻人に確認しおくれた。

    厚房で焌いおるご䞻人が私を芋お、「売れちゃった。今日はもう焌かないんだよ〜」ず教えおくれた。

    気づいたら、蚈3名ず、この髪型で䌚話した。

    もう、垰ろう。

    䜓内リズム

    私の生掻は、あの「䜓内リズム」に支配されおいたす。

    朝、身支床を終え10分間もの䜙裕があっおも出発時刻はい぀でも同じ。
    「あ〜、もうこんな時間」

    倜、甚事を片づけ1時間もの䜙裕があっおも就寝時刻はい぀でも同じ。
    「あ〜、もうこんな時間」

    匷倧な力に制埡され、抗えないのです。

    冷培な、「䜓内リズム」に。

    氎曜日

    毎週「氎曜日」になるず「朚曜日だっけ」、
    朚曜日になるず「金曜日だから明日は䌑みだ」ず思いたす。

    たるで「氎曜日」は存圚しおいないかのよう。

    䜕床か「氎曜日」に䌑暇を取埗し、意図的にその存圚を消しおみたした。

    朚曜日の朝、「金曜日だから明日は䌑みだ」ず思いたした。

    私の「氎曜日」が行方䞍明です。

    カレンダヌ

    月日が経぀のは早いものですが、11月から5月たでの7ヶ月間は「䞀瞬」のように感じられたす。

    䜕故でしょうか。

    11月カレンダヌ右䞊に小さな12月が登堎したす。
    この小さな12月は䞻匵が匷く、カレンダヌを芋るたび芖界に入りたす。
    段々ず「12月11月ず衚蚘する堎合あり」みたいに思えおきお「垫走の感じ」で焊りたす。

    12月「本圓の垫走」です。

    1月「䌑日倚め、むベント倚め」です。

    2月「䌑日はあるが寒い、日数がずおも少ない」です。
    カレンダヌ右䞊に小さな3月が登堎し、「幎床末の感じ」で焊りたす。

    3月「幎床末、䌑日倚め、むベント倚め」です。

    4月「新幎床、䌑日倚め、むベント倚め」です。
    カレンダヌ右䞊の小さな5月が気になり、「気持ちは既にゎヌルデンりィヌク」です。

    5月「ゎヌルデンりィヌクず、その埌」です。
    「ゎヌルデンりィヌク」より「その埌」の方が圧倒的に長いけれど、前半䌑みすぎたせいで疲れた気持ちのたた「その埌」を過ごしたす。

    ヌ  以䞊11月から5月たで、7ヶ月間が「䞀瞬」のうちに過ぎ去りたした。

    そしお、
    6月「えっ、もう6月」ず認識し、さらに今幎の前半がもうすぐ終わるこずに気が付きたす。
    湿気が増え、たたに暑く、たたに寒く、元気がなく、䌑日もありたせん。

    7月「倏䌑み」を匷烈に意識したす。い぀取る、どう取る。
    䌑みたい日ず呚囲ぞの配慮ずのバランスで悩みたすが、予玄の郜合もあり結局は䌑みたい日を優先したす。

    8月「倏䌑み」ぞの意気蟌みず䜓力の限界で、心ず䜓は垞に揺れ動いおいたす。
    迫りくる「眩しさず暑さ」をどう避けるか。
    信号埅ちでは路䞊の小さな日陰を奪い合いたす。

    9月「倏䌑みの䜙韻」を匕きずり、ちょっず暗い気持ちのたた「シルバヌりむヌク」を埅ちわびたす。
    ずっず疲れおいたす。

    10月「秋のはず」だけどただ暑く、もう少し䌑日が欲しいです。

    ヌ  以䞊6月から10月たでの「5ヶ月間」。䜕ずなく疲れ気味のたた珟実を噛み締めるように生きおいきたす。

    このように振り返っおみるず、私の䞀幎は「䞀瞬」「5ヶ月間」ずいうこずが分かりたした。

    短い。

    ゎックン量

    飲み物を「提䟛された枩床のたた飲み切りたい」ずいう願望がありたす。

    私は䞀床のゎックン量が少なく、ゆっくり味わいながらちびちび飲むので、䞀床のゎックン量が倚い人を芋るず、どういう䜓の䜜りか疑問に思うず同時に「あの願望を抱いたこずが、ない」ずも思っおしたいたす。

    先日オシャレをしお出かけた飲食店で、瓶入り飲み物をグラスに泚いでくれたした。
    3人で出かけ、他の2人は䟋の願望を抱いたこずがない䜓の䜜りをしおいたす。

    3人それぞれ別々の飲み物を泚文したした。

    スタッフの方が、他の2人に合わせお泚ぎに来おくれたしたが私のグラスは泚ぐレベルではなく、芖線を泳がせ華麗に戻っお行きたした。
    その埌すぐ2人のグラスは空になりたしたが、私のグラスはただ半分。ちょっずだけ泚いでくれたした。

    こんなペヌスですのでホットな飲み物は垞枩に、アむスな飲み物も垞枩になり、たたスタッフの方や同垭しおいる人のリズムたで厩しおしたいたす。

    䞀床のゎックン量を増やす方法はないものか。

    他の2人に私のゎックン量を詊しおもらいたした。
    少なすぎお「飲んだ気がしない」ず蚀われたした。

    私も2人のゎックン量で飲んでみたした。
    口䞭いっぱいゎボゎボしお「飲んだ気がしない」ず思いたした。

    双方の芋解ずしお、「飲んだ気がしない」ずいう着地点は䞀緒でした。

    こういった日垞の些现な、しかし厄介な問題は、結構たくさん存圚しおいたす。

    スヌパヌ

    仕事の埌スヌパヌで、カゎ山盛りに買い物をしたした。
    厩れる寞前のナむスバランスでレゞぞ盎行。
    容量オヌバヌのカゎは、手前の商品を觊るず反察偎からこがれ萜ちそうです。

    店員さんやりにくそう。
    詰め蟌みすぎたかな。

    埌ろめたさを芚え぀぀、レゞが枈むのを埅ちたした。

    支払いになり、店員さんがレゞ枈みのカゎを粟算機に移動させ぀぀声を掛けおくれたした。

    「カゎ、盛り盛りですけど倧䞈倫ですか〜」

    「」

    こちらが埌ろめたいず思ったこずをスルヌし、テキパキず仕事をしおくれた䞊にカゎの状態たで心配しおくれおいたのです。

    レゞ前のカゎが山盛り、ずいうこずは、
    レゞ埌のカゎも山盛り、ずいうこず。

    圓然ですよ、それなのに。
    疲れた䜓に優しい䞀蚀が玠敵すぎお、久々に心が震えたした。

    埌日この文章を読み返したずき、疲れおいたのは䜓よりも心だったかな、ず思いたした。

    ワカメ

    煮物やお味噌汁に也燥ワカメを䜿いたすが、也いお「カサカサ」したものや、氎を吞っお「ベロベロ」したものは、ただ䜕者でもありたせん。

    ずころが波圢をした郚分に目が行きここが端っこだず気が付いた瞬間、そこから広がっおいたであろうワカメ、海の䞭でゆらめくワカメがむメヌゞされお、ハッず我に返りたす。

    「あぁ、これはワカメだ」

    「カサカサ」でも「ベロベロ」でもなく、「ワカメ」ずしお認識できたのです。

    このように、「カサカサ」を芋おも「ベロベロ」を芋おも「ワカメ」党䜓がむメヌゞできるこずを「䞀を聞いお十を知る」ず蚀うのでしょうか。

    違うか。

    甘い物

    私は甘い物がやめられたせん。

    超胜力

    呚囲の人の「感情の気配」に気づくこずがありたす。
    考えすぎず蚀えばそれたでですが、どちらかず蚀うず私はきっず、超胜力者なのだず思いたす。

    けれど皀に「感情の気配」を発しない方がいたす。

    切矜詰たった状況でも苊しそうな状況でも、䜕䞀぀発したせん。
    たぶん盞圓に匷い超胜力をお持ちで、私のそれを打ち消す波動かなにかを出しおいるのでしょう。

    その方の呚りはい぀でも静ひ぀な空気が流れ、心穏やかです。

    「只者ではないな」

    私はそういう方を尊敬しおいたす。

    電動アシスト付き自転車

    私は毎月、自転車のタむダに空気を入れたす。
    なぜなら賌入時にパンク防止のためず説明されたこずず、昚倏、ちょっず思うずころがあったからです。

    この自転車は電動アシスト付き自転車。どこぞ行くにも䞀緒の「愛車」です。

    い぀でもどんな時でもアシストしおもらうのは圓たり前、

    の、はずでした。

    ずころが突然アシストしおくれなくなったのです。
    パンクでした。

    「タむダの空気入れ、党然やらなかった〜」

    たたたた出先だったので、垰りは自転車を抌しながら歩きたした。

    自転車だけれどバッテリヌ搭茉の電化補品は想像以䞊に重たく、空気が抜けたタむダからはゎムの擊れる「ギュリギュリ」ずいう倉な音がしたした。
    私ず自転車が暪に䞊べば道幅いっぱい。
    隒がしく、そしおお邪魔でした。

    自宅は出先ず自転車屋さんのちょうど真ん䞭に䜍眮しおいたす。
    倕暮れどきの蒞し暑い䞭、自宅を暪目に通り過ぎたした。
    「暑い」

    早く垰っお氷たっぷりの冷え冷え゜ヌダを飲みたい、ず思いたした。
    「暑い、぀らい」

    あ。
    パンク修理をお願いする。
    自転車を眮いおくる、
    歩いお垰宅する、
    たた歩いお取りに行く、ずいうこずか。
    「暑い、぀らい、面倒」

    そうこうしおいるうちに暑さず疲れから朊朧ずし、色んなこずが心に浮かんできたした。

    「電動アシストにただ慣れおいない頃、信号埅ちでペダルに足を乗せたら発進しそうになっお、焊っおむラッずしちゃったな」

    「予定ギリギリで急いでいるずき、アシストが物足りなくお溜息぀いちゃったな」

    倧雚でも匷颚でも、文句も蚀わず助けおくれおいたのに。

    私はすぐに忘れおしたう。

    「い぀も、ありがずう。」っお、蚀うんでしょ。

    暑さず疲れから、さらに朊朧ずしおきたした。

    私の「ふ぀う」を構成しおいる、物や、人たち。
    䞀぀でも、䞀人でも、欠けたら成立しない私の「ふ぀う」。

    だけど。䞊手くいかないこず、しお欲しいこず、芁求ばかりが口を぀く。

    抱えすぎからくる疲れや苛立ち、準備䞍足からくる焊りや䜙裕のなさ。
    理由はい぀も、こちら偎にあったのに。

    私はすぐに忘れおしたう。

    「ごめん。」ず、

    「い぀も、ありがずう。」っお、蚀うんでしょ。

    圓たり前のように享受しおいたアシスト。
    倱っお初めお、そのありがたさが身に染みたした。


    修理が終わった自転車屋さんでは「刺さり物ですね」ず蚀われたした。
    パンク原因だそうです。

    タむダの空気䞍足が原因ではなかったようで、少し、気が楜になりたした。

    それにしおも。

    初めお聞いた「刺さり物」ずいう蚀葉。
    なんだか「痛そうだな」ず思いたした。

    ようやく盎った自転車に乗り、颯爜ず垰宅する私。
    アシストが、顔に圓たる颚が、ずおも嬉しかった。

    「い぀も、ありがずう。」

    あれから毎月タむダに空気を入れる。
    たたには氎拭きもする。

    少し、やさしい顔で。






     
     
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