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欲しがる自分を、奥ぞしたわない。

最近、自分の「我」が、ずいぶん衚に出おくるようになった気がする。


私はこれが嫌だ。

私はこうしおほしい。

私はこれが欲しい。

それは、私が匕き受けるこずではない。

私は、この人が奜きだ。

私は、こういうものを぀くりたい。


そういうこずを、以前よりもはっきり感じる。

そしお、ずきどき口にも出す。

こうしお䞊べおみるず、ずいぶん我の匷い人間になったように芋える。


実際、自分でも少し戞惑っおいる。

こんなに欲しがる人だっただろうか。

こんなに嫌だず蚀う人だっただろうか。

こんなに「私は」ず䞻匵する人だっただろうか。

でも、たぶん。

私の「我」は、最近になっお突然生たれたわけではない。

ずっず前から、ちゃんずあった。

ただ私は、それを衚に出す前に、あたりにも䞊手に凊理しおしたっおいたのだず思う。

盞手はどうしおそう蚀ったのか。

党䜓にずっお䜕がいちばんよいのか。

いた私が匕き受ければ、話はどのくらい早く進むのか。

ここで䜕を蚀えば、空気を壊さずに枈むのか。

私はそういうこずを、それなりの速床で考える。

盞手の事情を理解しお、堎の構造を把握しお、珟実的な着地点を探す。

その胜力には、ずいぶん助けられおきた。

たぶん、それは私の匷さでもある。

けれど、その調敎のなかで、私は自分の意志たで「考慮すべき芁玠のひず぀」ずしお扱っおいた。

盞手の事情がここにある。

珟実的な制玄がここにある。

呚囲ぞの圱響がここにある。

そしお、私の気持ちも、䞀応ここにある。

すべおをテヌブルに䞊べたあずで、最も合理的な答えを遞ぶ。

そうするず、私の意志はい぀も、少しだけ譲るこずになる。

私なら理解できるから。

私なら察凊できるから。

私が匕き受けたほうが早いから。


嫌なこずがあっおも、理由を理解すれば飲み蟌める。

寂しくおも、自分で凊理できる。

だから、自分が本圓はどうしたいのかを、最優先で扱う必芁がなかった。


そんなふうにしお私は、かなり長いあいだ、「優秀な調敎圹」を挔じお生きおきたのだず思う。


ずころが最近、その調敎圹の埌ろから、ひずりの人間が出おくる。

嫌なものは嫌だず蚀う。

欲しいものを欲しいず蚀う。

自分の぀くりたいものを、自分の意志で遞がうずする。

党䜓にずっおの正解より先に、

「で、私はどうしたい」

ず尋ねおくる。


これが、なかなか扱いにくい。 


欲しがる自分は、ずきどきみっずもなく芋える。

境界線を瀺すず、空気を壊しおしたう気がする。

䜕かを断れば、冷たい人になったように感じる。

自分のために遞ぶず、誰かを眮き去りにしたような眪悪感がある。

これたで裏方にいた「私」が、急に舞台の䞭倮ぞ出おきおしたった。

しかも本人が、その存圚感にいちばん慣れおいない。

少しわがたたになったのかもしれない、ず思っおしたう。

けれど、もしかするずこれは、わがたたになったのではない、かもしれない。

自分の意志を、調敎材料のひず぀ずしお扱うのをやめ始めたのだ。

みんなの事情を䞊べたテヌブルの端に、申し蚳なさそうに眮くのではなく。

自分の人生の䞭心に、眮き盎そうずしおいる。

それは、誰かの事情を無芖するこずではない。

呚囲を芋なくなるこずでもない。

ただ、自分の意志にも、ほかの誰かの意志ず同じだけの重さがあるず認めるこずだ。

私はこれが嫌だ。

私はこうしおほしい。

私はこれが欲しい。

私はこの人が奜きだ。

私は、こう生きたい。

それを衚明したからずいっお、誰かに叶えおもらえるわけではない。

盞手を埓わせおいいわけでもない。

けれど、叶うかどうかず、私の気持ちが存圚しおよいかどうかは、別の話なのだず思う。

欲しいず蚀っおもいい。

断られおも、私は私でいられる。

嫌だず蚀っおもいい。

それで盞手ず意芋が分かれおも、私の感芚が間違いになるわけではない。

誰かを理解するこずず、自分を埌回しにするこずは、同じではない。

もしかするず今、私は「有胜な調敎圹」の配圹から、少しず぀はみ出そうずしおいる。

欲望があっお、奜き嫌いがあっお、ずきどき栌奜悪くお、思いどおりにならないず傷぀く。

そんな、ひずりの人間ずしお衚に出ようずしおいる。

これは成長なのか、反動なのか。

ただ、よくわからない。

きっずしばらくは、出しすぎたり、匕っ蟌めすぎたりするのだず思う。

それでも最近は、この扱いにくい「わたし」を、もう䞀床きれいに奥ぞしたおうずは思わない。

ようやく出おきたのだ。

ここにいおもらおうず思う。




この文章が、䜕の圹に立぀のかはわからない。

誰かに䜕かを䌝えたいのか、どこかぞ導きたいのかず聞かれおも、うたく答えられない。

意味のあるこずしか、したくなかったわたしが
ふず思い立っお、こんなこずを曞いおみおいる。

今日は、圹に立぀かどうかを決める前に。

これも、ここに眮いおみようず思う。

いいなず思ったら応揎しよう