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Photo byosu_ellie

【詩】箱の中から

    temari

    子どもの頃
    世界はおうちから小学校まで
    歩いて片道15分
    おうちから公園まで
    歩いて片道10分
    時に両親と
    時にお友だちと
    一緒に歩く道だけが
    わたしの世界の全てだった
    大人になって
    どこまでも行ける気がして
    おうちを飛び出したけど
    あっという間に何十年
    気がつけばまた
    世界はおうちから仕事場まで
    歩いて片道20分
    電車に10分乗ってまた10分歩いて
    ひとり歩く道がわたしの世界
    それでもまだ
    小さな箱の中から
    じゃじゃーんと飛び出して
    まだ見ぬ世界を歩く自分を
    ひっそりと夢見ている
    春がめぐってくるたびに
    胸が痛くなるほど
    こっそりと夢見ている

     
     
     

    temari

     
     
    香川県生まれの神奈川育ち東京で暮らす50代。短歌や詩をつくっています。 ひっそり下手くそに生きています。見つけてくださってありがとう。読んでくださってありがとう。 励みになります。

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