
手術の日に生理が重なったら|手術室看護師が答えます
手術の日が近づいて、ふと気づいてしまった方へ。
生理と重なりそうだ。どうしよう。
そう思ったまま、誰にも聞けずにいる方は少なくないと思います。今日はその話をします。
私は手術室の看護師として、これまで5か所ほどの施設で働いてきました。ここは施設によってやり方が違う部分が大きいところです。一般的な話と、私が実際に見てきたことを混ぜながら書いていきます。
手術は、延期になるのでしょうか
まず、一番気にされているところから。
生理を理由に手術が延期になった場面に、私はほとんど出会ったことがありません。
予定どおり行われることが大半です。手術の内容や麻酔の方法によって対応が変わることはありますが、「生理だから中止」という判断は、まず聞きません。
ですので、そこはひとまず心配しなくて大丈夫です。
ただし婦人科系の手術の場合は必ず医師や看護師へ確認してくださいね。
その前に、下着の話をさせてください
ナプキンの前に、先に知っておいていただきたいことがあります。
手術のとき、下着をどうするかです。
ここは施設によってかなり違います。私が経験した範囲では、だいたい次の3つに分かれていました。
ご自分の下着のまま(パンツやサニタリーショーツ)
T字帯(ふんどしのような形のもの)
使い捨ての紙パンツ(パンツ型と、T字帯型があります)
どれになるかは、病院から事前に案内があるはずです。入院の説明のときに渡された紙を、もう一度見てみてください。
書かれていなければ、聞いてしまって構いません。
生理のときにどうするかも、この下着の種類によって変わってきます。
ナプキンは、いつ外すのか
手術室に入るときは、ナプキンをつけたままで問題ありません。もしT字帯の場合はナプキンがつけられないと思いますので、看護師へ伝えてご自身の下着を着用したいことを相談してください。手術室看護師でも病棟看護師でも問題ありません。
ナプキンを外すのは、麻酔で眠っていただいたあとです。
経血が多い場合は、ナプキンではなく手術室の吸水性のパットを使うことが多くなります。傷の手当てに使うくらいの、小さなものです。
手術の体勢や時間に合わせて、こちらで用意したものに替えさせていただく、という形です。
そして手術が終わったら、新しいナプキンをつけて病室に戻るようにします。
つまり、ご自分で何かをする場面はありません。
気づいたら終わっている、ということです。気にされなくても大丈夫です。
新しいナプキンを、一枚持ってきてください
もし余裕があれば、お願いしたいことがひとつだけあります。
新品のナプキンを準備していただけると、とても助かります。
使い慣れたものがあると、こちらとしても安心してお戻しできます。もちろん、ご用意がなくても大丈夫です。その場合は吸水性のパットをそのまま当てて戻ることが多いかと思います。
もうひとつ。手術のあと、しばらくベッドの上で安静にしていただく場合があります。
そのときは、横漏れを防ぐタイプのナプキンがあると安心だと思います。長い時間、同じ姿勢で過ごすことになるためです。
このあたりは、それぞれの手術室で工夫されているところでもあります。
タンポンは使用しないでください
これは、私自身が反省していることでもあります。
これまで、タンポンについて特にご案内してきませんでした。
でも、できれば手術の日はタンポンを使わないでいただきたいと思っています。理由は2つあります。
ひとつは、感染の心配です。手術と麻酔の時間によっては、長い時間そのままになってしまうことがあります。
もうひとつは、奥に入り込んで取れなくなる可能性があることです。眠っている間は、ご自分で気づくことができません。
手術の日は、ナプキンにしておいていただけるとありがたいです。
「誰が替えるんですか」
ここが、一番聞きにくいところだと思います。
対応するのは、看護師であることが多いです。
そして、もし女性の看護師がいいという希望があれば、担当の看護師にそう伝えていただいて構いません。
わがままではありません。言ってもらえたほうが、こちらも動きやすくなります。
言いにくければ、ご家族から伝えてもらっても、紙に書いて渡してもらっても大丈夫です。
おしっこの管のこと
手術によっては、尿道カテーテルという、おしっこを出すための管を入れることがあります。
生理中でも、普段どおり入れます。
感染に気をつけて清潔に行うのは、生理であってもなくても変わりません。生理だからといって、そこが特別に難しくなるということはないのです。
こちらも、麻酔で眠ったあとに行います。
言い出せないまま、当日を迎えそうな方へ
最後に、現場で感じていることを書きます。
実は、患者さんご自身から生理のことを聞かれることは、あまり多くありません。
言いにくいだろうと思っています。多くの場合、病棟の看護師から私たちに申し送られてくるか、手術の前にこちらからお聞きすることで分かります。
つまり、ご自分から切り出さなくても、たいていは伝わっています。
それでも、もし不安を抱えているなら、言ってしまったほうが早いです。
手術室で働く看護師も、その多くが女性です。
心配や不安を、自分のこととして分かる人間が、すぐそばにいます。
大きな問題にはなりません。だから、安心して相談してほしいと思っています。
手術の内容、麻酔の方法、手術にかかる時間によって、対応は変わります。ここに書いたことも、施設によってやり方が違う部分が多くあります。実際の判断は、手術室看護師、主治医や病棟看護師にご確認ください。
そのうえで、ひとつだけ。
もし今、聞けずに抱えているなら、当日の朝でも構いません。担当の看護師に、一言だけ伝えてみてください。
あなたが思っているほど、それは大きな問題ではありません。
手術室の中で実際に何が起きているかは、マガジン「手術室のドアの内側」にまとめています。手術を控えている方は、フォローしておくと次の記事が届きます。