
「不思議な出会い」
この世の中、不思議なことは本当に起こると思う。
ときどき私は、「誰か上で脚本を書いてない?」と思うことがある。
なぜなら、人生の節目には必ずと言っていいほど、自分を助けてくれる人が現れるからだ。
しかも私の場合、その人たちは決まって年上の女性である。
なぜなのかは分からない。
人生の配役を決める人がいるなら、きっとこう言っているのだろう。
「今回も年上女性でいきましょう」
と。
私は子どもの頃から身体が弱く、入院を何度も経験してきた。
入院中は体もしんどいし、気持ちも沈む。
そんなとき、不思議と隣に現れるのが年上の女性たちだった。
病室で話しかけてくれたり、
「今日は調子どう?」
と声をかけてくれたり。
本人たちは何気ない会話のつもりだったのだろうけれど、私はそのたびに救われていた。
不思議なのは、毎回違う人なのに、どこか似た雰囲気を持っていることだ。
安心感があって、あたたかくて、ちょっとお母さんみたいで。
まるで同じ事務所に所属しているかのようだった。
退院してしばらく経ち、日常が戻ってきた頃。
私は気分転換にジムへ通い始めた。
もう病院とは関係のない場所だ。
これで「人生の年上女性枠」ともお別れかな、と思っていた。
ところが、そうはいかなかった。
そこで出会ったのが79歳の女性だった。
79歳と聞くと驚くかもしれない。
私も驚いた。
だって私より元気だったからである。
颯爽とジムに通い、よく動き、よく笑う。
私は密かに「本当に79歳ですか?」と思っていた。
自然と話すようになった私は、自分の病気のことや入院生活のことを少しずつ話した。
すると彼女は、静かに話を聞きながら涙を流してくれた。
私はその姿を見て、胸がじんわり温かくなった。
ああ、この人もまた、私の人生に現れた「助けてくれる人」の一人なんだな、と。
振り返ると、私はひとりでここまで来たわけではなかった。
苦しいとき、つまずいたとき、その都度誰かが手を差し伸べてくれていた。
しかも決まって、少し先を生きている人生の先輩たちだ。
あの人たちは偶然現れたのだろうか。
それとも、そのときの私に必要だったから出会えたのだろうか。
答えは分からない。
でもひとつだけ確かなことがある。
私はこれまで何度も人に助けられてきた。
そしてきっと、これからも人生のどこかで不思議な出会いが待っている。
そのときは、助けられる側ではなく、誰かを支える側になっているかもしれない。
そう思うと、少し楽しみだ。
さて、次はどんな人生の先輩が現れるのだろう。
できれば、私より元気な80代くらいでお願いしたい。
あなたにも、そんな「不思議な出会い」はありませんか。