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Photo byyonemi_note

行く末 #毎週ショートショートnote【合格奇岩】

    Love the PTA Toshi Inuzuka

    「では受験生の皆様、お手にもった小石を池の中央に位置する岩に一斉に投げつけて下さい。合格への熱意を込めて!せ~の~はい!」

     一斉に小石が岩に投げ当てられる。この地で伝わる合格祈願の風習だ。当てられる岩は何百年も石を投げつけられ岩肌はボコボコだ。人々はいつからかこの岩を「合格奇岩」と呼ぶようになった。

    「しかしなんでこんな風習が伝わっているの?」
    「さあ~それはわからんけど、ご利益は相当あるそうよ」
    「へぇ」
    「国立大学合格率は98%。私立大は100%だってさ」
    「予備校の宣伝文句か! それって何調べ?」
    「ここの神社調べじゃない?」
    「まあ、神頼みの時点で文句言えないよね」
    「縁起担ぎだからね」

    「お守りはいかがですか」巫女さんから声を掛けられる。
    「お守り?」
    「はい、合格奇岩の破片が中に入っておりまして」
    「それってご利益あるんですか?」
    「それはもうあなたの人生の代わりに岩が先に木っ端みじんになってますからねぇ~」

     縁起よくねぇし……

    (本文410文字 字下げ空白除く)


    田原にかさんの毎週ショートショートnote今週のお題「合格奇岩」に参加させていただきました。

    自分の受験の時に合格祈願とかしたかなあと思い返してみるのだけれど、したような気もするし、してないような気もする。そうか。私は学生の時からいいかげんだったのだという結論を得て、妙に納得感があります。人生なるようになるもんです。だからと言って受験生の皆様や親御さんご親戚の方にそう主張するわけではございません。頑張ってくださいませ。未来のために。

     
     
     
    兵庫県神戸市在住の60代の非正規雇用労働者。オス。これぞという作品を書き上げてから死にたい派。SS、ナンセンス系とか書いてますけどほんとは純文学派。親愛コメントを放つ場合あり。現在一部狂信的読者に支えられ『ケケケのトシロー』シリーズを連載中。ハンドルネームのPTAは学校関係なし。

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