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罪と罰#毎週ショートショートnote【古墳症】

    Love the PTA Toshi Inuzuka

    「仕方ないじゃない」
     彼女は溢れる感情をぼとぼとと落とした。
    そして吐露することではなく壊れた感情を見せつけることで男に復讐をする。

    「あなたの罪がどれだけのものか未来永劫恐れるのよ」

     そう言って彼女は消えた。彼女がいたあとに残されたものは素焼きの埴輪。

     その数、数千体。男はそれを毎日埋めた。
    彼女が笑ったり怒ったりした顔を模した埴輪。
    男は懺悔しながら埋めるのだ。

     ようやくすべてを埋めきった翌年、男は気づく。
    埴輪を埋めたあとに樹が育ち始めたこと。
    そして数年でそこは何千もの樹木が育ち墳墓の様相を見せつけていた。

     男は死ぬまで離れず墓守のように過ごした。

     そしてその樹々から素焼きの粉のようなものが毎年春に舞った。
    人々は彼女の悲しみを映すように涙を鼻水をながす。
    俗に言う古墳症の最古の文献での一節だ。

    「だからここらでは花粉症ってのはないのよ」町医者がいう。
    「ところで先生、そいつなにしでかしたの?」

    「さあ?」医者は口を丸くしてとぼけた。

    (本文410文字 字下げ空白除く)


    ギリギリ投稿すみません。

    今週もこれだけです。
    早く調子を戻したいけど焦らずに。


     
     
     
    兵庫県神戸市在住の60代の非正規雇用労働者。オス。これぞという作品を書き上げてから死にたい派。SS、ナンセンス系とか書いてますけどほんとは純文学派。親愛コメントを放つ場合あり。現在一部狂信的読者に支えられ『ケケケのトシロー』シリーズを連載中。ハンドルネームのPTAは学校関係なし。

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