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「“名前を呼ばれる”って、こんなに嬉しいんだ」〜心が通ったと思えた、小さな瞬間①〜


    シリーズ「心が通ったと思えた、小さな瞬間」の第1話です。
    全3話でお届けしますね。

    はじめに

    「人の名前を呼ぶこと」
    それは思っている以上に、私には勇気がいることだった。

    だからこそ、
    自分の名前を呼んでもらえたときの、あの“あたたかさ”が忘れられない。


    ① 名前を呼ぶのが、ずっとこわかった

    小さいころから、人にどう呼びかけていいかわからなかった。
    友達同士で呼び捨てにしていても、私にはできなかった。

    「なんて呼べばいいんだろう」
    「呼び方、変だったらどうしよう」
    そんなふうに思って、声をかけるときはいつも
    「ねぇ」「あの〜」でごまかしていた。

    あいさつも同じ。
    「おはよう」と言うだけと、
    「〇〇さん、おはよう」と名前を添えるのとでは、
    伝わり方が違うことを、なんとなく感じていた。


    ② 名前を呼ばれたとき、自分の存在が認められた気がした

    あるとき、話しかけるのが自然にできる人が、
    ふとした会話の中で「まゆこさん、ありがとうね」って言ってくれた。

    たったそれだけなのに、胸の奥がじんわりして、
    うれしくて、ちょっと泣きそうになった。

    「ありがとう」と言われることはあっても、
    そこに“私の名前”がつくだけで、
    その言葉がしっかりと“自分に向けて”届いたような気がした。

    今まで「ここにいてもいいのかな」と思っていた場所で、
    その言葉だけで「いてもいい」と肯定されたような、
    そんな感覚になった。


    ③ 名前には、気持ちを届ける力がある

    名前を呼ぶのは、私にとってはハードルが高かった。
    でも、名前を呼ばれることは、思っていた以上に力をくれるものだった。

    名前には、
    「ちゃんとあなたを見てるよ」
    「あなたに伝えたいんだよ」
    そんな気持ちが宿っているのかもしれない。

    今の私は、「〇〇さん、おはよう」と自然に言えるようになった。
    あのときもらったあたたかさを、
    今度は自分の言葉として返していけたらいいなと思っている。


    おわりに

    名前を呼ばれるだけで、心が動くことがある。
    それはきっと、
    「私はここにいていい」と
    そっと背中を押してもらえる瞬間なんだと思う。

    あなたにも、そんな名前の呼ばれ方がありますように。

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