
私だけじゃないって、わかってる #4
その日は雨だった。
終電近く。
駅まで行ったけど、
運悪く電車が止まっていた。
「うわ、最悪」
「少し待つ?」
駅近くの小さな公園。
屋根のあるベンチ。
寒くて、
なんとなく距離が近かった。
「寒い」
「貸そうか?」
そう言って、
彼が上着を少し肩にかけてくれる。
近い。
シャンプーの匂い。
やばい。
好きになっちゃダメ。
彼女いるのに。
「〇〇ちゃんさ」
「はい?」
「変な男に引っかかりそう」
「えー、失礼」
「いや、なんか心配になる笑」
そう言いながら、
彼は少しだけこっちを見た。
「今も、結構危ないし」
「え?」
気づいた時には、
距離が近かった。
近すぎて、
息が止まりそうだった。
「……勘違いする?」
小さな声。
でも、
離れられなかった。
次の瞬間、
軽く唇が触れた。