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歌詞作品

    「東京」

    寂しければ朝も来ない
    それはそれで都合がいい
    何となく長電話して時間を潰す 皆そうだよ
    何が在るでも無いでもなく
    そういう所さ 此処は

    着るのをやめたスーツをたたみ
    卒業証書と切符 眺めて
    狭いアパートも胸の内も片付かないまま
    行ってしまうの?
    蓋のできない荷造りならいっそ捨ててしまおうか

    悲しい恋と諦めた夢
    心深く傷つけた

    こんな街にも桜が花を咲かせるんだよ

    君が帰る故郷 海の町と比べたら
    確かに窮屈かもしれないでもね
    思い出一つくらい
    連れて帰って欲しいんだ
    みんなを引き合わせた東京の

    無理矢理詰めた段ボールに涙で封をしたのなら
    何となく片付いた部屋に
    立ち上がり歯を食いしばった
    住んでわかった私の都はここでは無いって事が

    前線は北へ 君は南へ
    すれ違う頃には

    こんな街にもサクラが花を咲かせるんだよ

    君が帰る故郷 海の町と比べたら
    確かに窮屈かもしれないでもね
    思い出一つくらい
    連れて帰って欲しいんだ
    みんなを引き合わせた東京の


    「水色の朝」

    ああ 今日は世界が少しだけ
    ああ 何故か透き通って見える

    誰かが悲しみを手渡そうとしてきても
    君が受け取る理由はないよ

    ああ いつも思うことひとつ
    ああ 誰とも争わなくていい

    何処かで悲しみが
    はじける音がする
    君がそれを聞く理由はないよ

    夜から逃れた水色の朝
    瞳を伏せ全てをやり過ごせばいい
    僕らに迷いを突きつける朝
    心を閉じたらやり過ごせばいいから

    そぅ きっと人は気がつかない
    そぅ もっと自分を守ればいい

    誰もがこの朝の綺麗な色の中
    眠たそうに動き出す

    夜から逃れた水色の朝
    瞳を伏せ全てをやり過ごせばいい
    僕らに迷いを突きつける朝
    心を閉じたらやり過ごせばいいから



    「サーフライダーレクイエム」

    彼女は穏やかな海が好き
    帰らぬ彼の思い出は辛いけど

    彼女は毎日を大切にする
    無常な日常を恨むなんてしない
    波間に見えた面影に足を止め
    溜息ついてしまう様な自分は嫌い

    それでも眠れぬ夜が襲う そんな時いつも
    彼を乗せずに流れ着いたサーフボード見つめて
    悲しい波を乗りこなせば きっとあの人も
    私に惚れ直すはずよって 強がって見せる

    朝日も夕焼けも星空も
    今この瞬間を飾る儚い物だから
    その美しさに気づける自分でありたいと
    胸の奥で強く強くそう思ってる

    それでも眠れぬ夜が襲う そんな時いつも
    彼を乗せずに流れ着いたサーフボード見つめて
    悲しい波を乗りこなせば きっとあの人も
    私に惚れ直すはずよって 強がって見せる

    夢でも良いから会いに来てなんて言わない
    大好きな海に抱かれて静かにおやすみなさい

    でももし彼女の祈りが彼に届いたのなら
    楽しい海で悲しい思いをしてしまう人が
    これ以上増えないように海に頼んでほしい
    大丈夫きっとそれぐらいのわがままなら言えるさ

    彼女は穏やかな海が好き
    その海を愛してた彼が好き





    「メロス」

    忍び込んだ真夜中のプール
    蹴り破った緑のフェンス
    そして心にも
    同じ様な穴が空いてた

    握り締めた拳を解くような
    柔らかな素直さは無い
    だって その穴に
    いつも吸い込まれて消える

    だから僕たちは 息を潜めて浮かんでいるだけで
    プールサイドにも辿り着けない そんな日々続く

    制服のポケットに丸めた文庫本 
    栞を挟んだクライマックス
    打ちひしがれて膝をつく
    このままページを進めないのか
    諦めたメロスなんか見たくないだろ?

    僕よ僕よ走らなければ
    夕日よりも早く走れよ
    照らされた果実はすぐに傷んでしまうから

    僕よ僕よ走らなければ
    夕日よりも早く走れよ
    伸びてゆく自分の影を振り切るように

    制服のポケットに丸めた文庫本
    疼きだしたクライマックス
    栞は捨てた ページをめくれ
    止めちゃいけないストーリーなんだ
    諦めたメロスなんか見たくないだろ?

    僕よ僕よ走らなければ
    夕日よりも早く走れよ
    照らされた果実はすぐに傷んでしまうから

    僕よ僕よ走らなければ
    夕日よりも早く走れよ
    伸びてゆく自分の影を振り切るように

    #創作大賞2026 #オールカテゴリ部門

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