
ももくんのおはなし

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ある台風の日でした。
雨がたくさん降っていました。
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高校生だったママは
どこからか聞こえる
「にゃー にゃー」
という声に気がつきました。
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家の裏へ行くと、
そこには
うまれたての
6匹の子猫がいました。
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雨にぬれて
弱ってしまいそうだったので、
発泡スチロールの箱に
新聞紙を敷きました。

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きっとお母さん猫がいる。
そう思って
しばらく見守りました。
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すると、
お母さん猫がやってきて
子猫を運び始めました。
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1匹。
2匹。
3匹。
4匹。
5匹。
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でも、
最後の1匹だけは
残ったままでした。
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お母さん猫は
ちらっと
こちらを見ました。
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「置いていくよ」
だったのかな。
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「この子をお願い」
だったのかな。
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それは今も
わかりません。
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一晩待ったけれど
お母さん猫は
戻ってきませんでした。
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だから
家族になりました。
名前は
ももくん。
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こねこが見たいと
友だちが来ました。
驚いたももくんは、
私の右手に噛みつきました。
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友だちが帰ったあと、
咬まれた傷に
絆創膏を貼りました。
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ももくんは
ひざに飛び乗り
ママの手の傷の近くを
ペロペロとなめました。
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まるで、
ごめんね。って
言っているようでした。
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ももくんは
大きくなりました。
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よく食べて
よく眠って
ときどきいたずらをしました。
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ももくんは
お散歩が大好きでした。
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ある日は
ブロック塀の上で
香箱座り。
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別の日は
帰り道の公園で
走っているのを
見かけました。
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お散歩が大好きなももくんは
知らない人のお家の
ベランダで
パンをもらっていました。
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ときどき
家に帰って来なかったのは、
そのお家に居たからだと
わかりました。
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ショックでした。
だから
首輪をつけて
「ももくん」と
黒マジックで
名前を書きました。
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ももくんは
家の周りを散歩するように
なりました。
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いつも
みんなのそばにいました。
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気がつくと
家族の真ん中には
ももくんがいました。
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それから
たくさんの月日が流れました。
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ある日、
娘が絵を描きました。
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ももくん。
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ぶら〜
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娘は
ももくんのお話が大好きです。
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ももくんのお話を聞くと
安心して眠ります。
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ももくんは
台風の日にやってきました。
そして今も
家族に幸せを運んでくれています。
おしまい。

