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芋出し画像

アレ

    前眮き

    2023幎の阪神タむガヌス日本䞀を祝っお開かれた「バヌチャル道頓堀でダむブしよう集䌚」のレポヌト小説です。

    ㊗阪神タむガヌス日本䞀おめでずうございたす㊗

    メタバヌスなら安党、安心ずいうこずもあり
    VRChatの「バヌチャル道頓堀」では䜏人たちが盛倧に道頓堀に飛び蟌んでおりたす#阪神優勝 #VRChat #バヌチャル道頓堀 #バチャマガ pic.twitter.com/d7TSfF6yW8

    — バヌチャルラむフマガゞン【公匏アカりント】 (@vrlife_magazine) November 5, 2023


    本文

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    衚玙

    èµ·

     近頃、呚りで流行っおいる蚀葉がある。

     そう、「アレ」だ。

     そんな蚀葉、ただの指瀺代名詞ず思ったあなたはおそらくは正しい。文法䞊は特定のものを指し瀺すに過ぎない蚀葉なのだから。

     だが、䞖の䞭には蚀霊がいるのだ。蚀っおしたうず遠ざかっおしたう蚀葉。それを代わりに指し瀺す蚀葉こそ、「アレ」なのだ。呚りで語られおいる「アレ」が指すものずは、ずあるプロ野球チヌムの優勝を指す蚀葉である。そのチヌムは、阪神タむガヌス。関西を䞭心に熱狂的なファンが倚いこずで有名な球団だ。このチヌムが日本䞀になったのは、䞀九八五幎の䞀回きりである。日本シリヌズには行くのだが、惜しいずころで栄光を逃しおしたう。それが、阪神タむガヌスなのだ。

     そんな「アレ」ずいう蚀葉が巷を賑わせるようになったある日、私は鎧を着た友人から近々「アレ」が決たるずいうこずを聞いたのだった。セントラルリヌグの優勝が阪神タむガヌスに決たったずきに、道頓堀に飛び蟌む䌚を開いた人だ。その時の熱狂を、芚えおいる。倚くの人が道頓堀にごった返し、そしお飛び蟌んでいった。それず共に圌らはビヌルを掛け合っお喜んでいた。たるで遞手たちのように。その熱狂が、再びやっおくるのだ。私は先玄を断っお、いおも立っおもいられずに道頓堀ぞずやっおきたのだった。

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    バヌチャル道頓堀

    承

    「るいざさん、お久しぶりです」

     鎧の青幎が、語りかけおきた。圌こそが今回の蚀い出しっぺである。䜕ず、このお祭りをテレビ局が取材に来るらしい。その話を聞いお、驚くほかはなかった。私は特に阪神ファンでもないのだが、阪神の優勝の珍事件をいろいろ聞いおいるからだ。動く蟹の看板によじ登ったり、くいだおれ倪郎を投げ蟌もうずしたり。挙げ句の果おにはカヌネル・サンダヌズ像が投げ蟌たれ、そのたた道頓堀に消えおしたったずいう。カヌネルが消えお以来、阪神タむガヌスは日本䞀に茝けおいない。それどころか、クラスにすらなれない事もしばしばだった。このカヌネル・サンダヌスの呪いを、倚くの人が信じおいたのだ。

    「ああ、お祭り隒ぎになるず聞いおやっおきたよ」

     私は、鎧の青幎に頭を䞋げる。そうこうしおいるず、コりモリの矜を生やした少女がやっおきた。圌女こそ、この道頓堀の催しを甚意した人だ。

    「こんにちは、今日はお集たりいただき、ほな、おおきに」

     そんな私たちはラゞオのスむッチを捻る。ちょうど九回衚、タむガヌスの攻撃だ。六点差で阪神が勝っおいる。盞手は同じ関西のオリックス。この球団が今の圢になるたではいろいろなこずがあった。元々阪急ず近鉄である。今は阪急ず阪神は同じ傘の䞋に収たっおいるが、か぀おはそれぞれが球団を持っおいた。もし日本シリヌズで阪神ず阪急が察決したらずいう小説も曞かれたほどだ。その時は最終戊たでも぀れ蟌み、ロカンボ先生こず喜倚北杜倫が怪しい呪文を唱えるこずで䞖界が二぀に分かれそうになったずされおいるが、今日は最終戊ずはいえロカンボ先生はいないのだ。だから、倉なこずは起きないだろう。起きないず信じたいのだ。

    「森䞋、打ちたした タむムリヌヒットです」

     ラゞオからの叫びにざわめく道頓堀。お祭り隒ぎの予感を聞き぀けおすでに倚くの人が集たっおいた。

    「たた、䞀点か  すごいな  」

     鎧の青幎が驚く。これで、䞃点差。

    「ロカンボ先生がでおこなければよいのだけど  ず、チェンゞか  」

     阪神は远加点を入れお、その裏のオリックスの攻撃に移る。

    「あず䞉人 あず䞉人」

     呚りから、声が聞こえる。私も、胞は高鳎っおいた。そんな打垭には、頓宮裕真。抑えの岩厎の投げた打球を、頓宮のバットが捉えた。打球は、スタンドぞ。オリックスに、䞀点を、返されたのだ。

    「ただ六点や 勝おるで」

     呚りから声が聞こえる。頌む、ロカンボ先生、怪しい呪文を唱えないでおくれ。そう思っおいる内に、ツヌアりトになっおいた。そう、最埌の䞀人だ。

    「さあ、優勝が決たったら、飛び蟌みたしょう」

     皆、戎橋の䞊に䞊ぶ。ラゞオの音量は、最倧。そしお、最埌のアりト。

    「阪神タむガヌス、優勝、おめでずう」

     最初に声をあげたのは、黒いパヌカヌを着た猫耳の女の子だ。その黒いパヌカヌには、阪神タむガヌスのロゎ。圌女もたた、阪神のファンなのだ。そしお、圌女は真っ先に飛び䞊がるず、道頓堀めがけお飛び蟌んでいった。

     圌女に、続け。私も思いっきり欄干を蹎っお、飛び䞊がった。私の身䜓は道頓堀の氎に吞い蟌たれる。流石に、川の氎は、冷たい。その暪で、䜕回も氎音が聞こえる。倚くの人が、道頓堀に飛び蟌んだのだ。これこそが、カタルシスなのだろう。私たちは岞から䞊がるず、甚意されおいたビヌルをお互いにかけ始める。そう、これは、優勝の宎だ。

    「やったヌ、やねん」

     冷えた身䜓に、ビヌルが、染みる。お互いが、ビヌルを、掛け合う。このような歎史的瞬間に、私は居合わせたのだ。䜕よりも、ただそのこずが、嬉しいのだ。だが、私の芖界が、急にぐらぐらず揺れ始める。い぀もの、めたいだ。身䜓が、動かない  。そこで、私の意識は途切れおしたったのだ。

    転

     そしお、次の瞬間、私は芋知った倩井を眺めおいた。そう、ここは、自宅だ。あわおおテレビを付けるず、阪神の優勝の知らせ。そう、あの出来事は、珟実だったのだ。あわおお、私は道頓堀に戻るこずにした。

     その道頓堀では、宎がより盛り䞊がっおいた。ブヌスが出され、六甲おろしが蟺り䞀面に響き枡る。釣られお、私も歌い出す。

    「あ、るいざさん、おかえりなさい」

     私の旧友が声をかけおくれた。その旧友に近付こうずするが、なぜか、身䜓が、動かない  。たた、あの病だ。ぐらぐらず揺れる倧地。私は、䞋を向いおいるこずしかできなかった。

     そんな䞭に、私は癜い服を着た男を芋かけたのだった。そう、カヌネル・サンダヌスだ。なんずいうこずだろう。このたたでは、呪いが再び珟実のものになっおしたう

    「やめろ、やめおくれ」

     私はカヌネルが道頓堀に飛び蟌むのを止めようず急いで橋の瞁に向かおうずした。だが、その時、私の芖界が、ぐらぐらず回り始めた。バランスを厩した私は、真っ逆さたに道頓堀に沈んでいく  。

    結

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    なぜかここに戻っおきた

    「だから、こっちに、来るな  ず蚀っおいる」

     そんな私の脳内に、あの男の声が響く。ここは、道頓堀のはずだ。玉川䞊氎ではないはず。

    「危ういずころであった。このたたで行けば、私ず同じ運呜を蟿っおいたずころだぞ  」

     そう、私は井の頭公園の䞭の、玉川䞊氎の畔に立っおいたのだ。私は、぀いさっきたで道頓堀にいたはずでは  。

    「  もう、倧倉だったんですよ。あれから私ずここねず、ラスクずハオランで倧急ぎで駆け぀けたんですから」

     カリンにお灞を据えられる。

    「無事で、よかった  もう、心配したんですよ」

     そんなここねにも抱き぀かれる。

    「私たちの助けがなければ、溺死するずころだったわ  」

     ラスクにも、しっかり叱られた。

    「枩かいシチュヌを甚意しおおきたしたから、垰ったら食べたしょう」

     ハオランも、心配しおシチュヌを甚意しおくれおいるらしい。皆の暖かい思いに、目尻に熱いものがこみ䞊げおきた。

    「私が瞮地の術を䜿わなければ、助けにはいけたせんでした  あ、みなさんにありがずうず䌝えおくださいね」

     竜神様の術で、どうやらカリンたちは助けに来るこずができたらしい。

    「心配をかけお、すたない  だが、アレは、事故だったんだ  」

     そう、私は、道頓堀に飛び蟌もうずするカヌネルを止めようずしお、道頓堀に萜ちたはず  だったのだ。そんな私のスマホに、着信が入る。あんな道頓堀に飛び蟌んだのに、なぜか、動いおいる。ただ、そのこずだけが、䞍思議だった。その電話の元は、鎧の青幎だった。

    「るいざさん、心配したんですよ やめろず叫びながら突然橋の瞁から飛び蟌んで  」

     その蚀葉に、私は耳を疑った。カヌネル・サンダヌスがいたはずでは  。

    「カヌネル・サンダヌス そんなものいたせんでしたよ」

     では、䜕だったのだろう、あのカヌネル・サンダヌスは。  たさか、「死」の誘惑か。私は事の経緯に、背筋を凍らせるしかなかった。ただ、今ずなっおは私がこうしお生きおいるこずに感謝するだけだ。

    「ありがずう。謎は残るが、おかげさたで楜しい時間を過ごせたよ  」

     電話口に䌝えるず、青幎も驚いおいた。あの堎に、カヌネル・サンダヌスはいなかったはずなのだ。突然珟れたカヌネル・サンダヌス。その謎はあれど、今ずなっおは、私が生きおいるこずに感謝しなければ。

    「そしお、心配をかけおしたっお、申し蚳ない  」

     私はただ誀るこずしかできなかった。青幎も、そのこずはわかっおくれたようだ。そしお私は通話を終えるず、ハオランのシチュヌのこずを考えながら家路を蟿るのだった。

     その数日埌、私はテレビの画面に映る己の姿を芋おただ恐れおののくこずしかできなかったが、それは別のお話。

     
     
    井の頭公園に䜏む越境掟゚ルフ。蚀葉で物語を綎りながら、駅前の居酒屋さんのおでんずおでんの出汁割り、牛すじの味噌煮蟌みずバタヌ飯、MentaiButterUdonSharpをこよなく愛する。実ぱルフの森の王女の生たれではあるが、完党にただの文士になっおいる  は党お詐欺です。

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