【掌編らしきもの】別れの言葉
あなたへ。
あなたは、いつも人を笑わせてくれる人でした。
いつも太陽みたいにニッコニコで、
その明るさが、たまに少しだけ暑苦しくなって、
私が離れたこともありました。
それでもあなたは、落ち込みがちで、考え込みがちな私に、
「ほら、こんなものもあるよ」
と言い続けてくれました。
私に合わせて、
一度も説明せずに。
それに気がついたとき、私は思いました。
この人のそばに生まれることができて、
本当によかったな、と。
まさか、あなたが私を置いていくなんて、
思ってもいませんでした。
けれど、ちょっとだけ待っていてください。
あなたがくれた温かさは、
今もずっと胸に残っています。
これが燃え尽きるのは、
きっと、ずっと先のことでしょう。
だから、私は耐えられます。
でも、ずっとではありません。
私のお役目が終わったら、
またそこに、温かさをください。
たぶん、言わなくても、
あなたはくれるのでしょうけど。
ありがとう。
ちょっとだけ、待っていてくださいね。