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何も起きなかった日

    現場と経営のあいだ

    借りた本。

    魔法使いになった猫から借りたものだ。

    少年は、その本を何度も読んだ。

    『失敗した日』
    『友達と喧嘩をした日』
    『誰かが困った日』

    その日に何が起き、
    なぜそうなったのかが書いてあった。


    でも少年が知りたかったのは、

    『何も起きなかった日』

    そのページには、何も書かれていなかった。

    それでも少年は毎日、たくさんのページを読んだ。

    ある夜。

    月明かりの下でページを開くと、

    空白ページに、小さな文字が浮かびあがった。

    ・誰かが準備した。
    ・誰かが声をかけた。
    ・誰かが少し待った。

    文字は、次々と増えていった。

    少年が顔を上げると、

    窓の外では、月に照らされた花が地平まで広がっていた。

    もう一度、本に目を落とす。

    何も起きなかった日のページが、

    いちばん文字で埋まっていた。


    『3つのお題に空想のひらめきを』×『お題で書きはじめるnote企画』

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    (※現場の違和感を、YouTubeショートでも発信しています。)

    (※MBAの授業内容をまとめています。)

    #3つのお題に空想のひらめきを
    #シロクマ文芸部
    #ショートショートnote
    #現場と経営のあいだ

     
     
     
    大学施設管理の現場責任者。現場で生まれる小さな違和感を、組織が判断できる言葉へ翻訳します。現場知、情報共有、責任と権限、予防保全を中心に考えます。組織や社会構造のズレは、ときどきショートショートにも。

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