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぀きのこども⑚ 〈䞉日月ずおわかれ、それから〉


    ・・・・・

    あらすじ

    森に暮らすポノポ。
    ポノポず䞀緒に暮らす仲間たち䜕人かが、ある日冷たさに凍える病気になりたす。
    仲間を助けよう、そう決意したポノポたちはそれず同時に自分たちに昔の蚘憶がひず぀もないずいうこずに気づきたす。
    深い森の䞭で出䌚った叀い朚の粟に聞いた、“おずな”である王さたに仲間の病気を治しおもらおう、自分たちがどこからきた“こども”なのかを教えおもらおう、ず生たれお初めおの旅に出たす。
    奇劙な生き物、氎晶の山、倧きな癜い犬、出䌚うものすべおが新しい。
    その旅の終わり、ポノポたちは王さたに出䌚い、知るのです。

    ・・・・・


        䞉日月ずおわかれ、それから


     い぀のたにか日が暮れおいたした。
     明るかった郚屋は、薄暗くなっおいたした。
     月の石をたたえた池は、静かな矀青色をしおいたす。
     い぀もの、本が読めるほどの明るい月の光を感じたせんでした。

     みんなはおそるおそる窓蟺に行きたした。そしお空を芋䞊げたした。
     空には優しい光が笑っおいるような月がいたした。
     サアダにはわかりたした。䞉日月です
     初めお芋るたぶしくない月でした。い぀たでも眺めおいたいず思わせる现くお甘い光でした。
    「月が现い」
    「これじゃ本は読めないね。」
    「倜䞭にトむレに行くずきこわいなあ。」
     驚いた気持ちず初めお芋る金色の现い月に、どきどきしたした。
     ポノポは、その月の小さな最埌の぀ぶやきを受け取りたした。

     うっすらず光を受ける窓蟺で、サアダはポノポの姿を芋぀めおいたした。
     本の衚玙の王劃に䌌た倧人のポノポが立っおいたした。
     でも、サアダはもう驚きたせんでした。ずっず感じおいた予感が珟実になっおしたっただけなのです。
     ヒむロもモアネも、ポノポの姿に気が付きたした。
     キクリずククリは口を開けお芋おいたす。カルは、そばに行っおポノポの顔を芋䞊げおいたす。「月が、元に戻ったんだよ。満ちお欠けお、姿を倉えおいくのが本圓なんだ。」
     ポノポは、月を芋ながら蚀いたした。
    「今、いろんなこずを思い出したの。」
     思い出すように目を閉じたした。
    「みんなのこずを芋おいおあげお。そばにいお想っおいおあげお。ある倜に月の声が聞こえた。」
     现い䞉日月を芋䞊げお、ポノポは話したす。

    「そうしお、サアダの家を芋぀けおベッドにもぐりこんだ。それからずっずみんなず䞀緒にいる。」
     モアネはうっすらず、ポノポが突然珟れた日のこずを思い出したような気がしたした。ある気持ちのよい朝、仕事に行く列ににこにこしながら初めたしおもなしに、おはようず声をかけおきたやさしい顔。その光景を絶察に忘れたくないず思いたした。

     ポノポは続けたす。
    「王様が話しおいたこずを、わたしは憶えおいた。お母さんを恋しがっお泣く子どもの声も、ふわふわの髪の毛をなでおあげたこずも。」
     ポノポは、自分の倧人になった手のひらをながめながら、その感觊を思い出すかのように䞡の手を合わせたした。
    「みんながこの月を目芚めさせる人たちだったから、わたしはみんなのずころぞ来たんだ。今ならそれがわかる。」
     カルずククリは顔を芋合わせお、埗意げに力こぶを䜜っお笑いたした。
     キクリはそんなふたりを軜く蹎っおふざけたした。
     サアダだけは、ポノポが䜕を蚀うのか少しわかりかけおいたした。泣くのをこらえるためにずっず倖を芋おいたす。
    「これから、たくさん倉わっおいくよ。みんな、きっずもっず背が䌞びる。今着おいる服が小さくなるから倧倉だよ。ククリはズボンのお尻をやぶらないようにね。ヒむロは今はいおいる靎がもう小さく感じはじめおいるかも。」
    「そうなのこんなの初めおだよ。」
     ヒむロはトントンず足ぶみしながら蚀いたした。

    「王さたは王劃さたのいる空に垰っおいった。だからこのお城で誰かが、今は倧人のいないこの囜のこずを、王さたず王劃さたがみんなのために考えおいたこずをやらなければいけない。わたしはそのために、みんなずここにやっおきたのだず分かった。」
     サアダはポノポの顔を芋たした。
    「わたしはみんなずは戻らない。」
     ククリはびっくりしお池に萜ちそうになりたした。
     モアネは怒ったような顔をしおポノポを芋おいたす。
    「そんなのは絶察にいやだ。あの森ぞ、䞀緒に垰ろう。」
     ヒむロはポノポの手を匕っ匵りたす。
     長い指でその手をにぎりかえしながら、ポノポはヒむロの顔をのぞき蟌みたした。そうしおみんなに向き盎したした。
    「わたしはここで、王さたず王劃さたの想いず䞀緒にいる。子どものこずを想っおいた倧人の想いず䞀緒にいる。みんなが倧人になっお、奜きな人ず䞀緒に幞せに暮らせるように、かわいい子どもず過ごせるように、わたしはここでやるこずがたくさんある。」
     ポノポはすっかり倧人になった声で蚀いたした。
     さびしくはないよ、自分のやるこずがはっきりわかった、そんな気持ちがみんなに䌝わる声でした。


     い぀からか思い出せないけれど、ずっず䞀緒にいたみんなずお別れを蚀いたした。モアネは最埌たで口をききたせんでした。ククリは心なしか倧きくなった手でポノポの背䞭をずっずなでおいたした。
     サアダずしっかりず抱きしめあっお送り出したあず、ポノポは静かに王ず王劃の間の扉を閉めたした。

     窓蟺に近寄り、静かに埮笑む月に話しかけたした。
    「無事にみんなをおうちに垰したよ。」
     もうそんなに倧きくない癜い犬は、ポノポの足もずで静かに眠っおいたす。

     そのころ、どこかの深い森の奥で叀い倧きな朚がゆっくりず倒れたした。きらきらず光る灰になっお空に消えおいきたした。


     それから䜕床も季節はめぐっおきたした。
     月はその姿を倉えながら、䞖界を静かに照らしおいたす。
     森に戻ったサアダたちは、畑にたくさんの野菜や果物を怍えたした。広堎にはかわいい花をあふれるほど咲かせたした。
     ダギやにわずりを庭で飌い、毎日忙しくお、でも笑いの絶えない生掻を送りたした。
     そうしおみんな倧人になっお、倧切な人ず出䌚い、かわいい子䟛を授かりたした。
     森の村は、い぀しかたくさんの人が䜏む街になりたした。

     この囜で育぀子どもたちが決たっお眠る前に読んでもらう本がありたす。
     仲間を助けるために冒険をする勇気あるこどもたち、みんなのためにがんばる女の子、わくわくしお、そしお最埌にはやさしい気持ちで眠るこずができるおはなしです。
     本の衚には、髪の長い女の子ず倧きな癜い犬が描かれおいたす。
     「぀きのこども」
     たしか、そんな題名の本でした。

     
     

    chino.

     
     
    こずばを玡ぐこずが奜きです。 物語も、日々のこずも、少しず぀ゆっくりず。

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