
会話は“言葉”ではなく“心”のやり取り ― 助け合い、協力し合うための会話とは
会話力って大事ですよね。人との関係は、会話力が握ってます。
言葉をどう冷静に素直に受け止めるか、
言葉をどう伝えれば相手が温かく優しく感じるか、
会話力は介護や引きこもりのサポートでは、大事な鍵を握っている気がします。
ちなみに、母の認知症介護では、言葉の受け取り方、伝う方を変えることで、母は穏やかになりました。
相手の言葉を否定的にとらえれば人間不信になります。
また、考えずに言った一言で、人間関係が壊れます。
なお、“言霊”といわれるように、言葉を発するときの心の状態が、言葉に含まれて出ていきます。
だから、言葉そのものより、穏やかで相手のことをいかに考えていたかが、大事ですね。
その為には、“思いやり”が基本になる気がします。
実は、会話力の乏しさ、大切さを、引きこもりの娘から日々教えられています。娘の私に対する言葉です。
①いつも否定している!
②話す言葉が強烈過ぎて伝わらない!
③言い方がきつすぎる、優しく言えないの!
④人の話をよく聴いていない!
思うんですよね、これだけ、ビシビシ厳しく言われたことありません。でも、他人なら怒れても、娘には怒れません。日々、会話力を修行中です。
■相手に伝わる情報、言葉は7%のみ、表情、声のスピードなどが大事!
コミュニケーションの「7-38-55の法則」
心理学者のメラビアンが提唱した法則によると、相手に伝わる情報の割合は以下の通りです。
視覚情報(55%)、聴覚情報(38%)、言語情報(7%)
なんと、言葉自体より、表情、声のトーン、話すスピードなどが、より多く伝わるんですね。
穏やかな表情、優しい話し方、落ち着いたスピードの方が鍵を握っています。
視覚情報(55%)
表情、視線、姿勢、身振り手振り
聴覚情報(38%)
声のトーン(高低)、声の大きさ、話すテンポ・スピード
言語情報(7%)話している言葉そのもの
視覚情報の磨き方
話す際は、うなずきや適度なジェスチャーを取り入れ、相手の目を見て話すことを意識しましょう。
聴覚情報の磨き方
相手が聞き取りやすい声の大きさと、ゆっくり話し、抑揚を意識することで、説得力が格段に向上します。
■会話は“キャッチボール”
会話は“キャッチボール”ですね。相手の言葉(球)をしっかり受け取り(傾聴)し、相手に合わせて言葉(球)を返す。
相手が受け取れない球(早口)をなげても、相手は受け取れません。
また、言葉をかけるときも、相手が受け取れる状態でないのに、球を投げても、相手は受け取れません。
そして、相手が投げたボール(言葉)には、心があります。受けたボールに、どんな感情がこもっていたのかを考えること、大事ですね。
■受け止める力(聴く・共感する)とは
私は、人からのアドバイス、提案は、なぜか、自分を否定されたと感じることが多いですね。
人の言葉をすぐに誤解し、反論するので、人との会話は疲れ、ストレスがたまります。そして、相手に嫌な印象を与えますね。
だから、人の言葉は、自分の思いをできるだけ捨てて、素直に聴くことにしました。
① 聴く力(一番大切)
会話は「話す力」よりも「聴く力」ですね。私はこれが一番弱いみたい。
妻も娘達も、聴くだけで安心します。あとは、相手を見ながら、うなづくことかな。
② 相手の気持ちを想像する
言葉ではなく、言葉が含んでいる感情を見ることが大事ですね。
言葉は心を表現するもの。どんな気持ちで言っているのかを想像することが大事ですね。
③ 否定しない
せっかく話したのに、いきなり否定したり、解決策を言われたら、話す気力を奪ってしまいます。なお、相手が話し終わらないうちに、こちらから話すと、イメージ的に否定されたと感じますね。
④不安、不満を聴いたとき
「不安」や「不満」を聞いたときは、否定せずにまずは共感し、感情をすべて吐き出させることが大事でした。
アドバイスは後回しにし、まずは「安心感」を与えることで、落ち着きを取り戻しやすくなりますね。
⑤“黙ってうなづく”のも立派な言葉
“黙ってうなづく”には、「あなたの気持ちはよくわかるよ」、「それでOKだよ」という優しい言葉が含まれています。
■伝える力とは(分かりやすく・穏やかに話す)
①マイナスの感情を持ったまま話さない
介護などでイライラしたまま、言葉を出すと、感情が言葉に乗り、あいてに“トゲのある言葉”を発することになります。
特に、認知症の介護の時には注意が必要でした。“トゲのある言葉”は、認知症の周辺症状の暴言などが出やすくなります。
もし、話をしていて、感情が高ぶってきたら赤信号。深呼吸をして落ち着くのを待つか、その場を離れるのがいいですね。
穏やかな感情の時には、優しさが伝わり、マイナスの感情の時には、怒りのトゲが伝わります。
②伝えるときは穏やかな顔で
話すとき、同じ言葉でも、顔の表情で受け取り方が全く違います。
穏やかな顔で伝えると、「あなたに関心があるよ」、「大丈夫だよ」という、関心と安心を与えます。
③話すタイミング
ある人が言ってました、話すタイミングは、相手が、受け取れる“青信号”のときだと言ってました。
例えば、相手が忙しいときは“赤信号”、話すと邪魔になり、相手もイライラして、雑な対応になります。
相手が言葉を受け入れることが可能な状態(青信号)なのかを判断するのは、とても大事ですね。
④穏やかなトーンで、ゆっくり話す
認知症の介護、引きこもりのサポートでは、やはり、穏やかに話すのがいいですね。
引きこもりの娘いわく、きつい言い方だと、怒られたと感じるようです。
ゆっくり話すことで、聞きやすくなり、穏やかな口調になります。
⑤すぐに解決策を言わない
実は、私の言い方の失敗は、解決策をすぐに言ってしまうこと。これは、引きこもりの娘からみたら、否定されたと感じるようです。
■相手の感情に巻き込まれない(精神的距離を置く)
不満、不安、愚痴が長く続く場合は、認知症介護、引きこもりのサポートの経験から、何を言ってもダメですね。
イライラして怒るのは絶対NGです。
私は聴き続けることで、かなりダメージを受けるタイプ。だから、相手のペースに巻き込まれないことが大事ですね。
長い不満、不安、愚痴は、相手の頭が暴走している状態。聴き続けると、怒りに直結します。
受け流して、精神的距離を置かないと、受ける側の精神が参ってしまいます。
もし、それでも、我慢できないときは、「チョット庭にでるね」などと言って、物理的な距離をおいたらいいですね。
■会話は“思いやり”が基本
会話を単に自分の考えを伝える手段にしか考えていなかった私。
だから、相手のことを考えずに中途半端に聴いたり、余計なことを言ったり、無愛想な話し方になったり・・・
でも、引きこもりの娘から、「お父さんの会話力は全然ダメ!」と言われ続け、やっと気づきました。
会話は、人間関係の基本なんですね。そして、会話は「言葉のやり取り」ではなく、「心のやり取り」でした。
言葉は同じでも、そこに、相手のことを考えている「思いやり」があるかないかで、受け取り方はまったく変わります。
認知症介護も、引きこもりのサポートも、大事なのは、「思いやり」のある会話でした。
認知症の母を介護していたとき、母が妹達の悪口を言い続けました。さすがに1時間も妹達の悪口を言われて、私は母を怒りました。
でも、母は認知症でした。もし、少しでも思いやりがあれば、もっと優しく対応できたはずです。
引きこもりの娘が私に不満、愚痴を言い続けたときも、何でそんなことを言うのかと反論しました。
でも、娘は不安がいっぱいだったんです。もし、少しでも思いやりがあれば、もっと優しく対応できたはずです。
「思いやり」を持つといっても、なかなか難しいですが、「相手を理解しようとする姿勢」があれば、「思いやり」に近づく気がします。
私はあなたをまだ理解していない、
だから理解したいという姿勢です。
人を先入観、思い込みで見がちです。だから、自分の思いを捨て、相手の世界を理解しようとする姿勢が“思いやり”につながりますね。
■言葉の感じ方は一人ひとり違う
引きこもりの長女と話していて感じるのは、言葉の感じ方。
一つの言葉には、肯定的な意味と否定的な意味がありますね。例えば、
「適当」は、”適切である”と共に、“いい加減、無責任”の意味。
実は、私が「適当でいいよ」(肯定的)と言ったら、長女は「いい加減でいいよ」(否定的)にとらえます。
言葉一つでも、相手がどう感じるのかを分からないと、誤解されますね。
だから、良い会話は、相手の世界を知ることが必要になりますね。
■会話力で「信頼し安心できる人とのつながり」が生まれる
親子のつながり、夫婦のつながり、身内とのつながり、友人達とのつながり、仕事場での人とのつながり
私達は、つながりの中で、生きて生かされています。
思いやりのある会話は、この人とのつながりを強化し、“信頼し安心できるつながり”が生まれます。
私は、母の認知症介護で、思いやりのある穏やかな会話がいかに大事か分かりました。
長女の引きこもり、次女の精神疾患のサポートでは、さらなる会話力のアップが必要だと教えられました。
人とのつながりの中の会話は、“言葉のやりとり”ではなく“心のやりとり”。
そして、言葉を相手がどう受け取るのか、相手の世界を少しでも理解しないと、誤解されます。
会話力は、人を理解しようとする中で、鍛えられ、養われていくような気がします。
そして、それが、“思いやり”や“優しさ”につながりますね。
■会話力も心の余白(余裕)が必須
母の認知症介護、長女の引きこもりのサポートで、不平、不満、愚痴、非難が続くと、私のように心に余白がないと、冷静に会話ができません。ついつい怒ってしまいます。
心に余白がないと、相手の言葉も、素直に受け取れません。
心に余白がないと、話す言葉も過激な言葉になり、言い方も表情もきつくなります。
考え過ぎ、心配し過ぎなどで、心がいっぱいだと、余裕はゼロ。相手の言葉を受け止めるスペースはありません。
だから、良い会話は、心の余白(余裕)が必要ですね。
■会話は助け合い、協力し合うためのもの
会話は情報交換、作業分担、お互いを知りあうために必要ですね。
そして、もっと大事なのは、“助け合う”、“協力し合う”ために必要な気がします。
だから、批判したり、怒ったりするのではなく、
相手の世界を理解し、
役立つ情報を提供しあい、
相手を認め、感謝し、
お互いが前向きになれる、
そして、相手が自ら行動する勇気と自信を持てるようにする。それが、本当の会話かもしれません。
