
遥遠く
三日月が連れてきた命は
儚く揺らいでいていた
手を離すかに見えたそれは
図太く野性味溢れ
迷うことなく光の先へ放たれた
天使の羽とシックスパック
持たされすぎた荷物を抱え
あなたはどこへ行くのでしょう
遥遠く
祈りを込めた私に背を向け
さらに先へ急ぐのでしょう
(あとがき)
「遥(はるか)」の一字は、
遥か遠くまで見渡せるようにと。
悪魔のような、きみの背中に、くっきり浮かぶ天使の羽。
いつかその配役が入れ替わる日を夢見て
自分をなだめ、きみを煽てて、なんとか今日まで繋いできた。
抱きしめても振りほどくくせに、
適度な距離を保ちながら、側にいろとせがむ、きみ。
いま、きみが抱えきれないほどの荷物を手に
私の祈りを置き去りにして加速していく姿は、
願っていたとおりなのに、なぜだかとても、とても切ない。