メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像
Photo bykao1248

(恋愛小説立葵ず向日葵10

    茶山茶々子

     明日蚀う。
    昚日のその決意は嘘じゃなかった。
    なのに、出勀するず職堎の匵り付いた空気を感じた。
    䞻任からトラブルが起きたこずを報告され、課の党員で察応が始たる。
    長い今幎の盆䌑み前に、なんずしおも解決しお取り匕き先に報告しなければいけないず、必死だった。
    二十䞀時たでかかっお䜕ずか目凊を付け、垰宅するず、悠良からLINEが入っおいた。
    「だいじょうぶお疲れ様、今日はゆっくり䌑んで。」
    その蚀葉で秘密を明かすのを䞀日埅っおもらえたようで、ホッずしおしたう。


     安堵するずどっず疲れが抌し寄せ、今の頭で考えられる最倧限の蚀葉を返しお、シャワヌを济びた。
    汗を流すず少し疲れが取れるけど、もう今日は話せない。
    頭が回らず、䜕を蚀えば良いのかも分からない。
    䜕をしおるんだろう
    蚀うのが遅くなればなるほど、自分は䞍誠実な男になる。
    早く蚀った方が、ただ悠良は信じおくれるかもしれないのに。
    だが、この調子なら明日も垰りが遅くなるだろう。
    どうしよう  
    昚日は祝犏されおあんなに嬉しいず思ったのに、今は倧家の来蚪が恚めしくお仕方ない。
    いや、違うよな  
    本圓は、倧家のせいじゃない。
    仕事のトラブルのせいでもない。
    本圓に話そうずしおいるなら、今だっお悠良の家でしどろもどろになっおでも話しおいるだろう。


    卑怯だ  
    俺に本圓に圌女ず付き合う資栌があるのか)深い自己嫌悪を抱えお、ベッドの䞊でのたうち回る。
    このたた気がおかしくなった方が楜かもしれない。
    底の底たで思い詰めるず䞍思議なくらいに前向きな考えが湧くらしいが、この時はたさにそうだった。
    䞀日でも早く蚀った方が良い
    あたりに突然の思考の倉わりようが䞍思議だが、䞀日でも早い方が良いのは間違いないだろう。
    本圓に圌女を想うなら、そしお本気で手攟したくないなら、早く蚀うしかない。
    「よ、し」
    立ち䞊がっお、急いで歯磚きをする。
    早く寝お、明日にはトラブルを片付けお、遅くおも明埌日には蚀うんだ。
    信じおもらえる可胜性をわずかでも䞊げるには、真摯に秘密を打ち明けるしかないのだから。


     今日は自分も䞊叞も驚くほどスムヌズにトラブルを解決した。
    芚悟を決めたからなのか、䜕かのスむッチが入っおいる。
    それでも報告などの業務に远われ、垰宅は昚日ず同じような時間になった。
    今ならただ電話が出来る。
    玄関の鍵を閉めるのず同時に、悠良の番号を開いお、通話ボタンをタップする。
    「圭倪、お疲れ様。終わったの」
    もしもしも蚀わずに出おくれたのは、電話を埅っおいおくれたんだろうか。
    やはり、昚日電話しおも良かったのかもしれない。
    「終わったよ。悠良もお疲れ様」
    良かった、ず蚀い合っお、お互いに沈黙した。
    圌女は俺の様子に気付いおいるのか。
    俺は沈黙を砎っお喉を鳎らした。自分にキュヌを振るように。
    「明日、倧事な話をしたいから、悠良の家に行っお良い」
    俺の家で話すのは、ショックを受けた時の悠良が心配になる。
    倖に飛び出すかもしれない。
    でも、圌女の家なら、俺が垰ればいい。
    「  分かった。埅っおるよ」
    ずうずう明日、決たっおしたう。
    どうか赊しおくれたすように。
    悠良が俺を信じおくれたすように。
    誰かに応揎しおほしくお、初めお圌女に觊れた日のように、カヌテンを少し開けお倜空を芋䞊げる。
    今日も星はよく瞬いおいたけれど、あの日ず違っお、现い现い月が浮かんでいた。


     仕事を終えるず、今日も車の䞭からLINEを送る。悠良はすぐにスタンプで返信をくれた。
    うさぎがにこにこず「OKAY」の旗を振っおいる。
    自分ぞの応揎だず蚀い聞かせお、ギアを入れ、圌女の家ぞ急いだ。
    きっず䜕を蚀われるのか䞍安で埅っおいるはずだから。
    ドアを開けおくれた悠良は、芋たこずもないほど顔を硬盎させおいた。
    堪らなくお、ドアが閉たるなり切り出した。


    「悠良ず結婚したいのは本圓に本圓だよ。でも、その前にどうしおも蚀わなきゃいけないこずがある」
    「うん  」
    「もし、今からする話を聞いおも赊しおくれるなら、お盆は垰省しお、䞡芪ず兄に報告しようず思っおる」
    「お兄さん居るんだね」
    「うん。兄は結婚しおるから、結婚の流れは分かっおる぀もり」
    「そうなんだ」
    「  これ芋お。兄倫婊の結婚匏の写真」
    テヌブルに぀きながら、スマホを探る。
    結婚匏の写真ず聞いお、あんなに緊匵しおいた顔を綻ばせる悠良が愛おしい。
    どうか、ず震えながらスマホを差し出した。
    そこには兄のLINEのアルバムが開かれおいる。

    星も、あの现い月も、今幎も咲いおいるはずの向日葵も立葵も、誰でも良い。
    味方をしおほしい。
    でも、䞀床綻んだはずの悠良の顔はどんどん匷匵る。
    震わせた口から、力のない声で蚀う。
    「このひず、私  じゃないよ  」
    「そっくりだよな。兄の奥さんの矎月さんだよ」
    圌女のしなやかな手を取り、しっかり握る。
    悠良に力が䌝わるように、飛び出そうずしおも捕たえられるように。
    でもその手からは力が抜け、指先が冷えおいく。


     写真を芋せた埌、矩姉は悠良の五歳䞊で双子などではないこず、矩姉の䞡芪には俺も結婚匏で䌚ったこずがあり、よく䌌おいるこずを話した。
    だが硬盎した顔で頷くばかりで、話を理解できおいるか分からない。
    家族芪族以倖で自分に瓜二぀の人間が珟れる。しかも、婚玄者の矩姉ずしお。
    悠良でも盞圓衝撃的な事実なのだ。
    過去の俺の気持ちに気付いたら、受け止めるこずも出来ないかもしれない。
    圌女の様子を芋逃さないようにじっず芋぀めた。
    (䞀時間くらい経ったかな  )
    䞀瞬だけ時蚈を芋る。あれから五分しか進んでいなかった。
    高専のクラスメむトの話を思い出す。
    圌は絶食入院で䞀番蟛かったこずを歊勇䌝のように倧声で話しおいた。
    「早く食べた過ぎお、時間が経たないんだよ䞀時間経ったなず思ったら、五分しか経っおないんだよ」
    そんなわけあるか、ず思ったのを、い぀か玚友に謝ろう。
    気がおかしくなりそうで、倉なこずばかり思い出す。


    その時、悠良は俺を真っ盎ぐ芋お、い぀もの匵りのある声で蚀った。
    「圭倪  ありがずう」
    「え、ありがずう  」
    目の前が真っ暗になる。「今たでありがずう」ずいうこずなのか。
    これは別れの蚀葉なのだろうか。
    おろおろず狌狜うろたえる。
    悠良がどんな答を出しおもおかしくないのに。「あの䞀週間っお、矎月さんを奜きな気持ちが残っおないのを確認しおたんでしょ「癟パヌセントの奜き」っおそういうこずだったんだ。私を倧事にしおくれおありがずう」
    矩姉を奜きだったこずを察しお、その䞊でありがずうず蚀える悠良はやはりすごい。
    でも䜕か違う。


    「うん  いや、そうなんだけど」
    い぀も色々先回りしお読たれおいるのに、䞀番肝心なずころは䌝わっおいないのが悔しい。
    「お矩姉さんにはもう気持ちないから、じゃあ悠良でみたいこずじゃない」
    今床は䞍思議そうな顔で俺を芋おいる。
    「䞀週間埅っおっお蚀ったのは、悠良は絶察に身代わりじゃないっお確信したくお  。お矩姉さんぞの気持ちはだいぶ前から無かったけど、思い出したら苊しいから、もしかしおただ奜きなのかっお䞍安で」
    「  苊しい」
    そう蚀った圌女の目には、い぀もの力があった。「さっきの写真  兄さん栌奜いいじゃんしかも俺は高専卒だけど偏差倀ランキング䞋の方で、兄さんの倧孊の方が䞊だし、性栌もリヌダヌタむプだし。そんな兄さんに、恋愛も敵わなくお、だからお矩姉さんを思い出すず苊しくなっお  それをただ奜きだっお勘違いしお  」
    「お兄さんは栌奜いいず思うけど、私は圭倪じゃなきゃ嫌だよ」
    和たせようずしたのか、少しオヌバヌリアクションで圌女は蚀っおくれた。


    「赊しおくれるの  」
    「圭倪、䜕も悪いこずしおないでしょう」
    きっず私に早く䌚いたかったんだよ、ず蚀いながら、力匷く背䞭を撫でおくれる。
    お返しに俺が圌女の頬を撫でるず穏やかな笑顔が返っおくる。
    この愛おしい時間を捕たえるために、䞀番倧事なこずを䌝えよう。
    「この顔がたるんで皺くちゃになっお、誰に䌌おたか分からなくなったりするかもしれない。その埌も、ずっず䞀緒に居たい」
    「私も。皺くちゃの圭倪も絶察可愛いよ」
    「  ずっず兄さんみたいに栌奜よくなりたかったけど、悠良に「可愛い」っお蚀われるのは嬉しいんだよな」


    悠良が蚀う「可愛い」の意味を教えおもらった。悩みながらも䞀生懞呜で、優しくお、真面目で愛おしいけど、少し男らしい。
    男性には、圌女が最高に玠敵だず思う盞手にだけ蚀うんだず笑った。
    心が溶けおいく。
    もう、兄ず比べなくおもいい。
    悠良がこんなにも奜きでいおくれる俺を倧事にしお、圌女のこずはもっず倧切にするんだ。
    包むように抱きしめるず、圌女はたた背䞭を撫でおくれた。

     
     
     
    「ちゃやた ちゃちゃこ」ずいいたす。 倫ず子どもが人。 曞いおみたかった゚ッセむ、始めたす 自己玹介 https://note.com/lofty_violet6614/n/n0743bde2f406

    あなたぞのおすすめ