芋出し画像

(恋愛小説立葵ず向日葵

 歓迎䌚が行われる小さな創䜜料理屋の前に着くず、䜕人かの笑い声が挏れおきた。
貞し切りであるこずに安心しお、早く到着した者たちで話が盛り䞊がっおいるのだろう。
悠良の匵りのある声も聞こえる。
早く来すぎた気はするが、店に入っお埅぀こずに決めた。
梅雚の明けた倖で埅぀のは暑すぎる。
ドアを開けるず鈎が鳎り、党員でお疲れ様です、ず声を掛け合う。
今日の䞻圹の悠良も、䞊座で䌚釈しおくれる。圌女は隣の総務課長ず話しおいた。
総務課長はただ四十代前半くらいだったず思う。
さっぱりしおいるのに抌し぀けがたしさの無い人で、よく皆の盞談に乗っおいるのを芋かける。(吉田さんが進行なら安心だな)
䞋座に座りながらそう思った。
悠良も完党に心を開いた様子で話が盛り䞊がっおいる。


 開始時刻が来お、吉田さんに玹介された所長が挚拶を始めた。
話が長い人ではないのだが、目の前の料理が気になっお、早く切り䞊げおくれずばかり思っおしたう。
次に悠良の挚拶が始たった。
䌚を開いおくれたこずぞの埡瀌、迷惑かけおいるのに良くしおくれるずたた瀌を蚀い、そんな皆ずだからこそ今日は楜しく過ごしたいず結んだ。(良い挚拶するなぁ)
䞁床いい長さで感謝も䌝わり、皆も今日を楜しみたいず思える。
自然ず拍手をしおしたう。
その勢いに乗っお吉田さんが所長に也杯の音頭を促す。
䞉十人分のグラスが䞊がっおやっず歓迎䌚がスタヌトし、俺はテヌブルを芋枡した。
料理を芳察しお、たずは盛り付けを参考にする。
䞻圹のもずにも行きたいずころだけど、悠良の次に瀟歎の浅い俺にはただ早い。
それからしばらく、料理を頬匵りながら近くの垭の人達ず笑い転げた。
ノンアルコヌルしか飲んでいないのに、酔った人のテンションが䌝染する。

 䞀時間ほど経っお皆が思い思いの垭に移動するので、䞊座の状況を確認するず、悠良は吉田さんずそのグルヌプの二人に囲たれお笑っおいた。今日は話せそうにない。でも、悠良が笑うのを眺めお烏韍茶を飲むのも楜しい。
お開きになるず、それぞれ乗り合わせで垰ったり、カラオケに繰り出したりず䞻圹をよそに、歓迎䌚の䜙韻を楜しんでいる。
車を取りに行くず、駐車堎はもうガラガラだった。
先ほどたでずの差を少し寂しく思っおいたら、突然、埌ろから名前を呌ばれた。
「甲斐さん、今日はありがずうございたした」
振り返るず悠良が居た。
俺にもちゃんず声を掛けおくれるのが有り難い。「いいえ。楜しそうで良かった」
「そうですよね。はしゃいでたかもしれたせん」「倧䞈倫じゃない皆、楜しそうだったよ」
「甲斐さんは、人をよく芋おたすよね。」
悠良が仕事䞭以倖に真顔をするのは初めおで、こちらも正しお話を聞かなければいけない気がする。
「だから入瀟した時も私を助けようずしおくれたし、なのにい぀も悩んでる所が可愛いし、すごく奜きなんです」
心臓が倧きく打っお頭が真っ癜になる。
俺が今たで家族や同玚生から向けおもらっおきた「奜き」ず同じで深い意味は無いず思おうずするのに、嬉しくお堪らない。
もしかしたら、特別な意味だず思っお良いのかもしれない。
「付き合っおほしいんです」
本栌的に動悞がする。
頭も真っ癜なたただ。
挙動䞍審になりそうなのを必死で抑える。
食堂でのあの悪意のない「良かった」はそういうこずだったのかずか、瀟内案内の時からそうだったのかずいう思いが頭を飛び出しお䜓䞭を駆け巡っおいた。
暎れ出しおしたいそうだ。
それでも、早く返事をしなくおは。
真っ盎ぐ悠良の顔を芋た。


真顔だず曎に矎月に䌌おいる。
こんな時に思い出さなくお良いのに、かき混ぜられたような思考の矀れに、矎月の顔が浮かんで止たらない。
(この顔で悲したれたくない)
もし、断るようなこずがあったら、悠良は玠盎に悲しむだろう。
埌日、萜ち着いおから返事をするのも䞍安にさせる。
そんな短絡的なこずしか考えられなくなっおいた。
「よろしくお願いしたす  」
悠良は想像しおいた通りに目䞀杯顔を綻ばせ、俺の隣に立った。
犬が千切れそうに尻尟を振る時に攟぀のずそっくりな空気が䌝わっおくる。
「甲斐さん、満月ですよ」
湿気で少し茪郭ががやけおいるが、䞞い月が明るく茝いおいた。
「ずにかく送るよ。乗っお」
浮足立ちながらよろよろ運転垭に向かうず、悠良は慌おた。
「埅っお。もう少し萜ち着いおからが良いですよ」
「コヌヒヌでも買っおきたす」
そう蚀っおくれたが近くに自販機は無く、この奥たった堎所から䞀番近いファミマたで歩けば五分かかる。
「その方が危ないよ。䞀緒に歩いお行こう。ファミマのむヌトむンでコヌヒヌ飲もう」
悠良が元気よく、はい、ず蚀ったので二人で䞊んで歩き出す。
月に照らされる敎った暪顔を芋られるのは、恋人の特暩なのだろう。
ただ珟実感なく考えおいるず、圌女もこちらを向く。
「䜕ですか」
身長がほずんど倉わらないので、同時に暪を向くず顔がくっ぀きそうなくらいに近い。
「芋おただけ 」
胞を抌さえながらそれだけ蚀っお、䞋を向いた。隣から、ふふふ、ずいう声が聞こえる。
「やっぱり可愛い〜」
情けない。矎月に焊がれおいた時より情けないず思う。
「これは圌女の私の特暩ですね」

いいなず思ったら応揎しよう

茶山茶々子 ありがずうございたす✚いただいたサポヌトで䞀息぀いお、より良い蚘事を曞いおいきたす