
最終話 22:47 ―未来の私へ。今日の1分を。―
22時47分。
玄関のドアを閉める。
その音を聞いて、ふと思い出した。
この物語は、この時間から始まった。
あの日も、仕事で帰りが遅くなった夜だった。
ソファにバッグを置いて、ため息をついた。
コンビニで買った夕食を食べて、ぼんやりスマートフォンを眺める。
鏡に映った自分を見て、小さくつぶやいた。
「疲れてるな……。」
あの夜の私は、毎日をこなすことに精一杯だった。
仕事を頑張ることが、自分を大切にすることだと思っていた。
だから、自分のことはいつも最後。
スキンケアも。
食事も。
休むことも。
「時間ができたら。」
そう言って、後回しにしてきた。
でも、本当に必要だったのは、特別な時間じゃなかった。
たった1分だった。
洗面所の灯りをつける。
鏡の前には、いつもの景色。
そして、いつもの一本。
毎朝。
毎晩。
変わらずそこにある。
私は静かに手に取る。
もう「使わなきゃ」と思うことはない。
歯を磨くように。
窓を開けるように。
「今日もお疲れさま。」
そう自分に声をかけるように。
この時間は、私の毎日になっていた。
鏡を見る。
劇的に若返ったわけじゃない。
シミが一夜で消えたわけでもない。
人生が急に楽になったわけでもない。
朝は相変わらず忙しい。
仕事だって、今日も慌ただしかった。
それでも、以前とは違う。
鏡を見るたびにため息をつくことは、もうなくなった。
「今日も頑張ったね。」
そう思えるようになった。
肌をいたわる時間は、いつしか心をいたわる時間にもなっていた。
数日前、彩から写真が送られてきた。
きれいに片づいた洗面台。
その写真と一緒に、短いメッセージ。
「ちゃんと続けるって、気持ちいいね。」
思わず笑顔になる。
私も、ほんの少し前までは同じだった。
何かを変えたくて、新しいものばかり探していた。
でも、本当に変わったのは、「何を使うか」ではなく、「毎日、自分を大切にする」と決めたことだった。
そして、その時間にいつも寄り添ってくれたのが、この一本だった。
派手な変化を約束するものではない。
「一度で変わる」と期待させるものでもない。
忙しい日でも、疲れた日でも。
鏡の前に立つ私に、
「今日も、この1分だけは自分のために。」
そう思い出させてくれる存在。
だから私は、この一本を選び続けている。
未来は、ある日突然変わるものじゃない。
今日という一日を、どう積み重ねるか。
その繰り返しが、きっと10年後の私をつくる。
もし今、この物語を読んでいるあなたが、
「最近、自分のことを後回しにしているな。」
そう感じているなら。
どうか明日から、たった1分だけ。
鏡の前で、自分のための時間をつくってみてください。
高価なものをそろえなくてもいい。
完璧に頑張らなくてもいい。
大切なのは、自分を雑に扱わないこと。
その1分は、きっと未来のあなたにつながっています。
私は今日も、鏡の前で小さく笑う。
「今日も、お疲れさま。」
そして、また明日も。
未来の私へ。
今日の1分を。
⸻
この物語は、特別な誰かの話ではありません。
この物語とともに歩んできた一本を。
この物語の中で何度も登場した「いつもの一本」。
それは、肌だけではなく、「自分を大切にする時間」を毎日の暮らしの中に取り戻すきっかけになってくれた存在です。
私たちは、劇的な変化を約束したいわけではありません。
忙しい毎日の中でも、「今日も自分を大切にできた」と思える時間を届けたい。
そんな想いで、このスキンケアをお届けしています。
もしあなたも、未来の自分のために今日の1分を始めてみたいと思ったら。
その1分に、そっと寄り添えたらうれしいです。
