
【アマノ文筆クラブ】ショートショート『魔女刈り』
美容院の待合室にずらりと並んだのは、どこからどう見ても猛者といった佇まいの女性グループだった。日焼けした肌に、引き締まった身体。今日はずいぶんと威勢のいい団体様のお越しだ。
「いらっしゃいませ! 本日はどのようなスタイルにいたしましょう?」
私が尋ねると、リーダー格の女性が胸を張って答えた。
「今日は久々に練習休みだから、ヘアスタイルもばっちり決めたいの!」
大人の貫禄と、長年鍛え上げられたアスリートのオーラが漂っている。
「かしこまりました。具体的なご希望はございますか?」
私の問いかけに、彼女はニコリともせず一言放った。
「魔女狩りで!」
「へっ?」
思わずハサミを落としそうになった。耳を疑う私に、彼女はあきれ顔で言い放つ。
「鈍いわね。バレーボールがしやすいようなショートヘアのことよ。私達『東洋の魔女』と呼ばれてるから」
さっきはびっくりさせられたが、『魔女』の意味に納得してうなずいた。
「なるほど『東洋の魔女』ですか。魔法少女と呼ぶにはさすがに無理がありますもんね!」
了
こちらの企画に参加させていただきました。ありがとうございました。