32【ジジとババと、みなさまと私】「親子ね」と言われた日|1月4日

はじまり、はじまり。
家に帰る前に、父の室内シューズを買うことにした。ショートステイ先から歩行器(コロコロ)で帰ってくる父に、滑り止めは必須だ。靴下だけで歩かれて滑ったら怖い。近くのショッピングセンターに行った。父に履かせてみないとわからないから。
ショッピングセンターの駐車場に車を止めてコロコロを下ろす。父にとっては久しぶりの外の世界だ。どれぐらい歩けるかちょっと心配していたが、段差もないし思ったよりスムーズに歩いている。コロコロのいいところは、自分のペースで歩けること。後ろからついていけばいいというのは大変助かる。
靴売り場に行くと、丸い椅子があったので父に座ってもらい、足に合う靴を探す。

父のこだわりが強い。靴の後ろは横しまのなみなみ、「これが滑らんだ」と言う。こだわりの強さは私並みだ。父の足のサイズは25から26。履きやすくてグリップのいい靴を2、3足履いて試していた時、通りかかった知らないおばさんが言った。
「まぁ、親子で買い物、いいわね」
パッと見て親子に見えるんだ。私はちょっとショックだった。
父と2人で買い物に出た記憶がない。家族みんなでラーメンを食べた記憶はあるけど、父と2人で買い物に行った記憶は本当にない。だからこれがはじめての2人での買い物だと思っていた時に、そんなことを言われるんだ。
どこをどう見たら私と父が似ているんだろう。似ているのか、仲良く買い物しているように見えるのか。なんだか本当に、人生びっくりすることが起こるなぁ。まぁでも、悪いことではない。いいことなんだろうが慣れない。こちょばゆい感じだ。
さぁ、父が満足する靴が決まった。
父とコロコロを乗せて、母の待つ家に帰ろう。
母のことだ。
きっと帰りが遅いと、玄関先を行ったり来たりしているんだろうな。
今日も、ジジとババと、みなさまと私の一日。

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ジジのスピーチ、本番。
もうひとネタ、お付き合いください。
1月4日だけで4部作。
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若葉がきれいな季節だけど、これは正月の話。
季節感ゼロです
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