
『最後のダンスはひとりで』―フロアに残るのは、甘い香りと私だけ👠✨💧
「…今日は、踊らないの?」
そんな軽い冗談すら、もう聞けなくなると思うと、
笑うタイミングすら見失ってしまう。
彼が来るのは決まって、週末の雨が降らない夜。
予約もせず、ふらっと現れては、
私の名前だけをやさしく呼ぶ。
まるでこのフロアにいる誰よりも私を選んでくれたような、
そんな錯覚を毎回、くれる人だった。
🥂
背伸びをして履いたヒール。
大人びたメイクに、ワンランク上のドレス。
あなたの隣に立つには、少し努力が要った。
シャンパンの泡がはじけるように、
一瞬だけ確かに満たされては消えていく
その感情を、私は“恋”と呼んでいたのかもしれない。
けれど、帰り道のタクシーには
私の乗る席はなかった。
🖤
ドアが閉まる音が苦手になったのは、
きっとあの夜からだった。
振り返っても手を振ってくれないことにも
慣れたはずなのに。
ネオンの滲む交差点で、
私はまだ、あなたに手を振っていた。
「近づいた」と思った瞬間に
いつも一歩、遠ざかる。
それでも、あなたの背中を追いかけていた。
いつか並べるって、信じてた。
🌹
踊らないフロアに、まだ甘い香りが残っている。
それはあなたが最後に残していった
“やさしさ”という名の嘘だった。
触れられない距離。
許されない関係。
それでも私は、その夜の中にいたかった。
あなたじゃなくてもいい、
誰かの影にでもなれたらいい。
そう思うくらいには、愛していた。
氷が溶けていくグラス。
冷たくなる心。
でも、冷めきる前に
たしかに“好き”だった温度が、
まだ私のどこかで光ってる。
🌆
タクシーの窓に映る
誰かの幸せそうな横顔。
あれが私の描いていた未来だった。
指輪をしていた左手。
助手席で笑うあの人。
私は、あの場所にいるはずだったんだ。
けれど今夜、私は決めた。
もう、踊らない。
最後のダンスは、私だけのために。
誰かの影じゃない、
本当の自分に戻るために。
今夜、そっと愛を手放す。

🍒🥥🩰 架空カクテルレシピ:『最後のダンスはひとりで』
色:
ほのかに赤みを帯びたベビーピンクと
うすいライラックが交差する、
静かな夜明けのようなグラデーション。
グラス:
スリムなワイングラスに映える
ジュエリーのような淡いきらめき。
「華やかなのに、どこか孤独」
そんな表情を持つカクテル。
📋 材料(for 1 glass)
🍒 チェリーブランデー 20ml
🥥 ココナッツクリーム 10ml
🍓 ストロベリーリキュール 15ml
🩰 ホワイトカカオリキュール 10ml
🥛 ミルク 20ml
💧 ラベンダーシロップ 少量
🧊 クラッシュアイス
🌸 トッピング
✨ ホワイトチョコスライス
🌺 エディブルフラワー(ラベンダー色)
🍬 ピンクのシュガーリム
💞 サーブ:
全てを優しくシェイクし、
やわらかな泡とともにグラスに注ぐ。
飲み干す頃には、
少しの甘さと少しのほろ苦さが残る、
まるで叶わぬ恋の余韻。